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渦巻く知識

 ……いけるか?


「よし、飲み終えたな」

「正直、麺とスープをセットで持ち帰って貰おうと思ってたんですよ」


 俺が飲み終わったのを見るや否や、声を掛けてきたラベンドラさんに先制パンチ。


「でも、麺は食べられちゃって……」


 言いつつラベンドラさん以外の方へと顔を向けると……。

 プイッ! と視線どころか顔を逸らす五人衆。

 お前らほんま……。


「なので、即席ではありますけど、チャーハンにしちゃおうかと」

「……ほぅ?」


 ラーメンを持ち帰らせようと思ったけど麺を食いつくされた。

 ならばどうする? 賢い僕は考えました。

 もう、ご飯ぶち込んでチャーハンにしちゃえばいいじゃん、と。

 そして、こういったアイディアは俺がオリジナルじゃないのでね。

 俺が幼少期から読みまくって蓄えた知識――クッキングダディ!

 確か、おかかをたっぷり使ったチャーハンがあったはず!

 そして、おかかを使うなら海鮮系の出汁がとても合うはず!!

 この間僅か三分。

 ――結構かかったな……。


「ラーメンのスープを味のベースに、おかかを追加して旨味を足します」

「ほう!」

「トッピングはもちろん炒り卵、カニカマ、ネギ、ももちろん入ります」

「おお!!」

「おにぎりにするのでパラっと仕上げるよりは、ややしっとりとした方がいいかもですね」

「すぐに作ろう!」


 ふぃ~……何とか乗り切ったぞ。

 次回以降は持ち帰り食材はちゃ~んと別にしとかなくちゃ。

 今回の件で学びを得たな。


「では庭に行こう」

「……はい?」


 ほわい?

 庭に何かあったっけ?

 ああ、ゴー君に次なる宝石を合成して貰うためか。

 ――ついて行ったはいいけど、なんで材料とかフライパンとか持って移動してるんだろう?


「危ないぞ、離れていろ」

「??」


 何が? ――っ!!?


「セルフ――バーニングッ!!」


 ボウッ!!

 わ~、俺人体発火現象なんて初めて見たぁ……。


「チャハーンは火力が命、そうだな!!?」

「そんな事言いましたねぇ……」

「この火力ならば十分だろう!!」


 誰も命を燃やせとは言ってないんですけれどもね。

 まさかとは思うけど、今までもチャーハンを異世界で作る時はその作り方をしていたのかな?

 出来れば現代ではやめて欲しいなぁ。

 一応大丈夫だろうけど、ご近所さんに見られた時があまりにも怖い。

 火遊びするような歳でもないし、庭で花火をする年齢でも季節でもない。

 ――うん、何か言われたらゴミ燃やしてたって言おう。

 変な詮索されるよりよっぽどマシだ。


「カケル! 材料を!!」

「無理です近付けません」

「クッ!!」


 クッ!! じゃないんよ。

 近寄るだけで熱いし。

 材料渡すとか火の中に飛び込めって言ってるようなもんでしょ。


「リリウムさ~ん」

「は~い」


 と言う訳で召喚。

 多分この人が一番適任だと思います。


「ラベンドラさんの指示通りに材料をぶち込んでください」

「分かりましたわ」


 よし、これで俺は何もしなくて良くなったな。

 ……ラベンドラさんが使ったフライパン、まだ使えるのかな?

 正直、もう使えないような気がするんだけど……。

 そのままプレゼントしちゃって、新しいの買って来ようかな……。

 セラミック加工のフライパンなんて、異世界に無いでしょ、多分。


「よし! いいぞ! そのまま! そのまま!」


 声だけ聴くとまさかチャーハンを調理中とは誰も分からんよね。

 

「俺は……ここにいる!!」


 〇ケィス!! うわ、懐かしい。

 翻訳魔法さん……今だけは褒めるよ。

 懐かしいなぁ……やりこんだなぁ……。


「はぁ……はぁ……調理……完了だ……」


 ほぼ力尽きかけました、状態で出来上がったチャーハンを見せつけてくるラベンドラさん。

 あれかな? 狩った獲物を見せてくる猫かな?


「じゃあ、おにぎりにしましょうか」


 ニッコリ。

 だから、力尽きるんじゃねぇぞ? という無言の圧。


「はいヒール。リザ〇クション、サマリ〇ーム」


 回復呪文よりも蘇生呪文の方が多きがしたのは気のせいか?

 そしてなるほど……翻訳魔法さんはその辺もしっかり学んでいるのね。

 中々のお手前で。


「よし、握ろう」


 うわぁっ!? いきなり復活するな!!

 いやまぁ、素早い復帰はありがたいんだけれども。


「む、フライパンが変形してしまったな」


 ラベンドラさんの言葉にフライパンを見ると、取っ手の部分が歪んでしまっていた。

 ……フライパンって熱で変形するんだ。

 多分だけど、強火とかってレベルじゃないよな。当然だけど。


「そのフライパン、お譲りしますよ」

「何っ!? 本当か!?」

「ええ。新しいの買っちゃうので」

「いいのか!? 包丁と並び料理人の魂だぞ!?」


 料理人と違うからね。


「そんな高価なフライパンではないですし」

「マジか……」

「ラベンドラさんの好きに使ってください」


 とは言うものの、


「このフライパンで殴ったら全魔物が気絶するんだ!!」


 とか報告来たら爆笑するけどな。

 でも、料理人の魂って言ってるものを武器としては使わんよな。

 某海賊漫画のコックも、戦闘は蹴りだし包丁を武器としても使わんし。


「戻ったら早速試し殴りしましょう!!」

「やめろ! カケルから貰った大事なフライパンなんだぞ!!」


 ……使わないよね?

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― 新着の感想 ―
>「やめろ! カケルから貰った大事なフライパンなんだぞ!!」 カケルママ 「……トゥンク」
フライパンで殴るならやはり秋子おばさんのフライパンかな? .hackはパロディモードが衝撃的だったなぁ
多分無属性のフライパン。 ……いやそもそも異世界のフライパンは何属性なんだろう……
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