ちゃんと来なさい
『あんたが起こしてくれなかったから飛行機に遅れる所だった』
……知らんがな。
姉貴から届いた連絡に、心の底からの一言を。
ちなみに俺は起こした。
二度寝かました姉貴の自己責任である。
まぁ、神様に寝過ごしそうになったら悪夢でも見せてあげてくださいってお願いしてたけど、悪夢がどうとか言って来ない辺り、そこまでは寝坊してなかったのだろう。
(いや、飛行機とやらに乗り遅れる夢を見させたぞい?)
あー……そりゃあ飛び起きるわ。
神様も姉貴ってものの理解度が高くなりましたね。
……というか、飛行機、分かるんですね。
(鉄で出来た竜じゃろ?)
……そういう事にしておきます。
さて、仕事仕事。
*
ただいま! という事でね。
本日のご飯は……ご飯もリボーンフィンチのフルコースですわよ。
モツの生姜煮は確実に作りたくて、それと唐揚げ。
ご飯は鶏飯にしようかな。
鶏飯じゃないよ、鶏飯だよ。
と言っても郷土料理のしっかりとした鶏飯じゃなく、自分流アレンジの鶏飯だけど。
パパイヤの味噌漬けとか普通は手に入らないし。
「ももと胸肉と軟骨さえ揚げられてりゃ唐揚げとして文句は出ないでしょ」
文句を言ってくるわけもないんだけどね、異世界組が。
という訳で色々と下準備。
唐揚げ用お肉たちはブライン液にぶち込みまして。
続いてモツの処理。
ハツ、レバーを一口大の大きさに切り、砂肝は加熱すると固くなる部分を外して一口大に。
……やっぱ改めてデカすぎるな、リボーンフィンチ。
君、こんなに成長するんだね。
と、冷蔵庫の中の未だ残機0のリボーンフィンチの卵に心の中で語り掛け。
カタリ、と物音で返してきた……気がするだけかな。
「砂糖、醤油、お酒、生姜と」
水に浸して血抜きしようとしたら、全然出てこない。
きっと、異世界組が全部抜き切ってるからだろうね。
……これもポーションの材料なのかな……。
「そういや、煮付けはほぼポーションとか言ってたな。……まぁ、効き過ぎてダメって事はないでしょ、多分」
エルフにすら効果が高いと言われるポーションは、果たして現代人の俺が摂取しても問題ないのだろうか?
神様、そこの所、どう?
(平気なように弄っとるわい。……体がボロボロになられても困るでの)
……聞かなかったことにしよう。
神様がしっかり調整してくれてる、と。
――ちなみにもし調整してないポーションを摂取してたらどうなってました?
(免疫の過剰活性により、全種のアレルギーを網羅しとる所じゃわい)
……アウトでは?
神様知ってる? この世界には水アレルギーなんて珍しいものも存在するんですよ?
全アレルギー網羅って、多分あらゆる食事を受け付けないと思うんですけど……。
(そうなったらわしの世界に来るしか無いのぅ)
……目的それか。
行かないっての。
……でも、だったら調整してなければ、神様の思い通りになったはずなのでは?
そこはちゃんと調整してくれたんだ。
(八百万が行列作ってわしに圧かけて来たからの)
ナイス八百万の神様たち。
一層信仰します。
「血抜き要らないなら楽でいいや」
結構面倒なんだよね。
でも、それをやらなくていいならかなり楽。
内臓たちをお鍋に入れ、まずは酒だけを入れて火にかける。
アルコールを飛ばしつつ、出て来たアクを丁寧に掬って……。
アク取りを終えたら、醤油、砂糖とすりおろしたショウガと千切りのショウガをぶち込んで。
後はじっくりコトコト、煮詰めていけば完成。
これでたまに気に掛ける位で良くなったので、続いて唐揚げ。
ブライン液から引き上げ、水気をしっかりと拭き取り。
醤油、酒、ニンニク、ショウガを肉と一緒にジップロックに入れて揉み込みまして。
塩ダレバージョンも作るので、そっちは焼き肉の塩ダレを入れて同じく揉み揉み。
後は放置して味を染み込ませて揚げるだけっと。
「鶏飯の準備もするか」
鳥ガラスープをかけるお茶漬け、みたいな料理なんだけど、鳥ガラなんて家にはあるはずもなく。
鶏ガラスープの素と、リボーンフィンチを茹でた汁で代用することに。
スライスしたショウガを入れ、熱してる間に錦糸卵作り。
もちろんリボーンフィンチの卵を使用。
その間にシイタケとさやいんげんをサッと茹でておきまして。
リボーンフィンチに火が通ったら、引き上げて割いて冷ましまして。
スープからショウガを取り除いて鶏飯の準備完成。
……シイタケとさやいんげんを千切りにするの忘れてた。
「もう一品……いる?」
正直十分な気もする。
でも、あと少しなんだよな、リボーンフィンチのお肉が。
明日の一食にするには心許ない量。
となると使いきるか。
煮る、揚げる、はやってるから、焼くか蒸すか……。
棒棒鶏とかいいな。
それにしよう……。
「キュウリと、棒棒鶏ソース……トマトも欲しいな」
という訳で追加買い物。
まだまだ異世界組が来るまでに時間はあるだろうし、ちゃちゃっと買いに行ってきますか!
*
……えー、来てました。
異世界組。
と言っても、いつものリビングにではなく……。
「これらの宝石をまとめて一つに!!」
庭に。




