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こんなスタイルもある

「ん、来るわよ」

「うい」


 姉貴による異世界センサーの反応に返事をし、待つこと数秒。

 紫の魔法陣が出現し、異世界組が参上。

 

「鍋か?」

「鍋も、ですね」


 登場した瞬間、ねぎま鍋の存在に気付き口にするラベンドラさんだけど、今日は鍋だけじゃないんだなこれが。


「鍋もメインですけど、他にもあるんで……」


 とテーブルを指差す。

 そこには……、


「丼?」

「まず丼に自分が食べる分のご飯を盛ります」


 で、そのままの流れで今日のご飯の流れを説明。

 丼と言いながら俺の分なので持っているのは茶碗なのはご愛敬。


「具材はここに並んでいるのを好きに乗せます」


 さっきまで準備していた、中落ちと中トロの刺身、中落ちたたき、ネギトロ、中落ちと中トロのヅケから、中落ち、ネギトロ、中トロのヅケとご飯の上に乗せまして。


「そしたら薬味をこれも好みで」


 刻み青葉、ワサビ、海苔、ネギと具の上に散らせば、勝手丼in翔宅の完成。

 そのままの流れでイセカイカワブタとイセカイハモのお吸い物をよそい、席についてっと。


「これらとお鍋を一緒に食べます」

「なるほど」


 そういえばだけど、バイキングスタイルって日本で広がったんだっけ?

 てことは異世界に無い?


「自分の好みのやつだけ取れるって事だよな?」

「ですです」

「凄くいい。嫌いな物、食べなくていいの」

「ていう事はこういうスタイルって……」

「無い、とは言わないが珍しいな」

「誰も食べんとなれば捨てるしかないからのぅ。貴族の上の連中が、自分の力を誇示するため、くらいでしかお目にかかれんわい」


 ……やっぱり異世界には無いか。

 あと、異世界にもフードロス問題ありそうやね。

 

「あら、あの形式の残った物は使用人たちの食事に回されますのよ?」

「普段よりいい物が食べられると、使用人たちが積極的にあのスタイルで食事させようとする」

「そン時の貴族との駆け引きが面白いンだよな」


 無さそうやね。

 あと、俺が想像する使用人と、異世界の使用人は微妙に細部が違いそう。

 少なくとも、13㎜拳銃とかは用意し無さそうだよね。


「じゃあまぁ」

「言われた通り」

「食べたい具材を乗せて丼にしてきますわ!!」


 で、各々が丼を手に取り、炊飯器の前に並び。

 シンクの脇に並べてある具材を回り、最後にお吸い物をよそって着席。

 ……?


「姉貴は行かないの?」

「? 翔が用意してくれるんじゃないの?」

「海苔とワサビ丼が食べたいならそう言ってくれよ」

「待って待って待って、行くから、自分でやるから」


 全く。

 いいか? 自分が食べる物を選択する権利を他人に握らせるな。


「ん~、ネギトロはマストだし、刺身も……。でもヅケも美味しそうだし……」


 判断が遅い。

 最初なんだから小盛にして後から追加おかわりすればいいのに。

 さて、じゃあテーブル上のカセットコンロにも火を点けて、ねぎま鍋を完成させましょうかね。

 出汁はしっかり貼ってあるし、ネギは事前に焼き目を付けた。

 後は大トロの部分と中トロの部分を入れて、火が通ったら堅くなる前に食べるだけっと。


「みんな取りましたかね?」

「うむ」

「とりあえず食べよう」

「もう我慢出来んわい」

「それじゃあ……」

「「いただきます!!」」


 と言う訳で食事が開始。

 まずは丼に醤油を回し掛けまして――掻っ込む!!

 

「ん~……美味い!」

「シンプルながら最高」

「至高にして頂点ですわ!!」


 中落ちのねっとりとしたうま味と醤油の塩味が米と抜群に合う!

 やはり日本人、米を掻っ込むことに快感を覚えるね。


「海苔やゴマの風味とも合う」

「ヅケも身が締まってうめぇな」

「大葉の風味が癖になるな。これもう合法ハーブだろ」


 紛う事無き合法ですが?

 これもう、の意味をちょっと詳しく。


「中トロの脂の甘さも米に合うし」

「何よりネギトロの深くて長続きする旨味が最高!」


 うむ。用意した具材全部が高評価だな。

 まぁ、マグロだし。

 異世界とは言えマグロにハズレはそこまで無いわな。


「はぁ……美味し」

「お吸い物はどう?」

「絶対に外国じゃあ味わえない味。ホッとするし、笑顔になる」

「そ。なら良かった」


 そういえば。味噌汁はミソスープで浸透してきたみたいだけど、お吸い物って海外認知どうなんだろう?

 味噌みたいなガツンと来るうま味じゃないけど、これはこれで味わったら忘れられないと思うんだけど……。

 もっと日本の味を世界に広げよう委員会とか無いんかな? あったら支援も視野。


「カケル」

「なんでしょう?」

「この鍋はそのまま食べるのか?」

「ですです。スープにしっかり味が付いてるので、そのままどうぞ」


 煮すぎるとマグロが固くなり、煮なさ過ぎると生と変わらない。

 この塩梅がねぎま鍋のミソなわけですよ。

 ……スープは醤油ベースだけど。


「では……」

「あ、そういえば日本酒買って来てたの出さないの?」

「……ナイス姉貴」


 忘れかけてたわ。

 姉貴の大阪土産のお酒、出さなきゃ。

 

「姉貴が買って来てくれたお酒です」

「地元の酒屋さんに行ってね、おススメのお酒を見繕って~って選んでもらった」


 胸張ってるけど、それ選んでくれたの酒屋さんだからな。

 いやまぁ、わざわざ大阪まで行って買って来てくれたのは感謝だけど。

 でもまぁ、姉貴が選ぶより酒屋さんに選んでもらった方が信頼は出来るな。

 餅は餅屋ってね。

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― 新着の感想 ―
……見に行きました?
大葉どころか、カケルの準備するご飯はどれも違法な美味しさだと思ってそう…
更新お疲れ様です お寿司を握らせるならラベンドラ、お酒と鍛冶は ドワーフのガブロに任せんしゃい 後の二人は食べる担当?
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