神様&翻訳魔法「(´・ω・`)」
「気付いたらお代わり三杯もしていましたわ」
「普通どこかで気付くと思うんですよ?」
「まぁ、スルスルと入っていく食べ物だからしょうがないと思うが……」
ワインとアクアパッツァを堪能し、お茶漬けにようやく手を付けたかと思ったら、ほぼほぼ茶碗から顔を離さずに即完食。
ご飯をよそい、大葉と胡麻の薬味を乗せて、二杯目のお茶漬け。
またすぐ食べ終わり、今度は海苔とワサビマシマシで食べて三杯目。
そして完食してからの、上の発言。
どう考えても薬味を考えてる時間で冷静になれたよね?
「酒のシメにワサビの風味とアサリの旨味が染みるぜぇ……」
「酒と茶漬けは切っても切り離せん相性じゃな」
で、飲兵衛組もお茶漬けに合流し、元気に食べておられます……。
が。
その実、お酒が無くなったから合流しただけなのは知ってるんだよね。
そう言えば、貝類には二日酔いに効く成分が入ってるんだっけ?
あれ? しじみだったっけか?
「たまにはこういうのもいい」
「しっかりおかわりしといて言う言葉でもねぇけどな」
「美味しかった」
俺と一緒にお茶漬けを食べてたアメノサさんは、お代わり一回でご馳走さまと手を合わせた。
うん、俺も同じ二杯目だし分かる。
一杯で終わりにしたくないんだよね、このお茶漬け。
「梅風味もいいもんだな」
「どの薬味でも美味い」
ネギ、ゴマ、大葉、ワサビあたりのメジャーな薬味は当然として、梅紫蘇、刻みたくあん、ザーサイなんかも美味しい。
結果的に、あれもこれもと乗せたくなるんだけど、そこは引き算の美学。
あえて一つに絞った薬味だけを乗せて、その薬味の良さを最大限に楽しむのだ……。
ちなみに俺は普通にワサビが最強だと感じました、まる。
「ふぅ、ごっそさん」
「今日も今日とて美味かったのぅ」
「シンプルに見えるけど、手の込んでる料理だった」
「アサリにここまで味が染み込む程に煮詰めているのがな」
「マジャリスにやらせても途中で飽きるだろう」
うわぁ。
ありそう……。
なんでこう、簡単に想像出来ちゃうんだろうね?
あめ色玉ねぎとかをやらせても、
「もうこれくらいで良くないか?」
とか言って、中途半端な炒め具合の玉ねぎ見せて来そう。
ちゃんとペーストになるまで炒めてもろて。
「よし。食事は終わった」
「という事は……」
はい、いつもの流れ。
用意しますよっと。
「知育菓子の時間だな!」
――ん?
「今回はどんなのだろう……?」
「食べてる途中で味が変わったり、動いたりするのを期待しますわね!」
すな。
そんな期待。
あと、動く知育菓子ってなんだよ。
蛙チョコレートか何かか?
「あの」
「ん? どうした?」
「今日は普通のデザートですよ?」
「…………」
そんな露骨にガッカリしなくても……。
「待て。逆に考えるんだ!」
「何を?」
「ここで勿体ぶって新たな知育菓子を出さないという事は、こう……何か凄い仕掛けの知育菓子を用意しているはずだ!!」
「おぉっ!!」
無いけど。
というか、ラベンドラさんが、『こう……何か凄い仕掛け』とかいう語彙もへったくれもない語句を使うんじゃない。
どう考えてもそんな事を言うのはマジャリスさんの役目でしょうに。
「という事は!?」
「うむ。次に我々に出される知育菓子が、もの凄い物である可能性が高い」
急募:異世界人にもの凄い物と思われる知育菓子。
日本の企業さん……何とか、何とかなりませんか?
「それで? 今日のデザートは?」
「シャインマスカットのタルトを用意しました」
あまりにも早い切り替え。
俺でなきゃ見逃しちゃうね。
という事で本日のデザートはシャインマスカットをふんだんに使ったタルトなり。
近くのケーキ屋さんでフェアをしてましてね。
ちゃんとホールで買って来た次第。
タルト生地の上に、レアチーズクリームを敷き詰め、そこにシャインマスカットをたっぷりと埋めまして。
更にそのクリームの上に、これまたたっぷりとシャインマスカットを丸のまま並べた一品。
上質な甘さのシャインマスカットと、レアチーズクリームの酸味やコクとの一体感。
そして、それらを纏めるタルト生地を存分にお楽しみくださいませ。
以上、説明カードより。
「これまた綺麗なケーキだな」
「見てるだけで涎が出てくるわい」
「調べたんですけど、白ワインが合いそうなので一緒にどうぞ」
マスカットもぶどうの仲間だし、ワインに合わないなんてことないでしょ、多分。
知らんけど。
ちなみに食事の時にアクアパッツァと合わせた白ワインは辛口だったけど、デザートに合わせるように買って来たワインは甘口のもの。
日本産のワインで、結構評判いいみたいよ。
滝の名前? と最初思ったけど、そういう名前の品種のワインって事らしい。
という訳でグラスに注いでみませう。
「かなり上品な香りだな」
「香りもかなり果実系で、飲む前から期待できますわ」
鼻がいいエルフが早々に香りの感想を言ってくれました。
何だろうね、こう……ワインの説明にある〇〇の香り、とか言われても、あまりピンと来ないんだよな。
でも、このワインからははっきりした甘酸っぱい系の香りを感じるよ。
それも、瑞々しい果実系。
「じゃあ、シャインマスカットタルト……いただきます!!」
という訳で、合わせていきましょうかね。




