『反省部屋』
「今日はピザを焼くよ~」
「んご~」
姉貴が居なくなったのでゴー君へのご飯の提供はもちろん俺。
……というか、姉貴はちゃんとやってくれてた?
まぁ、やって無かったらゴー君が俺に主張してくるだろうし、やっててはくれたんだろうな、うん。
「そういやゴー君」
「ンゴ?」
「またこの前の白い炭って作って貰える?」
「ンゴンゴ」
今合成中の宝石の後なら、か。
白い備長炭で焼いた肉とか食べたかったんだよね。
ちなみに前回作られた白い備長炭は、ラベンドラさん達が持ち帰りました。
流石に武器にはしないと思うけど、色々と使い道を探りたい、とか言って。
「にしても今日はピザか」
子供の頃のご馳走のイメージだよね、ピザって。
まぁ、エルフ作のピザが初めてかって言われるとそうじゃないんだけどさ。
結局、ピザは何回食べても心が躍る。
……というか、ピザだけはアメリカナイズされてくれないかしら?
大きさといい値段といい。もう少しアメリカを見習ってくれてもいいと思うの。
そんな事をしたら日本人の健康指数が下がっちゃいそうな気もするけれども……。
でも、ケチャップっていう野菜を使ってるし、ピザはヘルシーなんですよ!
――なわけねぇだろいい加減にしろ。
牛丼もヘルシーフードじゃねぇんだよ!
米=野菜という考えを捨てろ!!
「スープとかはいらないよね……」
古来よりピザの付け合わせにはポテトとナゲットと相場が決まっている。
アメリカの州法にもそう定められている。
――もしかしたら本当に定められている可能性があるのがアメリカの怖い所。
「一応業務スーパーで買っては来たけど……」
大容量のチキンナゲットと、ハッシュドポテトをお買い上げ。
ソースはどうしようかと思ったけど、ピザに使うトマトソースを少し拝借しましょ。
あと、やっぱりピザにはコーラでしょって事で、俺が『ふとっちょ』と呼んでいるコーラの2Lサイズを二本。
あとはビールと、微発泡ワインからランブルスコと名前の付いたワインを片っ端から。
そして昨日姉貴が買って来た缶ワインと。
んっんー、完璧な布陣だな。
「そういや、九州に行くって言ってたな。俺が食べたいお土産を一個リクエストしておくか」
ふと思い立って姉貴に連絡。
前に九州旅行に行った友人が買って来てくれたお土産が美味しくて、たまに通販で買ってたんだよね。
そしたら、今丁度姉貴がそっちに向かっているではありませんか。
僥倖!! ……圧倒的僥倖!!
「明太子煎餅を買って来い、と」
そのお土産は、明太子のピリッとした刺激と煎餅のパリッとした食感の組み合わせが最高な、福岡県のお土産でござい。
あれなら飲兵衛組がもろ手を挙げて喜ぶでしょ。
日本酒とも合いそうだし。
「ん?」
で、それに対する姉貴の返答が、
『どれ?』
であり。
送られてきた画像には、俺が知らない明太子煎餅のフレーバーがずらり。
鳥皮? 明太子バター? 焼きカレー?
……全部気になるんだけど?
「姉貴のセンスに任せていい感じによろしく」
という俺の返信には、
『プレーンだけでいいのね』
と来たので。
「金輪際俺から食パンしか提供されなくていいならそう言ってよ^^」
と返しておいた。
こっちには最強の切り札があんねんぞ?
そんな姉弟の微笑ましいやり取りをしていたら、紫の魔法陣が出現。
お、ピザが――じゃなかった、ラベンドラさん達が来たや。
「待たせたか?」
「いえいえ、全然」
言うてもまだまだ晩御飯の範囲内ですからね。
――あれ? 『無頼』さんは?
「『無頼』なら、反省中」
「??」
「お肉の確保が出来ませんでしたの」
『無頼』さんが肉を確保できなかった?
結構強そうな見た目なのに……というか、言動的に明らかに強いはずなのに?
妙だな……。
「港に地震と津波を引き起こした挙句、肉じゃなくて魚を獲ってきた」
「あれはあれで希少だから貰っておいたがな」
「私達が所望したのは肉! 確保出来なかった『無頼』が悪い」
……まさかとは思うけど、肉を確保出来なかったから置いて来ちゃったとか?
それは流石にやり過ぎな気も……。
――と、パン! という風船が弾けるような音がして、ボトッと。
『無頼』さんが空中から出現。
そのまま床に着地。
どこから出て来た……。
「あー……。しンどかった」
「しんどく無いと反省の意味が無い」
「食材自体は確保してきただろうが」
「肉って言ったの! 魚じゃないの!!」
とかなんとかやり取りを始めた『無頼』アメノサ組を無視し、テキパキと準備を始めるラベンドラさん。
何の準備かって? もちろんピザ作りの、ですわよ。
「ちなみに具材はどうなったんです?」
「私達が作っていたベーコンやジャーキーを使うことにした」
「あぁ」
「と言っても、代わりに『無頼』が獲ってきた魚を貰ったんですもの。これ位はお安い御用でしたわよね?」
「だな。結構希少な食材だったんだ」
まぁ、肉があるならいいや。
……それに、万が一に備えて俺もチャーシューとかソーセージとか生ハムとか買って来てたし。
信用してなかったわけじゃないんだけど、流石にトド肉とかは舌に馴染むか分からなかったからね。
俺用の保険ってやつ。
「よし、生地は伸ばせた。具材を乗せて焼いていくぞ!」
「「おー!!」」
タイトルの通りなんですけど、コミカライズの発売日が11月14日に決定しました。
何卒皆さまよろしくお願いいたします。




