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MTX……Evolution

「そうそう、明日日本を発つから」

「何でそう毎回前日に言ってきやがるかなぁ」


 朝。

 姉貴が早起きし、俺と一緒に朝ご飯を食べてたから、今日の天気は槍か~とか思っていたら。

 唐突に姉貴からそんな事を告げられる。

 いやまぁ、当日に言わないだけ成長したのかもしれないけどさぁ。


「それで、どうしても食べたい日本食があるんだけど?」

「今日のご飯は鶏しゃぶだって言われてたよね?」


 当たり前にご飯のリクエストしてくるんだけども、既に今日の晩御飯は鶏しゃぶで固定ぞ?

 ……一体何が食べたいのよ。


「カレーが食べたくてね」

「あー……」


 日本のカレー、いわゆるカレーライスか。

 確かに日本が魔改造した料理の上位に入って来るし、食べたくはなる、か。

 明日の朝ご飯に作って置いておくくらいならまぁ……。

 ん……? 待てよ……?


「そのカレーって、具体的にどんなカレーがいいとかある?」

「特には」

「じゃあ、今夜の鶏しゃぶのシメにカレールー入れても可?」

「……可。というか何それ、絶対に美味い奴じゃん!」

「魚介系の出汁でしゃぶしゃぶする内に、出汁に溶け込むリボーンフィンチの脂と肉汁。特にぼんじりの甘い脂が、カレーにした時の味わいに深みを持たせるはず……」

「採用」


 よし、言いくるめ成功。

 だてに数値を振って90まで育ててないのよ。


「ちなみに明日の朝ご飯のリクエストは?」

「梅干しとたらこのおにぎり」

「混ぜ込むふりかけのおにぎりも追加してやろう」

「あれ美味しいのよね」


 ついでに出発の日の朝ご飯も聞いちゃいまして、と。

 ふぅ、ご馳走さまでした。

 ラベンドラさんがあんなことを話すもんだから、今日の朝ご飯はう巻きならぬ鶏巻きですわよ。

 卵焼きの中心に、タレを絡めて焼いたリボーンフィンチの胸肉を入れて巻き。

 それとみそ汁、納豆でご機嫌な朝食。

 シレっと貰っていたリリウムさん特製の糠漬けも合わせれば、姉貴がぐうの音も出せない程に和食な朝食の完成ってわけ。


「ふぅ。ご馳走さまでした」

「お粗末様でした。じゃ、仕事行ってくるから」

「無理しない程度に頑張れー」


 なんて、間の抜けた言葉で送り出されましたけれども。

 ま、そこそこに頑張ってきますわよ。



 ただいま! という事でね。

 鶏しゃぶ用の具材をたっぷりと買って来ましたわよ。

 シメがカレーだから、もちろんカレールーも。

 野菜類は、ネギ、水菜、白菜と、しゃぶしゃぶには必須だけどカレーとは合わない葉物野菜はそこそこに、エノキ、エリンギ、しめじらキノコ類は結構多めに。

 あと、春菊も見つけたからつい買っちゃった。

 美味いだろ、こんなの。


「お帰り~」

「ただいま。……何してたの?」


 ほっぺに泥が付いてますけど。


「ゴー君と宝石並べて色々してた」

「その色々の部分を聞いてるんだけど?」


 泥がついてる時点でゴー君関連だという事は分かるじゃん。

 そこを詳しく聞きたかったんだけど……。


「簡単に言うと、ゴー君に、くず宝石をまとめて一つの宝石に出来ないか、とか聞いてた」

「なんて?」

「最終的な質量が半分になるけど出来るようになるらしいわよ?」

「……滅茶苦茶画期的な事言ってない?」

「言ってる。というか、それ目的でここに寄る理由になるレベル」


 今まで大体が食事に関するアップデートだったゴー君が。

 いつの間にか姉貴の仕事にとんでもない貢献をもたらす能力に目覚めていたでござる。

 姉貴の言うくず宝石がどれくらいの大きさで、どれくらいの量仕入れられて、それらがどれくらい値段なのかは分からないんだけれども。

 宝石って、一回り大きくなっただけで値段がかなり変わるからさ。

 最終的に質量が半分になったとて、大量にくず宝石を用意出来ればかなりの稼ぎになるのでは?

 ――というか、


「ゴー君と話せたんだ」

「いや? でもイントネーションとか、表情とかで何となく分かった感じかな」

「フィーリングかよ……」


 てっきり姉貴もゴー君と話せるようになったものだと。

 神様が融通利かせたのかと……。


(しとらんしとらん)


 ふむ。

 となると姉貴は、マジでフィーリングだけでゴー君とのコミュニケーションを成功させちゃったのか。


「海外行くとさ、知らない言語の知らない単語とか普通に出くわすし」

「あー……なるほど」


 姉貴が仕事で身に付けたスキルだったか。

 ……普通に凄ないか?

 

「でも頬に泥が付くのはなんで?」

「宝石合体の報酬に、身体を磨いて欲しいってお願いされたから。あ、タオル使ったわよ?」

「洗濯機に入れる前に泥、落とせよ?」


 ゴー君からの依頼のせいか。

 頬に泥が付いてたの。

 というか、身体磨きとかされたい系ゴーレムなのね、ゴー君は。


(お主らで言う整体とかの位置付けじゃな)


 ほー。

 ほな大事か。

 まぁ俺は整体とか行った事無いんだけど。

 温泉とか大型複合商業施設とかに置いてある、マッサージチェアくらいしか体験ないわ。

 そういえば、出張の時に利用した空港のマッサージチェアが一番気持ち良かったな。


「とりあえず顔洗って来な?」

「そうする」


 と、姉貴に頬の泥を落とすよう促したところで。

 今夜の鶏しゃぶお出汁、作っていきますか。

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― 新着の感想 ―
グズ宝石を合体した場合、異世界の価値観的にも希少宝石になったりするのだろうか。 ものすごい量の魔力を蓄えるだとか、冷やして酒に入れたら味が良くなるだとか。 後者だな⋯
クズ宝石合体って下手するとそれだけで食べていけるレベルなのでは? さすゴー君
「簡単に言うと、ゴー君に、くず宝石をまとめて一つの宝石に出来ないか、とか聞いてた」 「なんて?」 「最終的な質量が半分になるけど出来るようになるらしいわよ?」 「……滅茶苦茶画期的な事言ってない?」 …
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