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……墨?

「餅の香ばしさが白玉と違っていいな」

「お餅の表面がパリッとしていて食感的にも変化が付いてグーですわね」

「餅が……伸びる……」


 やっぱり、お汁粉と言ったら餅だよなぁ。

 白玉も美味しいは美味しいんだけど。

 あと、最近の切り餅って焼いたらちゃんと伸びるよね。

 昔の……というか、俺の記憶にある子供の頃のお餅は、焼いてもちょっとだけ伸びてブチッて切れてた思い出。

 お餅も日々アップデートされてるんかなぁ。


「結局両方を作らせてすまないな」

「いえいえ。どの道作る予定ではありましたから」


 片方だけでいい、と言っていたラベンドラさんから謝られるけど、気にしないでほしい。

 そもそも、作る予定が無けりゃあ用意すらしないんで。

 用意されているという事は食べてもいいって事ですよ。

 ――持ち帰りの料理以外。


「結構腹に来るな」

「お餅の材料はお米なのでしょう? でしたら、主食なわけですし、そりゃあお腹に溜まりますわよ」

「主食をデザートにするって発想は、中々ねぇわな」


 そうかなぁ……と思ったけど、確かにそうかも?

 日本以外だと、甘いパンとかは思いつくけど、甘いサンドイッチは信じられないみたいな反応するらしいし?

 最近だと日本のフルーツサンドとかが浸透してきて、欧州の企業がフルーツサンドを販売した、とかでニュースになってた気がする。

 逆に言えば、売るだけでニュースになるってくらい馴染みが無いって事だし。

 後は……主食で思いつくのはパスタだけど、甘いパスタとか作ったらイタリア人が激怒しそう。

 なのでイチゴパスタやあんこ入りパスタライスは着席。

 二度と立ち上がらなくていい。


「だがデザートピザはあるぞ?」

「あ、確かに」


 ピザも主食だし、そのピザはデザートにもなる。

 だったら、そこまで不思議じゃないな、うん。


「デザートピザで思い出した。先の料理大会で、チョコレートソースのピザなんて代物が店頭に並んだ」

「食べましたわよ? ナッツとチョコ、チーズのハーモニーが奏でられていて美味しかったですわ」

「……一切れずつの提供にしたせいで、幅広くチョコの味が国民に知れ渡った」

「いい事だろう。チョコの味を、あんなに甘く香り高く、美味しい味を知らないのは罪だと言える」

「需要と供給のバランスが崩れる。今後、チョコは高級品になる」


 チョコが現代みたいに量産化されていない異世界は大変そうだね。

 ちょっと需要が上がると供給が追い付かなくなるなんて。


「材料なら卸すが?」

「……は?」

「いつでもチョコが食いたいと騒ぐバカが居るからな。材料を切らさないよう、群生地をメモしてある」

「メモの方をくれない?」

「面白いジョークだ」


 なんだ、供給の目途あるじゃん。

 ……ただ、『夢幻泡影』の四人で一国のチョコレート生産量を支えるとなると大変そうだけど……。


「勝手のいい場所に指定した魔法陣を描け。その魔法陣に回収した材料を転移させる」

「それは凄くありがたいけど……」


 そうか。

 そもそもこの人らに輸送の概念は関係ないんだった。

 改めて思うとやっぱぶっ飛んでるな、転移魔法。

 現代に存在したら、あらゆる運送業が廃業になるぞ。


「ふぅ……堪能したな」

「汁物にするとスルスルと入っていくな」

「胃の隙間に流し込める」


 デザートって、そういう物じゃないと思うんだけどね。

 いやまぁ、言ってしまえば別腹ってのも、胃が動いて開いた隙間って話ですけれども。

 

「美味かった」

「……で?」

「持ち帰りの料理は天津パンになります」


 デザートが食べ終わったら、持ち帰りの料理。

 この流れは、もはや説明不要だよね?

 なお、本来の予定だった餅は既に俺らの腹の中に消えたもよう。


「先ほどの具材をパンに挟むのか?」

「です。マヨネーズなんかを塗っちゃって、パンに合う味付けに変えてから挟んじゃいましょう」

「となればタレに少々手を加えたい。あのままでは米には合うがパンにはそこまで合う味では無いからな」

「お任せします。好きにアレンジしてください」


 という事で、ラベンドラさんに全てを任せてお持ち帰り料理の調理開始。

 ……結局、タレは黒胡椒が追加されて、とろみも増やし。

 挟むパンにマヨネーズを塗って、固めに焼いた天津飯の具を挟んで帰りましたとさ。

 ――美味しそうだったから俺の分も作って貰った。

 明日のお昼ご飯にしよう。


「では、カケル」

「明日はコロッサルの墨を使った料理じゃろ? 楽しみにしとるぞ~」

「多分、誰も食べた事の無い味。興味が湧く」

「酒に合ってくれるといいなァ」

「デザートの方ももちろん楽しみにしていますわよ?」

「甘いのは前提で、知育菓子のような面白いものを期待しているぞ」


 とまぁ好きな事を言って魔法陣に消えていく異世界組な訳なんですけれど……。

 マジャリスさんや、知育菓子のようなデザートは、それはもうただの知育菓子でしかないんよ。

 そうポンポンとああ言ったものがはびこる世界だと思うなよ?

 ――知育菓子……ではないけど、面白いデザートが一個思い当たっちゃったよ……。

 でもなぁ、この前出したばっかりだしなぁ……。

 まあいいや、明日のデザートはアレだな。


「さて、と」


 ガブロさんに渡された、何かの皮で出来た水筒。

 その中には、コロッサルという異世界のタコの墨が入っているという。

 その味見をしなくちゃですわねぇ。


「えーっと、塩を入れて火を通せば解呪出来るんだったな」


 と、神様からの言葉を思い出しながらフライパンにコロッサル墨を……。

 ――ッ!!?

 ――――墨って聞いてたのに……。

 なんか、ゲーミング色に発光してるんですけど?

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― 新着の感想 ―
食欲がわかない… あちらでは何に使ってるやら
黒よりも目眩ましの効果は有るのかも?
ゲーミングタコスミとか何に使ってんだよそのコロッサル…… 幻惑チャフか………??
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