セ〇ムより安心
「……ふぅ」
「秋刀魚は満足出来たでしょうか?」
「うむ、苦しゅうない。……嘘。めっちゃお腹苦しい」
「三杯もお代わりするからだよ」
いやまぁ、米は進むし美味しいしで、食べ過ぎるのは分かるけどね。
けど、自分の限界くらいは把握しておきなさいよって話。
「それで、姉上? 今日のスイーツは?」
「今日のは私も食べたかったやつなんだよねぇ」
で、食後の団らんもそこそこに、マジャリスさんからのデザート催促が発生し。
姉貴が手に取ったのは……女の子の顔がパッケージになってるやつ。
……ん? 女の子かと思ったら、よく見たら、髪型の所にリスがくっついてる。
なにこれ、可愛い。
「木の実スイーツ専門店らしくて、人気店らしいよ?」
「へー」
ちなみにサンドクッキーとの事なので、紅茶とコーヒーを淹れております。
もちろん、事前にどっちがいいかのアンケートを取った上でね。
「個包装なんですわね!」
「まぁ、こっちの方がばらまいたりするのに便利ですからねぇ……」
旅行後で、職場に買って行ったり。
帰省で親戚の集まりで出した時に、個包装の方が何かと便利。
商品一つ一つの品質も保たれるだろうし。
「日本が珍しいのよ。海外のお土産なんて、缶に大量に入ってるわよ?」
「流石に偏見が過ぎない?」
あ、翻訳魔法さん。
姉貴の『日本』発言は、『この国』に置き換えてください。
「まずは……ヘーゼルナッツか」
「バターの香りがするな」
「挟んであるのは……チョコレートかしら?」
「ヘーゼルナッツとココアのペーストを、チョコレートでコーティングしてるらしいです」
説明見ながら解説。
俺も初めて食べるからね、ちょっと楽しみ。
「それじゃあ……」
「「いただきます!」」
それでは、サンドクッキー、ヘーゼルナッツ――実食!
「!? 美味し!」
「サクッと軽いクッキーと、しっかり歯ごたえのある板チョコがいいですわね!!」
「中のペーストも凄い……」
「ナッツの香ばしさが美味いわい」
え? なにこれうんま。
なんか、思ったよりも重く無いな。
クッキーは軽いし、チョコやペーストもそこまでずっしりと来ない。
何より、ナッツの香ばしさがすっごいいい。
「……」
「固まってンぞ、アメノサ」
なお、アメノサさんは美味し過ぎたのか思考が止まってフリーズしてるもよう。
そこまでだったか……。
「コーヒーと合う……」
「紅茶ともですわよ?」
「パキッと音が鳴る程にチョコが固いのがいいな。歯ごたえのアクセントになる」
「ペーストは滑らかで舌の上で溶ける。これはマジで美味い」
大絶賛だけど分かる。
これ、どうやら東京駅で人気売上一位になった事があるらしく、それも納得のクオリティ。
いや、マジで美味い。
「これこそ貴族の集まりとかで出したら、会話そっちのけで、これのレシピについての話で独占されるだろ……」
「当たり前にこのクオリティが買えるの、普通にバグ」
「俺らだけで食うのもバチが当たる気がするが……他のやつらを呼ぼうとは思わねぇよな」
「……本来はあなた方もここに来る予定は無かったんですのよ?」
今となっては懐かしいな、『無頼』さん達がこの家に来たの。
リリウムさん達の血を使って、魔法陣のセキュリティを突破したんだよな、確か。
あの時は驚いたなぁ。
「もう一回来たら、観念するしかない」
「あの芸当が出来るのはアメノサだけだ。他の面子はお前らが呼ばねぇ限り来ねぇよ」
「いざとなったら神様に頼んで一見さんお断りにして貰うので」
アメノサさんが一時弾かれてたみたいだし、出来ますよね? 神様?
(無論。というか、もうしとる。今の面子以外はそもそも魔法陣を潜れんぞい)
ありがとうございます。
何より頼れるセキュリティですよ。
(ほっほっほ。……お供えを弾むんじゃな)
その一言が無ければなぁ……。
まぁ、神様と言えど見返りも無しに何かをしてはくれないって話か。
(そもそも神に見返りを求めるのが間違いという話も……)
その手の話はややこしくなってくるので無しで。
どの宗教かによっても変わってきそうなので。
「ナッツとチョコの組み合わせは何度か試したが、ペーストにしてチョコで包むのは思いつかなかったな」
「そのままチョコにぶち込んでいましたものね」
「あれはあれで美味いがな」
まぁ、チョコとナッツは相性バッチリだし。
どう組み合わせても美味いとは思う。
だからこそ、別のやり方を試そうって中々思いつかないんだよね。
「クッキーでチョコを挟むのもやってたのか?」
「割とやる。チョコクッキーとはまた違った味わいで楽しめるぞ?」
「フーン……」
なんて会話がありまして、続きましてクッキーサンド、木苺。
イチゴとチョコの組み合わせなんて、もう確定で美味いでしょ。
それをクッキーでサンドするなんて……。
むしろどうやったらマズく出来るかが分からないレベル。
あ、姉貴は座ってていいよ。
「続いては木苺か」
「さっきのも十分に美味しかったんですもの。これも期待出来ますわね!」
「私、こっちが本命で食べたかったのよ」
「へー」
姉貴の本命は木苺と。
さてさて、それでは――実食!!




