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ブレないなぁ……

「ふぅ、堪能した」

「こちらのワインも美味しかったですわね」

「瑞々しく、果実味が強い。甘さもあってデザートと合わせるのにぴったりなワインだった」

「喜んでもらえたなら何よりですよ」


 異世界組が知らないところで、今日のデザートに使われたシャインマスカットを異世界に出現させてるとは思うまい。

 ま、頑張って探してクレメンス。


「よし、持ち帰り料理だが……」

「しぐれ煮でもいいんですけど、まだ米がそこまで広まってないんですよね?」

「うむ。なので、過去に持ち帰った三種のおにぎりにして貰えるとありがたい」

「三種のおにぎり……」


 えーっと、ちょっと待ってね?

 覚えてる、覚えてるよ?

 あれでしょ? おにぎり三つの――。


「最後に出汁をかけてお茶漬けみたいにするやつですね?」

「うむ」


 ほら思い出せた。

 あれ、なんの食材でやった奴だっけ?

 魚だったはずで……異世界太刀魚の時か?

 いや、ウナギだったような……。


「一つ目はアサリの混ぜご飯、二つ目は中にしぐれ煮を入れて香ばしく焼き上げた焼きおにぎり、三つめは出汁をかけて食べるお茶漬け、で構いません?」

「無論」

「カケルさえよければ一人分多めに作って欲しい」

「構いませんよ」

「すまねぇな」


 アメノサさん達から数を増やせって言われるの珍しいな。

 まぁ、居るんだろうね、食べさせたい人が。


「じゃあ、混ぜご飯はお願いしますね?」

「任せておけ」

「俺は焼きおにぎりを作りますんで」

「茶漬けにするおにぎりに何か薬味を仕込みたいが……」

「胡麻とネギですかねぇ。おにぎりに入れられる薬味というと」

「そうなるか……」


 個人的に、お茶漬けならワサビは欲しい所だけどね。

 こればっかりは、時間が経つと風味とかも抜けちゃうし……。

 あ、でも、状態保存の魔法があるか。

 ……いいや。ラベンドラさん、ゴマとネギで納得してるっぽいし。


「じゃあ、作っていきますか」


 もちろん、俺の明日の朝ご飯も含めて。



「では、カケル」

「また明日も頼むぞい」


 という事で持ち帰り料理も持たせ、紫の魔法陣に消えていくのを見送り……。

 

「よし、じゃあ神様にお供えしちゃうか」

(ひゃっほい!)


 約束通り、シャインマスカットのデザートをお供え――っ!?


「デザートの気配がしたのだが……?」

「気のせいではないです?」

「いや……確かに気配が――」


 あっぶねー。

 向こうからこっちに渡って来るのに、必ず魔法陣が出現する仕様なの助かったわー。

 にしても、異世界に戻った直後なのに現代の方にあるデザートに反応して戻って来るって、マジャリスさん達の食い意地どうなってんだよ……。


「やっぱり気のせいだったんですわよ」

「そうか……」


 リリウムさんに引っ張られて、魔法陣へと戻っていくマジャリスさん。

 ……シンクの所でお供えしてて良かった~。

 咄嗟にデザートを冷蔵庫に隠し、あたかも洗い物中ですって雰囲気を創り出せたからな。

 これがテーブルの上とかでやってたら、言い逃れ出来なかっただろう。


「では、気を取り直して……」


 今度はしっかりと警戒しつつ、冷蔵庫からスイーツを取り出し。

 二礼二拍手一礼。

 すると、即座に消えるシャインマスカットのスイーツ。


(にょほ~~!! 美味いの~~!!)


 ……多分、人生で口から発される事の無い擬音だと思うよ?

 にょほ~って。

 危ないじ~さんの漫画ぐらいでしかされない表現じゃないか?


(瑞々しい果実と濃い蜜のような果汁! ワインの香りと芳醇な果実の香りが混ざり合い、口の中で最高のハーモニーを奏でておるわ!!)


 美味しかったようで何よりですね。


(翻訳魔法もそうだそうだと言っておるぞ)

 

 過去にはキュウリを欲していた翻訳魔法さんも、シャインマスカットには満足気。

 

(は~美味かったわい。こりゃあ、是非ともわしの世界に実装せねばのぅ)


 ソシャゲかな?

 運営(神)からの報告、『シャインマスカット』を実装しました。

 ――これ分かるの『夢幻泡影』とアメノサさん達だけだろ。


(後は、マスカットから作られるワインとやらが気になるのじゃが~?)


 ちょっと待っててくださいね。

 ……思ったほど値段が高かったりはしないな。

 どうせなら、国産のマスカットワインと海外産のマスカットワインで飲み比べ出来るように注文してあげよう。

 俺も味が気になるし。


「明日……とは言えませんけど、近い内にお供え出来ると思いますよ」

(いやぁ、持つべきものは優秀な信徒じゃなぁ!!)


 別に異世界の神様を信仰してるわけではないですけどね。

 というか、ほとんどの日本人の例に漏れず、俺は無宗教です。

 

(でも八百万の神は信じておるんじゃろぅ?)


 信じてるというか、万物に神は宿ってるみたいな感じで……。

 結局、何事も何物も粗末にするなって話の延長線上だと思いますよ?


(十分信仰に当たると思うが?)


 俺自身が信仰と思ってないのでね。

 結局、その人の受け取り方次第って事ですよ。


(ふむ……あ、わし神じゃがな)


 あ、はい。

 そこ大事なんですね。


(そりゃあのぅ)


 ふと思ったんだけどさ?

 異世界の神様というか、宗教の感じってどんななんだろう?

 こっちの宗教に似てるのかな?


(そもそも、わし、実在するからのぅ。たまに顕現とかしとるし)


 あ、なるほど。

 じゃあ現代の宗教のどれとも違うかな。

 信仰の対象が直接出てくるのは流石に無いはず。

 ――神を信仰の対象にしてる宗教で、って話だけども。


(わしが見とるから悪さはするな、度が過ぎれば天罰が下る。くらいのスタンスじゃな)


 天網恢恢疎(てんもうかいかいそ)にして漏らさず、的な?


(まぁ、そんな感じじゃな)


 ふむぅ。

 ……ちなみに神様を信仰するうえで、欠かしちゃいけないものとかは?

 祈りとか、食事前の口上とか。


(ワインのお供え)


 ……あ、はい。

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― 新着の感想 ―
神様も実在すると即物的に寄る感じにはなりそうだよなあ。 あ、七百話おめでとうございます。 目指せ八百(万)!
七百話達成おめでとうございます。 日本は八百万だけではなく怨霊もいれば妖怪も 信じていたからねぇ 世界に目を向けたら更に増えるから大変さね
とりあえず、海にシャインマスカット実ってるよー的な事カケルママからでも神様からでも教えた方がいい気がする それのワイン出来るの早まるし(重要)
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