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上がるQOL

 鍋料理のいい所って、準備が楽な所だと思うんだ。

 もちろん、準備が大変な……というか、面倒な鍋と言うのも存在するだろうけども。

 でも、大体の鍋は、最近は鍋の素があるからなぁ。

 極論、豚肉と白菜をお茶漬けの素と水、日本酒で煮込むだけで充分に美味しい鍋にもなるし。

 

「出汁引いてるの?」

「出汁引いてるの」


 鍋に水を張り、その水で昆布を戻し。

 火にかけ、沸騰直前で昆布を引き上げる。

 表面のぬめりを掬って除き、そこにたっぷりのイセカイカワブタ節とイセカイハモ節をぶち込みまして。

 後はしっかり出汁を取っていけば、極上の鍋出汁の完成。

 ここにキノコの旨味……失礼、マイコニドの旨味が加われば、勝手に頬が緩む味わいになるに違いない。


「キノコのバター焼きとかも食べたいかも」

「明日でいい?」


 姉貴のリクエストも大変魅力的なんですけれども、今日はもうメインは鍋だと決まっちゃってるから。

 その代わり明日、メインをキノコステーキにするからさ。


「ん、許す」


 ありがたき幸せ。

 さて、それじゃあ松茸ご飯を炊いていきますか。

 色々と調べてみたところ、どうやら松茸の風味を最大限に味わうためには、出汁を入れずに炊くと良いっぽい。

 折角なのでそのレシピ通りに作っていきましょ。


「傘は薄切りで、軸は手で割くのか」


 切り方も工夫するらしく、風味を感じるやり方なんだってさ。

 ……でも、どうせたまにしか食べられない松茸なら、軸も傘も一緒に薄切りにしたのも欲しいよね?

 という事でオリジナルチャート発動! 傘だけ薄切り、手で割いた軸、両方一緒に薄切りしたやつ、の三つを具材にしていきましょ。

 一杯入るから風味の減少なんて誤差だよ、誤差。


「薄口しょうゆと塩、酒を入れてスイッチオン、と」


 炊き込みご飯は調理の工程を炊飯器に一任出来るから好き。

 あ、ちなみにお米はちゃんと浸水させてるよ?


「鍋なのに豆腐無いの?」

「キノコメインだしいらないかなって」

「出汁を吸った豆腐が美味しいんじゃん」

「…………買ってくる?」

「……買ってくるかぁ」


 あの姉貴が買い出しを了承しただと!?

 明日は雪か? いや、槍か?


「じゃあ、翔。送って?」

「はい?」

「いや、私免許持ってないし。まさかこの時間に歩いて行けなんて言わないよね?」

「……コンビニでいいじゃん」

「……それもそっか」


 と言う訳で姉貴、コンビニにおつかい決定。


「すぐ晩御飯なんだから、ホットスナックとか食うなよ?」

「えー。フライドチキン食べたいー」

「別に止めはしないけど。晩御飯が入らなくなるよってだけだし」

「一個くらいならへーきへーき」


 分かってないなぁ。

 揚げ物はその一個が結構重いというのに……。

 まぁ、後で泣くのは姉貴だし、好きにさせとこ。


「じゃ、行ってくる」

「無事に帰ってくるのよ……」

「私が無事に戻ったら、真剣な話がある。待っていてくれ」

「フラグを建てるなフラグを」


 なんてバカなやり取りをして姉貴を送り出し、出汁を取ったイセカイカワブタ節とイセカイハモ節を引き上げまして。

 さっき引き上げた昆布を細切りにし、木のスキレットにて三つを醤油と日本酒、砂糖とミリンで味付けして甘辛く煮詰めていく。

 弁当とかに入れとくと、ちょっと嬉しい出汁ガラの佃煮の完成。

 これがご飯が進むんですよ。

 仕上げにごまをパラリと振りかけてっと。

 ……まぁ、弁当に入れるわけじゃなく、今日の一品にするんですけどね。

 これまでの出汁ガラは佃煮にして、俺がお弁当に入れて食べてたってだけで。


「今度ふりかけでも作ってみるか」


 漬物とか、ちりめんじゃことか買って来てさ。

 炒って水分飛ばした異世界節達と混ぜ合わせて……絶対に美味いんだよなぁ。

 おっと、ラベンドラさん達が来るまでに野菜を切っておかないと。

 後、マイコニド達の解呪もしてあげないとね。

 それじゃあ異世界組が来るまで……カット。



 山芋マンドラゴラの朝は早い。

 ……尤も、冷蔵庫の中から出ない山芋マンドラゴラにとって、朝も夜も関係は無かったりするのだが。

 適当に引っ張った葉物の野菜が思ったよりも心地よく、勝手に寝具へと変容させていても、自分を食べる存在は、特にそれを咎めてこず。

 であるならば、自分は求められる時にだけかの存在に自分の身体を差し出せばよいと判断し、最近は特に抵抗もなく身体を分離させている。

 一時期に比べて求められることも少なくなり、そろそろ他の家具も欲しい所だと思っていると……。

 自分を求める存在から支給されたのは、恐らく根菜。

 その頭。

 白い見た目で、葉も付いているが、どうやらこれは自分に与えられた新たな家具候補という事らしい。

 であるならば、こちらも応えねば不作法と言うもの。

 という訳で、渡された根菜部分を椅子に加工し、葉の部分は根元を折って固定し、ハンモックへと姿を変える。

 これでまた一つ、この場所の快適さが上がったというものだ。

 ――なお、ハンモックはまぁまぁ良かったものの、椅子にした根菜は固すぎてくつろげない。

 評価は☆二個、と言ったところか。

 ――ちなみにハンモックの評価は☆3つである。

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― 新着の感想 ―
〉そこにたっぷりのイセカイカワブタ節とイセカイカワブタ節をぶち込みまして。 イセカイカワブタ節が2回入ってますが?
翔氏、山芋マンドラゴラの養殖に成功?
更新ありがとうございます∠(`・ω・´) いや山芋マンドラゴラ君(;´∀`)まあ君が良ければそれで良いんだけどね………そのうち短冊切りやすりおろしなど翔君の要望に対応してきそう
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