次回お祭り案
「ん~~!! 最高ですわね!!」
「トマトとチーズとマイコニドの相性が悪いわけが無いからな!!」
「カケルが用意した香草もいい。強烈な香りと甘さを感じる香りとの調和がやはり美味い」
「そういえば、前に用意したんですっけ」
バジル……何の時だったかな……。
確か、ジェノベーゼを作った時だったような記憶があるんだけれども……。
「トマトにもチーズにも合うこのハーブ、美味しい」
「カケルから貰ったスパイスの中には無かったよな?」
あー……無かったかも、バジルパウダー。
……でもさ、やっぱり生のバジルを使ってこそのこの香りじゃない?
もちろん、パウダーがダメとは言わないけども。
手に入るんだから生を使いたい――いや、異世界組には手に入らないのか。
「無かったな」
「今度貰う時があれば、欲しい」
「善処します」
う~む、どうしようか。
……そうだ、クリスマスの時にプレゼントにでもするか。
覚えてたらだけど……。
「ふぅ、微発泡の泡がチーズの油分を洗い流してくれる」
「トマトやハーブ、チーズとのマリアージュもかなり美味い」
「やはり油ものと微発泡の相性は最強ですわ!!」
「じゃがわし等には……」
「ビール! だよなァ!!」
豪快にピザにかぶりつき、ビールを思いっきり流し込む。
飲兵衛組のその飲みっぷりに、ビールのCMか? と錯覚しそうにさえなるな。
もし、異世界人が当たり前に日本に存在する世界線があったとして、その場合はこんなCMが流れるんだろうなぁ……。
あ、もちろん俺はビールではなくコーラでやらせて貰ってます。
もちろん、ゼロカロリーコーラで。
「カケル、三枚目は何がいい?」
まだ二枚目も焼けていないのに、三枚目のピザをどうするか聞いてくるラベンドラさん。
まぁ、このペースじゃないと追いつかないからね。
「ホワイトソースベースのシーフードピザで」
「分かった」
「ブラックペッパーを仕上げに振りましょう」
「任せる」
という事で三枚目のピザはホワイトソースベースのシーフードピザです。
乗っけられた具材はコシャコナリケリとコロッサルだな。
「ホワイトソースにはコロッサルの墨が混ぜてある」
「色は変わってないんですね」
で、魚介系を一番美味しい状態にするコロッサル墨が、ホワイトソースには混ぜられている……らしい。
醤油に混ぜた時もそうだったけど、通常はゲーミング色に発光してるのに、何かと混ぜるとその色に同調するのなんだ?
黒が単純に色として強いから塗り潰したってわけでもないっぽいし……。
まぁ、いいや。
異世界食材なんだもの、気にしたら負けさ。
「二枚目焼けたぞ。ついでに神の分もな」
という事で焼き上がった二枚目のピザは鳥の照り焼き風。
使われている鶏肉はもちろんリボーンフィンチ。
そしてそこに、リボーンフィンチの卵で作ったスクランブルエッグを乗せまして……。
……親子ピザ――やめておこう。
「刻み海苔も散らそう」
「最高ですね」
流石ラベンドラさん、和風と言うものをよく理解してらっしゃる。
「鶏肉と醤油が赤ワインに合わないはずがない」
「生地がさっきより薄めでクリスピーな食感になってるのがいいな」
「ザクッという生地と、しっとりとしたリボーンフィンチの食感のコントラスト、最高」
「これこれこれこれー!!」
「ビールがうめぇ!!」
鶏の照り焼きはビールにも、ワインにも、日本酒にも合う万能料理。
もちろん米にも合うしパンにも合う。
……あれ? もしかしてマジで万能なのでは?
(美味いピザに美味いワイン、最高じゃな)
神様もご満悦なようで。
「しっとりもっちりした生地もいいが、こうして薄い生地もまた美味い」
「そこは乗せる具材との兼ね合いでしょうね。リボーンフィンチの肉がしっとりしているからこそ、薄い生地が映えるのですわ」
「次の大会……ピザとかいいかも」
「どうせなら、大会とかじゃなく祭りにしちまえばいいじゃねぇか。生地とチーズだけ焼いて、その上に好きな具材とソースをかけていって完成させるとかでよ」
……お?
『無頼』さんのその提案、凄くいいものでは?
普通に俺はその祭りに参加したいけど……。
「いいんではなくて? 自分だけのピザを作ろうというのは結構面白い物と思いますけれど?」
「知育ポーションの一件で、『自分で作ること』に興味を持ったものが多く現れただろう。そこに自分で完成させるピザというのはタイミング的にも丁度いいのでは?」
「じゃとしたらピザ生地とチーズ、具材を売る連中以外は国で用意するんじゃな。まず間違いなくそれらよりも飲み物の方がバカ売れするぞい」
「それこそワインは事前に買い占めて配布するくらいでなければ足りんだろうな」
あー……言われてみると確かに。
自分で作るって部分がフォーカスされてるなら、なおさら自作ピザ祭りは歓迎されるだろうね。
そしてガブロさんの言う事ももっともだと思う。
ピザより飲み物の方が売れそうなのはマジで分かる。
「ピザ生地の購入でドリンク券配布、ドリンク券一枚で好きなドリンクと交換だと?」
「券を作るのが手間だし、何より祭り以降ゴミにしかなンねぇ。案自体は悪くねぇが、ちと弱ぇな」
「むぅ……帰ってじっくり考える」
大変そうだなぁ、国の重鎮って。
「三枚目焼けたぞ」
という訳でシーフードピザの焼き上がり。
……ちなみに四枚目はカレーソースのピザになりました。




