そう上手いこといかないらしい
「……何してるんですか?」
「ゴーレムが宝石を合成する能力を得たのだろう!?」
「私たちにとっても有益になりそうな能力なのですもの!」
「検証、大事」
……『夢幻泡影』だけかと思ったら、しっかりアメノサさんもゴー君の前に陣取ってるし。
「宝石が大きくなるのがそんなに重要です?」
「当たり前じゃろうが!!」
俺の感覚だと、値段が高くなる、以外にない。
でも、どうやら異世界人にとっては違うらしく……。
「もし合成した事で宝石内に魔力が宿ってみろ! 冒険者にとってミミックに手を入れるほど欲しい代物になる」
……喉から手が出る、じゃないんだ。
異世界だと入れるんだ、手。
「魔力が宿らなくても大きい宝石はそれだけで権力の象徴。貴族を黙らせるのに重宝する」
アメノサさんはアメノサさんで怖い事言ってるし。
いやまぁ、それも政治の範疇なのかもしれないけれどさ。
「ちなみに結果は?」
「んごっ!!」
「なんと言ってますの!?」
……まじかー。
異世界組はゴー君の言葉分からないからこの内容伝わってないんだっけ……。
「一週間くらいかかるみたいですけれど……」
「時間跳躍!」
「応!!」
判断が早い!
というか、ゴーレム対象に時間跳躍して大丈夫なの?
なんと言うか、色々と。
「……どうだ?」
「ゴー君、どう?」
「んごごご、んご」
無駄じゃよ、新一。
だそうです。
効かないのか。
「時間跳躍、弾かれてるみたいですね」
「くっ!!」
そんな膝から崩れ落ちて地面叩いて悔しがらなくても……。
「? 魔法を弾くゴーレム?」
あ……なんか嫌な予感。
「軍事転用出来りゃあ、魔法が効かねぇ無人侵略兵器になり得ねぇか?」
「ちょっと性質について詳しく」
明らかに物騒過ぎる言葉が聞こえてきた気がしますが?
詳しくも何も俺が知るはず無いでしょうに。
「とにかくリビングに来てください。ゴー君にあまり迷惑かけないの」
「そうは言っても……」
「ゴー君、今お腹にある宝石、全部砕いちゃっていいよ」
「わー! 分かった! 向かう! 向かう!!」
ったく、最初から大人しくしててくれよ。
……というか、魔法陣を庭に出すな。
ちゃんとリビングにいつも通り来てくださいな。
*
「唐揚げを揚げるだけか?」
「煮付けを温めるのと、棒棒鶏を作る必要はありますけど……どちらも揚げる時間よりは短く終わらせられそうです」
「では、私は揚げることに集中しよう」
という事で唐揚げをラベンドラさんに任せて、俺は棒棒鶏作り。
と言ってもやる事は簡単。
薬味を鍋に入れてお湯を沸かし、そこにリボーンフィンチの胸肉を入れて茹でる。
茹でてる間にキュウリとトマトをみじん切りにし。
胡麻ドレッシングに醤油、ごま油、酢、砂糖、ネギのみじん切りを入れてよく混ぜ合わせ、棒棒鶏ソースの完成。
茹で上がった胸肉を鍋から取り出し、粗熱を取る。
本来は時間が掛かるんだけど、時間跳躍を使って一瞬で粗熱を取った胸肉がこちらになります。
異世界組、三分クッキングとかで重宝されるかもしれない。
事前に作る必要ないんだもん。
「割くのか?」
「そういう料理なんで」
後はお皿に野菜を敷き、食べやすく割いたお肉を乗せて、その上からたっぷりとソースをかければ完成。
特製棒棒鶏ですわぞ~。
ラー油とか後からかけて、自分好みの味にアレンジ可能。
チューブにんにくとかもいいかもしれない。
「一度揚げと二度揚げで作るぞ?」
「もちろん」
ラベンドラさんから確認が入るけど、間髪入れずにそんなもん了承ですわよ。
一度揚げのしっとり気味の唐揚げも、二度揚げザクザクの唐揚げも、どっちも美味しいんだから。
「カケル」
「何でしょう?」
で、ウッキウキでお皿を用意してたらガブロさんから声が掛かり。
「タルタルソースはあるんか?」
「……あ」
うっかり……というか、そう言えばそれもあっていいなぁ、という調味料を忘れている事実を突きつけられた。
唐揚げにタルタル、確かに美味いもんなぁ。
……マヨネーズじゃダメ?
ダメそうだな。
「今から作るか?」
「それしかなさそうですね」
買って来てもいいんだけれども。
俺が居なくなった途端、またゴー君に負担をかけそうで……。
目が離せないんだなぁ、このエルフ達。
「ふむ。……であれば、私が作った奴を使うか?」
「いいんです?」
ラベンドラさんが作ったやつって、異世界で冒険する時に使うような調味料でしょ?
言ってしまえば、食事という娯楽を彩るアイテムなわけで……。
それを使ってもいいものなのか……。
「これからの食事に私が作ったのを使い、持ち帰りの食事を作るタイミングで、ここで補充させて貰う」
「あ、なるほど」
「であれば今この場を切り抜けつつ、私は何も消費しない」
「確かに。であればありがたく使わせてください」
ラベンドラさんの提案に乗った!
いやまぁ、時間掛かっていいならここからリボーンフィンチの卵を茹でて、タルタルソースを作るんだけどさ。
唐揚げ……揚がっちゃったんだもん。
揚げたての一番美味しい瞬間が今なんだもん。
この瞬間を逃すなんて、お腹が空いた俺には出来ない。
「じゃあ……食べましょうか」
ご飯をよそい、作った料理を並べ。
リボーンフィンチ三昧ご飯……頂きます!!




