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こういうやらかし

「うま」


 冷蔵庫に用意されていたとろろ汁を、丼によそったご飯の上に流し。

 異世界産マグロの中落ちを乗せたら、刻み海苔とワサビを乗せる。

 寝起きからなんて贅沢なんだろう。

 こんな朝ご飯を用意してくれた弟の翔は置いておくとして、用意して貰った私はきっと特別な存在に違いない。


「山芋も異世界産って言ってたけど、かなり美味しいわね」


 粘りがあり、旨味とコクがある。

 だからこそ、異世界産マグロの旨味に負けず、互いに高め合うような味わいになっているわけだ。


「ちょっと最初の表情見た時は揺らいだけど、こんなに美味しいならどれだけでもあの表情して貰う事にしよう」


 捨てられてる子犬みたいな、縋るような目で見てくるんだもん。

 心の隅っこで、とうとう翔も人の心を忘れたか、と思ったけれど、味わってみて納得。

 そんな事よりとろろ汁だ。


「心なしか元気になって来たし、そろそろお仕事について動き始めますかね。ま、マグロをたらふく食べられたし満足満足」


 と、食後の食器を流しにつけなかったことをこの後帰って来た翔に怒られるのだが。

 それはまた別のお話。

 ……ちなみに、リボーンフィンチのハツやレバーは、肉体的疲労に対して過剰と言わないギリギリのレベルの効果があるために、


「めちゃくちゃ目がスッキリしてる。……肩も軽い」


 仕事中の翔も、姉同様謎の元気を手に入れているのだが。

 それらの効果について、二人が気付くことは今後も無いだろう。



「ぴえん」

「自分で食べた食器位洗え!!」


 全く、何がぴえんだっての。

 よくもまあマグロとろろ丼を食べた丼を数時間も放置してくれちゃって。

 米粒カピカピとろろもカピカピで中々落ちないだろうが。

 罰として自分で洗わせたら、二十秒で音を上げ始めた。

 あまりにも脆い。


「ちなみに今日のご飯は?」

「大量に串打ちしてお庭で焼き鳥」

「最高か?」

「あたり前田のクラッカー。無限キャベツとか、手軽に摘まめる野菜類も作る」

「マストよね」

「タレの焼き鳥をご飯に乗せて焼き鳥丼なんかもしたいね」

「お腹すいたんだけど?」

「まだ準備すら出来てないが?」


 ちなみにようやく洗い終わりました。

 また食べ終わった食器に水を張ってなかったら洗わせるからな。


「そう言えばだけど、異世界の山芋って美味しいのね」

「あれね、美味いよね」

「自然薯とか、大和芋系の美味しさだった」

「蕎麦に合わせたり、天ぷらにしたりで何にしても美味しかったな」

「短冊切りにして練り梅とめんつゆで食べても良さそう」

「それ今日作るか」


 焼き鳥に、個人的に欠かせないやみつき塩キャベツ。

 洗ったキャベツをざく切りにし、ごま油と塩昆布を馴染ませるように混ぜている途中で、姉貴がそんな事を言ってくる。

 採用。

 マンドラゴラ君や~い、姉貴からのリクエストだぞ~い。


「山芋の短冊切りとやみつきキャベツ、他には何か作るの?」

「浅漬けオイキムチくらいかな」

「あ、いいね」


 ギュッと目を瞑って事が終わるのを待つマンドラゴラ君の体を切断したら、解呪用炒り塩水へ。

 その間に、ジップロックに乱切りにしたきゅうりを入れ、キムチの素を入れて軽く揉む、と。


「串打ちは異世界組に頼んだ方が早いから、適当に肉だけ切っておくか」

「何か手伝う?」

「姉貴のセンスで手羽先を漬け込むタレをお願い」

「はーい」


 ちなみに手羽先はあまりにも食べたくなったのでスーパーで買って来た。

 異世界組が持って来る食材は、手羽先みたく骨ごとの食材滅多にないし。

 ……こっちの手羽先みたく、食べやすい大きさじゃそもそも無いし……。


「出汁、醤油、砂糖、日本酒……他には?」

「みりんとか蜂蜜。あ、カレー粉とかも美味い」

「カレー粉いいね、採用」


 ちなみに姉貴は料理は出来ないけど、味付けは下手ってわけじゃない。

 前も言ったけど、卵を割ると必ず殻が入ったり、切った野菜が全部繋がってたりする感じの、いまいち惜しい感じの作業を連続させるタイプ。

 見かねて思わず口を出すんだけど、そうすると拗ねるんだ、姉貴は。


「揉む?」

「揉む」


 現に、今手羽先を入れたビニール袋に作ったタレを入れて揉み始めたけど、


「あ、フォークで刺した方が味が染みるとかどっかで読んだ」


 とか言って袋の上からフォークで刺し始めてるし。

 ――なんで? なんで姉貴はすぐそんなことしてしまうん?


「袋の上からやったら貫通するでしょ……」

「あ」

「気が済むまで刺したらジップロックに中身を移しなさいな」

「は~い」


 そういう時には注意をするんじゃなくて、やりたいようにやった後のリカバリーを教えてあげると素直に従ってくれる。

 当然、袋に穴が開いてタレは漏れてるわけですけど。

 その掃除をするのはもちろん俺ですけど。


「あ、ニンニク入れたらよかったかも」

「手羽先メインならガッツリ仕上げてもいいけど、あくまでも手羽先もメニューの一つだから、そこまで主張させなくていいんじゃない?」

「それもそっか」


 カレー粉入れてる時点で結構主張あるし。

 よし、山芋マンドラゴラの短冊切り完成っと。

 後は小鉢に盛って、練り梅とめんつゆ、刻み海苔を乗せて完成。

 ではでは、異世界組が来るまでに串に刺すお肉を切っていきますわぞ~。

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― 新着の感想 ―
ちなみに姉貴は料理は出来ないけど、味付けは下手ってわけじゃない。 なんか、異世界組も料理するのはラベンドラさんだけど他の人も味付けは下手ではなさそう。イメージ的に何かマジャリス君が危ない……くらい?
あたり前田のクラッカー、存在する食べ物だと思わなかったな
更新ありがとうございます∠(`・ω・´) 手羽先の味付けを手伝ったから漬け置き忘れは不問とする( ゜д゜ )クワッ!!揉み込む袋ごと手羽先刺したのは…………… ときに、翔君や|д゜)チラッ 禁煙してる…
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