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神様「えっ!?」

 ふぅ……。

 こう、異世界アサリ、貰ったはいいんだけどさ。

 全部むき身なんよ。殻とかないんよ。

 砂抜きって必要あるのかな? 教えて! 偉い神様!!


(偉い神様じゃぞ~。砂抜きはラベンドラがやっとるから不要じゃぞ~)


 ありがとう! 偉い神様!!

 ……そうか、砂抜きは不要か。

 じゃあ、そこまで大変でも無いな。

 それじゃあ、料理をしていきますか。

 

「かき揚げは玉ねぎ刻むだけでいいな」


 使うアサリはサイズが普通サイズのやつ。

 てんぷら粉は買って来てるから、ラベンドラさんが来たらタネを作って揚げて貰おう。

 という訳で、炊き込みご飯の準備。

 米を洗って浸水させまして、その間にアサリに軽く火を通していく。

 フライパンに水を入れ、そこに酒を一回し。

 アサリの出汁をしっかり取ったら、そこに醤油を回しかけ。

 一旦アサリを引き上げ、引き上げたアサリはイセカイカワブタ節とイセカイハモ節で取った出汁の中へ。

 もう美味い。

 炊く前から分かっちまう。


「酒蒸しは来てから作るとして……バター焼きもそこまで大変じゃないしなぁ」


 居酒屋メニューのいい所は、大体が料理の手間がそこまでかからないところ。

 なお、一部を除く。

 聞いてるか? コロッケ。

 焼いたり蒸したりすれば完成する料理と違って、お前は工程が多すぎるんじゃ。

 ……たまに作ったりしたけども。


「酒蒸しには大きいサイズ、バター焼きも大きい方がいいな」


 殻が無い分、普通サイズの異世界アサリだと、ちょっと寂しく感じちゃう。

 ……アサリと野菜をオイスターソースで炒めたりしても美味いかもしれん。

 エビチリならぬアサリチリとかも美味そうだし。


「みんなが来るまで特にやる事無いな……。先に色々とやっちゃっとくか。……あ、味噌汁だけ作ってちゃお」


 下準備とか面倒な処理がほとんど無いから、時間を持て余すの巻き。

 こういう時は、笑顔と筋肉がまぶしい某動画と一緒に、世界一楽な有酸素運動で運動不測の解消をば。

 ……健康診断でちょっとね。 ちょっとよ? 本当よ?



「いらっしゃ……」


 十分ちょっとでいい汗をかき、呼吸を整えた頃に異世界組の到着を知らせる魔法陣が出現。

 ただ、何と言うか……。

 アメノサさんとリリウムさんがピリピリしているというか……。


「カケル! 聞いてくださいな!」

「こっちの台詞! 聞いて! カケル!」


 で、出現した瞬間にその二人に詰められまして……。


「大会を開くのに食材が足りないと言っていたので、私たちが協力しようかと持ち掛けたら、断られましたのよ!!」


 まずはリリウムさんの先制パンチ。

 転移魔法で数歩の距離を移動し、即座に俺の前にやってくるというそこまでするかムーブでアメノサさんに文字通り一歩リードした形。


「だから、『夢幻泡影』に頼むような食材を用意する予定はなくて、もっとランクが低くて依頼料が安い冒険者に依頼する予定なの」


 なお、リリウムさんの先制パンチに、アメノサさんは正論パンチを繰り出す。

 う~む……。


「お友だち価格で良いと言っているではありませんの!」

「そのお友だち価格で他の冒険者五組には頼める値段になるの!」


 ……これ、俺が判決しなきゃダメ?

 と思って男組に視線を向けるけど……。


(わしらに振るな)

(もう疲れた)

(頼ンだぜ、カケル)

(今日のデザートはなんだ?)


 と、俺に全部投げる気満々の視線が返って来たよ。

 はぁ……。


「リリウムさん」

「なんでしょう?」

「今日、予算オーバーしたのでワインは無しです」

「なんですって!?」


 突然の俺の告白に、驚愕するリリウムさん。


「なんだと!?」

「どういうことだ、カケル!」


 ――と、マジャリスさんとラベンドラさん。

 ちょっと黙っててもろて。


「という事になりかねないので、予算の管理は大事なんですよ」

「?」

「大会の予算は、あなた達を喜ばせるための物じゃないという事」


 分かりにくい例えだったかなぁ?

 でもまぁ、アメノサさんには伝わってるっぽいからいいか。


「そもそも、大会の主役は審査員じゃなく、参加する料理人たち。その人たちが十分に使える食材を確保しなきゃいけない」

「『夢幻泡影』に食材の調達なンて頼ンだら、それこそおかずはあるが米がねぇ、酒がねぇ、みたいな食卓になっちまいかねないって事だよ」


 正直な事言うと、予算だの、管理だの、頭が痛くなるような単語を家の中では聞きたくないんよ。

 うん。


「まぁ……何となく」

「今の説明で何となくなの?」


 アメノサさん、目を見開いて驚いてるが。

 いやまぁ、リリウムさんのこういう思考は今に始まった事じゃないと言えばそうかもだけれども。


「そもそも、高い食材が使いたい料理人は自分で依頼して調達してる。私たちが確保しなきゃいけないのは、共有食材とでも言うべき、誰でも使っていいという食材たち」

「そこに高級な食材を――『夢幻泡影』に発注するような食材を並べたら、自分らで調達した連中たちからクレームが来るわ」


 クレーム……。

 ウッ……頭がッ……。


「と言う訳で、納得して」

「む~」

「出来ないならいい。カケルに頼んで本当にワインを無しにして貰う」

「分かりましたわ」


 ――どうしよう。

 今日、日本酒だけしか用意してないって言える雰囲気じゃなくなったんだけど?

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― 新着の感想 ―
更新お疲れ様です。 タイトルに関するモノの「えっ」だったんだ そういえば 神様が前に人数が増え気がするの答えは多分 海外の神様達が自分達の国の人間達を異世界に 拉致されないか不安になって八百万に混ざ…
アメノサさん、目を見開いて驚いてるが。 いやまぁ、リリウムさんのこういう思考は今に始まった事じゃないと言えばそうかもだけれども。 アメノサちゃん……リリウムさんコネとかツテとか多いし、たまに腹黒いけ…
タイトルの神様、予算オーバーしたワインであの反応だったのか…(^-^;
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