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先物オールイン

「いらっしゃ~い」


 紫の魔法陣が出現し、姿を現す異世界組。

 へへへ、しっかりしぐれ煮は水分が無くなる程に煮詰められておりますぜ。


「カケル――」

「なんでs――」


 なんか……ラベンドラさん、滅茶苦茶疲れてない?

 どうしたの?


「知育菓子……というか、順番通りに混ぜるだけで作れるポーションを開発した」

「え、すご。昨日の今日ですよ?」


 普通研究とか開発って、時間が掛かるものだと思うんだけど。

 それを一日どころか一晩で済ませてしまうあたり、もしかしてラベンドラさんってジョバンニ?

 ラベンドラが一晩でやってくれました、的な?

 だから一睡もしてなくて疲れてるとか?


「原理はカケルが動画で見せてくれたからな。あとはその原理通りに作用する材料を組み合わせるだけだ。やや複雑なパズル程度で、そこは問題ない」


 普通、その程度なんて言えないんですけどね。

 あと、複雑というか、超高難易度パズルもありますよ?

 牛乳パズルって言うんですけど。

 白一色の。

 四隅以外分からんと評判らしいです。

 今度買って来ましょうか?


「問題は完成した後だった」

「というと?」

「どんな初心者でも水と混ぜるだけでポーションになるキットだぞ!? 国の重鎮やらギルドマスターやら調合ギルドのお偉いさんまで出張って来たんだ!」

「全員に、百聞は一見に如かず、百見は一行に如かず、と体験させていたら……」

「私の国からもコンタクトがあった、と」

「引っ張りだこだったんですね……」


 新しい技術を必要な所に開示したら、そりゃあ欲しがって群がるか。

 というか、あまりにもピンポイント過ぎてむしろ呆気にとられそうだな。


「という事でカケル、今日はあまり重い料理は遠慮したいのだが……」

「あ、それは安心してください。俺もあっさりしたのが食べたくて、今日はお茶漬けにしたので」


 あさりだけにね。


「そうか、助かる」

「……お茶漬けでワインを?」

「あ、いえ。ワインと合わせる料理は別にもちろん作りますよ?」


 正直、しぐれ煮もワインに合いそうではあるけどな。

 生姜の効きと、味の濃さを考えると赤ワインの方がしぐれ煮には合いそうか?

 まぁ、今日は白ワインしか買って来てないんですけどね。

 

「ふむ」

「アクアパッツァは前に作りましたっけ?」

「いや、作ってないはずだ」


 そうだっけ?

 なんか、ワインに合わせる料理は結構作ったから、勝手に作った気になってたな。

 んじゃまぁ、ラベンドラさんに作り方教えて作って貰うか。


「まずはオリーブオイルでスライスしたニンニクを炒めて香りを出します」

「ふむふむ」

「そこに大きい方の異世界アサリを入れて、軽く表面に色が付くまで焼きます」

「ほうほう」

「そこに白ワインを入れ、ミニトマト、アスパラと入れて、通常サイズの異世界アサリを入れて蒸します」

「ふむ」

「仕上げに塩コショウで味を調えれば完成です」

「うむ、美味そうだ」


 という訳で、説明しながらアクアパッツァの完成。

 本来は白身魚をメインにやるんだけど、今回は大きいアサリ(異世界産)があるからね。

 それをメインに据えちゃおうって事で。

 あ、仕上げにパセリとバジルを振っちゃお。


「そう言えば」

「ん?」

「『夢幻泡影』が珍しいスパイスを持ってるって話、広める?」

「ありましたわね、そんな話」


 なんのこっちゃと思ったらアレか。

 俺がしれっと渡した各種スパイスの事か。

 確か、アメノサさん達の国の商人と繋がりを持たせるため、だっけ?


「正直、知育ポーションのおかげで商人たちからは引っ切り無しに声がかけられるからなぁ」

「国が素材を調達するよりも前に、自分たちで調達して高値で売り捌きたい。……商魂たくましいとはこのこと」

「何人かの規模が小さい商人は、ギャンブルで全財産をそれっぽい食材に変えてるとは聞いたぜ? 当たりゃ儲けもの、外れても人材確保に躍起になりそうな調合ギルドに滑り込む算段でよ」

「……そっちも商魂たくましいな……」


 とりあえずご飯出来ましたけれどもね。

 こういう、異世界側の話は聞く分には面白いんだよなぁ。

 特に、何か新しい事柄が上から降ってきた時の、周辺の環境の変化の話とか。

 あと、料理大会の話とかも。


「それで言えば、調合ギルドが料理大会に出店するらしい」

「当然、提供するのは知育ポーションだがな」

「摘まめる、食べれるポーションとして出すとの事」


 ……ポーションが摘まめる?

 もしかして、神様にお供えした不思〇玉みたいなものなのか? 異世界知育ポーション。


「私たちは何か新作を考えますの?」

「考えるのは私だろうに……」

「甘いのがいいな。疲労回復と魔力回復に特化した、頭の疲れを取る甘いもの」

「腹持ちがいいものがいいのぅ」

「各々欲しいものを言うんじゃない」


 振り回されてるなぁ、ラベンドラさん。

 疲れてるんだからしばらく休ませてあげればいいのに。


「それより、食事は出来たんだ。食べるぞ」

「今日はワインもありますし、しっかり食べますわよ!」

「お茶漬け、小盛。薬味、マシマシ」

「とりあえずこの茶漬けの具材だけくれるか? それでとっつぁんと飲むからよ」


 あ、当店セルフサービスとなっております。

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― 新着の感想 ―
リリウムさんいつもはしっかり食べてなかった?
お茶漬けは飲むより飲んだ後の締めのイメージ。 個人的に思い出深いのは山登りしておにぎりに梅昆布茶の粉末加えてお湯かけて食ったお茶漬け。山の頂上で食うと何であんなに美味いんやろな……
更新お疲れ様です ポーションは飲む時代より食べる時代へと 知育ポーションの台頭により、世はまさに 大知育ポーション時代(語呂悪)へと進むのだ
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