追いついてきたな
コシャコナリケリや貝類が並ぶシーフードピザ。
ただ、一番気になるのはやっぱりコロッサル墨が混ぜられたホワイトソースだよね。
というわけで早速パクリ。
「……知ってたけど」
「あまりにも美味しい」
ホワイトソースのクリーム感に、ほんのり磯の風味と塩味が追加されたようなそのソースは、当然のように魚介類と相性抜群。
どころか、やや焦げが付いたおかげで香ばしさも増しており、普通に醤油に混ぜて食べる時より美味しく感じる。
あと、チーズとの相性ももちろんいいね。
しっかりとした食感と抜群の旨味のコシャコナリケリを、さらに一段グレードアップしてる。
やっぱりコロッサル墨、魚介類に関しては最強の相性だな。
「スライスした玉ねぎもいい味出してますわね」
「ピリッと来る刺激がいいアクセントだろう?」
「じゃな。相も変わらずビールが進むわい」
「コーラも美味しい」
ちなみに、アメノサさんはワイン一杯でコーラに切り替えておられました。
いかに微発泡ワインがアルコール度数低いとはいえ、酔うのは酔うのよ。
その点コーラってすげぇよな、最後まで砂糖たっぷりだもん。
……飲んでるのはゼロカロリーコーラですけれども。
「そう言えば、宝石蟹は乗ってないんですね」
これまでの食材を思い出しながら、海鮮と言えばで思い出されるあの美味しい蟹達が乗ってない。
そう思って口にしてみたんだけど……。
「本当は用意したかったんだがな」
「時期が悪かったのと、すっかり人気食材になってしまいまして……」
「わしらが買いに行った時には既に全部買われてしもうとったわ」
「あー……」
レシピを広めると、そんな事もあるのか。
ま、そりゃあそうか。
「オリーブオイルに溶かした蟹クリームパスタ、今では貴族の一級のご馳走に位置付けられていますのよ?」
「そのせいでラピスラズリ個体だけ値段が頭一つ抜けて高い」
「……まぁ、あの美味しさですからねぇ」
全く臭くないカニミソ味の個体だよね? ラピスラズリ個体。
オリーブオイルに溶けるもんだから、パスタにアヒージョにと大活躍だったし。
……ん? サラッと流したけど、異世界でもオリーブオイルが精油出来るようになったのか?
「オリーブオイル、見つかったんです?」
「ん? ああ。と言っても、見つけたのは私達ではないがな」
「そうなんです?」
「ああ。植物油の精油方法はマジャリスが第一発見者なのだが、それに続けと様々な植物で精油方法が研究されていてな」
「その内の一つが見事大当たり。オリーブオイルが精油されるようになったんじゃわい」
良かったじゃん異世界組の皆さん。
――あと神様。
(ん? なんでわしまで?)
だってオリーブオイルですよ?
ワインに合う料理にことごとく入ってますよ?
偶然、見つかって良かったですね?
(……うむ、そうじゃの)
この反応、違うのかな?
いやでも、この神様だぞ? 絶対に裏で手を引いてるって。
「ちなみにラピスラズリ個体を溶かしたアヒージョは?」
「国王の特別な日の食事レベルじゃな。そもそもアヒージョが貴族の贅沢レベルじゃから」
「そうなんですね」
まぁ、言い方的に生産量がまだまだ少ないっぽいし、希少な油を結構使うとなると、アヒージョが高級な料理になるのも分かる気がするな。
「美味しそうな話をしてるね、『無頼』」
「俺らの国には一切入って来ねぇからな」
「……俺が持ってるのでよければオリーブオイルあげますけど?」
「いる!!!」
会話に入ってこなかった『無頼』アメノサ組、何してるかと思ったら、ピザをちまちま食べながら不貞腐れた感を出してた。
なのでこうして俺がオリーブオイルを分け与えてあげる必要があったんですね。
「甘やかさなくていいぞ?」
「いやまぁ、折角ですし」
「ただでさえカケルが使っているオリーブオイルは質がいいのだ。それに慣れたら一番等級の高いオリーブオイルでなければ満足できなくなるぞ?」
「その覚悟はありまして?」
「う、うん」
オリーブオイルですぜ?
いやまぁ、そりゃあ高いオリーブオイルはいっぱいありますけれども。
俺が使ってるのはそこまで高くない奴だからなぁ……。
そんなクオリティ高い?
「そう言えば、ピザにオリーブオイルをかけるってどこかで見たような気も……」
「試す!!」
何で見たんだっけ……。
でもまぁ、トマトやらチーズやらが乗ってるピザにオリーブオイルが合わないわけ無いし。
かけても美味いでしょ。
「じゃあ次はベーコンとマイコニドのピザにしよう」
「それにオリーブオイルをかけるんですね」
ラベンドラさんもピザにオリーブオイルを合わせたいらしく、トッピングでオリーブオイルを迎えに行っている感を出して来ている。
なお、四枚目のカレーソースピザは焼き上がった模様。
散りばめられたソーセージと、ポテトがゴロゴロとしたカレーソースのピザ。
焦げたチーズの香ばしさとカレーの匂いが、焼きカレーを彷彿とさせる……。
こんなの美味いじゃん!! 絶対!!
「これにもスクランブルエッグだな」
さらに追い打ちでふわふわのスクランブルエッグが追加され……。
あーもう!! いただきます!!




