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『――』が一杯パスタが美味い

「ふぅ……」

「軽くて、ふわふわで、甘くて、美味しかった」


 ロールケーキ、食べ終わりました。

 いやぁ、マジで美味かった。

 やっぱり秋に出てくるスイーツは美味いなぁ。

 ――なお、春夏秋冬どこを切り取っても同じ事を言ってるもよう。


「よし」

「持ち帰り、ですね?」

「うむ」


 で、約束通りまずは大量のタルタル作りから。

 大量と言ってもリボーンフィンチの卵一個使えばおのずと大量になる。

 ……やべ、マヨネーズそんなに残ってるっけな……。


「タルタルを作るなら、唐揚げと一緒にサンドして欲しい所じゃが」

「無論、そのつもりだ」


 で、持ち帰りは唐揚げタルタルサンドね。

 不味いはずがない、の代名詞ですわ。


「ついでに次の食材も渡しておこう」

「そうですね。――はイ?」


 ん?

 今なんて言った?

 なんか、物凄く自然な流れ過ぎなかったか?


「ガブロ」

「うむ、これらじゃな」


 これらという事は複数形、つまり一つ一つはあまり大きくない物。

 であれば大丈夫か。


「でっ……」


 ――そう思っていた時期が、僕にもありました。

 えぇっと……なにこれ?

 なんか、バランスボールみたいなものをガブロさんが持ってるんですけど……。


「コレなんですか?」

「貝類だが……あ、そうか。保存用に『――』の殻に入れていたんだった」


 そう言ってバランスボールに抜き手を一発。

 すると、ビシリ、とひびが入り……。


「ぬん」


 掛け声と共に、バランスボールが割れて中身がコンニチワ。

 出て来たのは……。


「アサリっぽいですね」


 物凄く常識的な大きさの貝たち。

 結構見覚えのある形してるし、多分アサリだね。

 

「味がいいと言われるサイズの物を取りそろえた。……もう少し大きいのもあるがどうする?」

「欲しいですね。大きいと色々と出来そうですし」

「そうか。ガブロ」

「うむ」


 と、またバランスボールが出て来まして。


「ぬん!」


 中からは、先程よりも大きな異世界アサリたちが。

 大きさ的に、ムール貝くらいのサイズ感。

 これはこれで美味そうだ。


「今の段階でどのような料理を思い浮かべる?」

「ん~……みそ汁は定番ですし、バター焼きも美味い。酒蒸しも最高ですし、パスタやラーメンなんかにも合います」

「ほうほう」

「ただ、せっかく大きいサイズがありますし、この大きさを活かしたいですね。フライ、唐揚げ、あとは出汁醤油で漬けにして握り寿司なんかも絶対に美味いです」

「よだれが……」

「材料一つでよくそこまでレシピが出てくるな」

「アサリは身近な食材ですからねぇ。美味しいですし」


 まぁ、異世界アサリが現代アサリと違う所は、既に殻が剥かれている所くらいかな。

 ――ウッ! 

 その時、俺の頭の中によぎる、存在しないはずの記憶……。

 貝類……果物の味……やめろ――思い出すな。


「念の為の確認ですけど、貝類ですよね?」

「そうだが?」


 キョトンとされても……。

 俺は貝類で痛い目……というか、甘い目にあってるの、忘れたとは言わせませんからね。

 まぁ、その後キッチリ仕返しはしましたけど。

 ガブロさんにだけ。


「ちなみにパスタに使う場合のレシピは?」

「ニンニクと唐辛子をオリーブオイルで炒めて、白ワインとアサリを投入。茹でた麺と絡める感じですね」

「ふむふむ」

「トマトソースを使う場合もありますよ」

「なるほどな」


 トマト缶を使うとボンゴレロッソ。使わないならボンゴレビアンコ。

 

「ちなみにそれは今後食卓には並びませんの?」

「普通に作る予定でしたけど?」

「安心しましたわ。てっきり、あとはそちらで案件なのかと」


 どんな案件なのかは置いておくとして、こっちで食べたいんだ。

 何となく、ラベンドラさんが作った方を喜んで食べてる印象があったから意外だな。


「ここの油や香草は質が高い。私たちが作っても同じ味にするには苦労する」

「なまじ味を知ってるから歯がゆいンだよな。何も知らねぇやつらは美味い美味いって絶賛するンだが」

「すこぶる分かる。風味や味わい、よく再現出来ているがまだ足りない、と思わせられるんだ」

「味の奥行というか、広がりが違うんだ。本当に、翔の作る料理達はどれも美味い」


 ……多分、その流れだと褒められるのは俺じゃないですね。

 品種改良やらで味を良くしていった農家の方々や畜産業に営む方々のおかげかと。

 マジで食に対する拘りが凄いんだから。


「そろそろだな」

「一度揚げだけか?」

「折角柔らかいパンに挟むんだ。衣も固すぎない方がいい」

「だったら一度トーストしてパンも表面をザクザクにしてみては?」

「む……むむむむ」


 考えてる考えてる。


「よし、ならばそうしよう」

「よし来た」

「トーストしたら片面にバターとからし、もう片面にたっぷりタルタルだ!」

「御意!」


 そう言って一度引き上げたリボーンフィンチの唐揚げを再度油に投下するラベンドラさん。

 俺? 今の内にキャベツの千切りを行っていますわよ。


「引き上げた唐揚げにはレモンを絞りますわよ?」

「当然だ」

「塩コショウは?」

「下味の段階で振ってある。抜かりはない」


 なんて会話をしつつ、出来上がっていく持ち帰り料理。

 ……俺も明日のお昼は唐揚げサンドにしよう。

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― 新着の感想 ―
まぁ、異世界アサリが現代アサリと違う所は、既に殻が剥かれている所くらいかな。 ――ウッ!  その時、俺の頭の中によぎる、存在しないはずの記憶……。 貝類……果物の味……やめろ――思い出すな。 ↓ママ…
更新ありがとうございます∠(`・ω・´) 唐揚げサンド(^q^)美味しそう(*´艸`*) ザクザクキャベツ入れても良いし、とろみ強めの甘酢餡とネギたっぷりで油淋鶏風も良い!甘辛いヤンニョムチキン風にも…
あさりで飲兵衛の肝臓が強化されて何時もより酒が止まらなくなったりするのかな?
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