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褒めよ称えよ

(違うが?)


 違うんかい!


(考えてみよ。スタンピードが起きたのは今日お主の家に来る前じゃぞ?)


 ……確かに。


(昨日の段階で渡そうとするわけが無かろう)


 ……それもそうか。

 じゃあ、昨日渡そうとしていた食材ってのは……?


(マンドラゴラじゃな)


 ……ほぅ。

 野菜か。

 野菜はあればあるだけ助かるんだよな、家計的に。

 あと、冷蔵庫の中の山芋マンドラゴラ君の友達も出来るだろうし。


(ちなみにトマトだけじゃぞ?)


 ……トマトだけ? なんで?


(大量発生しとったからの)


 そっちもかよ。

 にしても、トマト……トマトかぁ……。


(エルフ達の考えではカケルにトマトソースを作って貰う算段だったようじゃな)


 ……あー。

 なるほど。

 トマトソースであれば色んな料理に使えるし、何よりこっちにしかないスパイスとか、ハーブとかを使えるか。

 ……ちょっと前に渡したスパイス各種とか使ってるのかな?

 勿体なくて使えてない、とかだったりして。


「そろそろ焼けるぞ」

「翔、ポン酢取って来て」

「はいはい」


 神様との会話を切り上げ、姉貴からのお使いを受注。

 秋刀魚の塩焼きには大根おろしとポン酢か。

 ……俺は正直醤油でもポン酢でもどっちでも美味しいと思う派だけどね。

 

「確かにポン酢も合いそうだな」

「うむ」


 で、その波はエルフ達にも派生する、と。


「卵もうめぇ」

「安定してリボーンフィンチの卵が食べられるの、普通に凄い事」


 『無頼』さん達は今まで通り醤油かな?

 んでもって、どうやら冷蔵庫の中の居心地がいいらしいよね、リボーンフィンチ。

 毎日分裂するって凄い事だってラベンドラさん達が言ってた記憶があるわ。


「コロッサル醤油が無くても十分に美味いな」

「じゃが、内臓が無いぞい」


 ……ん?

 気のせいか。

 今ちょっとかすった様な気がする……。


「当たり前に内臓を再生させてるの、コロッサルの墨の効果の高さが伺えるな」

「この効果が解析出来れば、欠損個所の治療とかに役立ちそうじゃありませんこと?」


 う~む……。

 どうだろう?

 魚限定の効果を人間やエルフにまで範囲を広げようとするの、素人考えながら難しいと思うんだけども。

 

「そもそも解析するための墨が入手困難だ」

「そして、そんな効果が解析されりゃあ、色んな所で取り合いになるぜ?」

「単なる治療目的から、延命のための手段として変わっていきそう……」

「延命のために求められて、治療に使えんくなるなど本末転倒じゃぞ?」


 なお、リリウムさんの考えはエルフ以外から色々と言われてたり……。


「……確かにそうですわね」

「――思ったんだが」


 リリウムさんが素直に自分の非を認めたところで、ラベンドラさんが口を開く。

 何を言うのか? と皆が注目する中、出てきた言葉は……。


「コロッサルの墨と言うのは、再生効果ではなく変化効果なのではないか?」

「どういうこと?」


 俺にはちょっと分からなかったですね……。


「内臓を再生させた、のではなく、一番美味しく食べられる状態に変化した結果として内臓が戻った、というのは?」


 ……ほー。

 なるほど。

 確かにそれなら分かるかも。

 一番美味しい状態に変化させる。

 だから、内臓も美味しく食べられるぞ、と秋刀魚の内臓が戻ったのか。

 昨日のラベンドラさんから渡された試食青魚も、一番美味しい状態になった結果、臭みがなくてうま味も増えた、と。

 もしそれが合っていたとして、問題が一つ。

 それはすなわち……、


「でもそれ、誰基準で一番美味しい状態なの?」


 そう、誰が一番美味しいと感じた状態なのか、という事。

 味覚は人によって千差万別。

 となれば、一番美味しい状態というのは人によって差異があるはず。

 それの基準がどこかという話になれば……。


「無論、神様だろう」


 作った本人に他なら無いわけか。

 

(かかか、中々よい作用じゃろう?)


 反応的にも当たってるな、こりゃあ。


「となると、コロッサル醤油を塗って焼いた魚のソテーとワインを供えれば、神様への供物としては十分?」

「供えたワインと合うかどうか次第じゃないか?」

「むしろ料理だけ供えて、ワインは他から神様に供えられたもので合わせて貰うというのは?」

「とりあえず、コロッサル墨の効果が合っているか確かめねばならん。……カケル」


 突然に振られたわけだけど、俺のやることは一つ。

 ニッコリ笑ってゆっくり頷く。

 以上。


「であるならばコロッサル醤油……いや、墨の効果を教会に報告し、恩を売ろう」

「いい考え」

「ちったぁ大人しくなってくれりゃあいいが」

「これまで冒険者から加護だの浄化だの解呪だので散々搾り取って来たんですもの。今度はコロッサル墨を手に入れるために、冒険者たちにお金を落として貰えませんと」

「その内自分たちでコロッサル墨回収隊みたいなのを結成しそう」

「漁師が反対するだろ。自分たちの仕事を横から取られるようなもんだぞ?」


 ……世の中には、知らない方が良かった事もあると思う。

 知らぬが仏……ではないけれども。


「異世界に松茸って無いのかしら?」


 自分には関係ない、と、秋刀魚と異世界キノコを堪能している姉貴が、間違いなくこの場所で一番美味しい晩御飯を食べられてるよ、うん。

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― 新着の感想 ―
人類も美味しくぺろりできちゃう系の神様だったならばやべーことになってた可能性が…?
更新ありがとうございます∠(`・ω・´) 確かに異世界で松茸あるのかな(;´∀`)ただ海外のひとは蒸れたくつの匂いとかあまり好まれない香りに感じるらしいので現地ではただの臭いマイコニドだと思われてるか…
「であるならばコロッサル醤油……いや、墨の効果を教会に報告し、恩を売ろう」 「いい考え」 「ちったぁ大人しくなってくれりゃあいいが」 「これまで冒険者から加護だの浄化だの解呪だので散々搾り取って来たん…
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