早苗「おいおいおいおいおい」
「さて、と。やりますか」
仕事はお休み。
寝覚めはバッチリ。
そうなれば、やる事は一つ。
「アサリラーメン……いや、ボンゴレラーメンかな」
ラーメンのスープ作り……だよね?
*
「今日は何しよう」
リボーンフィンチのモツを食べてから、すこぶる体調の良い休日。
と言ってもやる事は特に思い浮かばず、とりあえず洗濯機回して布団を干して。
今日の晩御飯どうしようかなーとか考えながら、ラベンドラさん達に持たせたおにぎりセットで優雅にブランチ。
アサリの混ぜご飯は、隠し味に混ぜた柚子胡椒が香りもよく、ピリッとした刺激も美味しくて最高。
焼きおにぎりは、表面はしっかりパリッと焼いたおかげで香ばしく、外側と中の食感の違いが美味しさを一層引き上げる。
具にしたしぐれ煮も、表面に塗ったタレに負けない旨味で、食べてる間は笑顔にしてくれる。
そして仕上げにお茶漬けですわよ。
ラベンドラさん達のには、ゴマとネギしか入ってませんけど?
こちとら薬味には困らん現代日本在住なのでね。
刻み大葉、ワサビと乗せて、温めた出汁をぶっかけて食べる!!
ついでにあられなんかも入れちゃって~。
刻み海苔も散らしちゃって~。
はぁ……最高。
「結局飯が美味けりゃ幸せなんだよなぁ」
どこぞかの調査で、国別で何をしている時に幸せを感じるか、みたいなアンケートの結果があったんだけどさ。
大体の国が、好きな相手との時間がほぼほぼ一位独占みたいな状態だったのに、日本だけ美味しいものを食べた時、が堂々の一位で笑ったんだよね。
マジで食に重きを置き過ぎ。
まぁ、だからこそここまで食文化が発展していったんだろうけど。
「ん~……アサリって何にでも使える分、アサリじゃないとダメ、みたいな料理は少ないなぁ」
で、洗い物を済ませてアサリを使ったレシピを検索中。
でも、どうもピンとくるものが無い。
どうしようかなぁ~と思っていた時、
「ん? ああ、そう言えばそんなのあったなぁ……」
思い出したのは、某クッキングダディで作られてたラーメン。
ボンゴレパスタならぬボンゴレラーメンってやつで、確か塩ラーメンに蒸したアサリをトッピングした代物。
試しにボンゴレラーメンで検索してみたら、結構レシピは出てくるわけで。
「でも、みんなインスタントラーメン使ってるな」
とか自分で言っておいて、ラーメンをスープから自作する人は稀有だという事に気付く。
そりゃそうか。
「じゃあ、スープから作ったら面白いんじゃない?」
という事になり、冒頭に戻る。
「異世界の食材で出汁取って、塩で味を調えたら少なくとも食べられるレベルにはなるでしょ」
なんて浅い考えのもと、イセカイカワブタ節とイセカイハモ節、たっぷりの異世界アサリを入れて出汁を取り。
その出汁に、野菜の旨味を加えるために、思いついた野菜をドンドン入れる。
ネギの青い部分、玉ねぎ、にんじん……。
とりあえずこんなもんか。
ワインとかに合わせるなら、ここにセロリとか入れてもいいかもだけど、今回は無し。
「一旦置いて、買い物行ってくるか。麺とか買わなきゃだし」
という事で一旦火を止め、他の材料とデザートの買い出しへ。
トッピングはどうしよう。
アサリは確定として、ワカメとかネギもいるよな……。
もやしも合いそうだし……アサリがあるならバターとかも絶対に合うよなぁ……。
とか考えながら、車を走らせました。
*
ただいま! という事でね。
色々と買って来ましたけれども。
まず卵麺ね。塩ラーメンにはやっぱり卵麺を合わせたい。
とりあえず二十人前。こんだけあれば足りるだろうし、持ち帰り分も大丈夫でしょう……多分。
で、トッピングにカニカマも買って来てみました。
ちょっといい奴。カニカマ用蟹酢が同梱されてる奴ね。
最近のカニカマって美味いからな、ただ単に食べたくなったってのは内緒。
後はデザートも買って来たけど、これはデザートタイムになってからのお楽しみ。
「……ん?」
庭からゴー君が呼んでる気がする。
はいはい、どうしたの~?
「――なにこれ……」
なんと言う事でしょう。
ゴー君の中から、元気な青い宝石が産声を上げているではありませんか。
まぁ、もちろん比喩表現で、実際は産声どころか動いてすらないんですけどね、宝石だし。
「宝石を合成したら出来たの?」
「んご!」
という事でゴー君の初産。
綺麗な青い……青かなぁ? なんと言うか、空色って言う方が正しいような感じの青。
ちょっと緑がかった感じの宝石なんだよな。
で、大きさが俺の手のひらサイズ。
市販品の、いわゆるブリリアントカットとかが施されていない、まんま原石って感じの宝石。
とりあえず写真撮って姉貴に送ろ。
……送信っと。
「でもなんて宝石なんだろ……」
悲しい事に、宝石に触れる機会なんて滅多に無いわけで。
この宝石が何なのか、俺の知識では分からんのよな。
少なくとも、サファイアではないって事は分かる。
青さの種類が違う感じがするし。
「――ん?」
で、スマホが震えたからなんだろうと思ったら、姉貴からの着信。
「もしも――」
「今すぐビデオ通話に切り替えて宝石見せて!!」
うるさいなぁ……。




