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また変なの出す……

 アロスティチーニ風のイセカイマグロの串揚げ。

 味付けは塩コショウとシンプルで、加熱されているのも表面の脂の僅かな層だけ。

 口に含めば香ばしく、噛むとしっとりマシュマロみたいな食感で。

 歯が当たった瞬間から、脂と肉汁がジュワッと口の中に溢れてくる。

 味がどうとか、そういったもの以前に、脳が喜んで。

 そんな表現がピッタリなこの串焼きは、全員をいとも簡単に黙らせる。

 はぁ……うまし。


「これだけでも十分満足感がある……」

「このロゼワインと合わせた時のマリアージュがまた素晴らしいですわ」

「フレッシュなベリー系の味わいが、『――』の旨味や脂と滅茶苦茶に合う」

「香りも邪魔してねぇし、本当によく合うワインだわな」

「スープとの相性もまたいいぞ」

「ほう」


 という事で串焼きは一旦置き、続いて冷製スープへ。

 ……おっほぉ! 美味い!!

 じゃがいものポタージュかと思ったら、存在する! 確実に!!

 枝豆が!!


「コンソメとじゃがいもをベースに、枝豆や玉ねぎなどを加えてじっくり煮込んだ。それを冷やしたスープだな」

「かなりクリーミィでスルスルと口の中に入っていきますわ」

「すっごい美味しい!!」


 味としてはポテトチップのサワークリームオニオンとかを想像して貰えると分かりやすいかな。

 あれをもっと滑らかにして、ジャガイモの旨味と枝豆の旨味を加えた感じ。

 イセカイマグロに負けてない美味しさで、スープスープワイン、串焼きワインスープって流れが最強に見える。

 ……ちなみに串焼きは食べきってしまった。


「食材さえ手に入るンなら、この料理を出す店は繁盛間違いねぇな」

「出せる店……ある?」

「年に一週間とかしか出せんのじゃないか?」

「一食の予算がどうなるか想像もつきませんわね」


 ……うん。

 現代日本基準でも、今日の料理を食べるとなると、確実に五桁は越える。

 下手すりゃ6桁も視野。

 そんなのがタダで食べられてるんだから、恵まれてるよな、俺って。


「スープめちゃめちゃ美味しかった!」

「良かった。では次だ」


 そう言って次の料理を取りに行ったラベンドラさん。

 フルコースの順番的に、次は魚料理か。

 ……いや、今までのも全部魚料理なわけだけども。


「赤身のシュニッツェルだ」


 揚げ物が魚料理か。

 となるとメインはステーキか。

 どちらも楽しみだな。


「ソースにはバター、白ワインをベースに独自配合のスパイスや果汁でさっぱりと仕上げてある。揚げ物ではあるが、そう思わせない軽さを重視して仕上げた」

「お手並み拝見」

「今までの料理で充分過ぎるほど拝見してンだろうが……」


 ではでは、イセカイマグロのシュニッツェル……ナイフ入刀。

 ……驚くほどさっくり切れるな。

 バターか何かか?


「翔! これ美味しい! 美味しいわよ!!」


 一口食べた姉貴のテンションが有頂天を突破した。

 どれどれ……?


「うんま」

「でしょでしょ!?」


 揚げ物なのにマジで軽い。

 いやそもそも、ソースとイセカイマグロの相性が良すぎる。

 まず真っ先に薄い衣のさっくりとした食感。

 続けてしっとりとしたイセカイマグロの食感がきて。

 衣に吸われたラベンドラさんお手製のソースが、ここでジュワッと溢れてくる。

 バターの香りはほどほどに、白ワインとレモン系柑橘類の爽やかな香りと酸味が口の中に広がり。

 独自配合とか言ってたスパイスは、どことなく柚子胡椒を思わせる味わい。

 そこにワサビのような香りが入って来て、本当に揚げ物の油っぽさが口の中に一切残らない。

 ライス欲しい。絶対に合うから……。


「美味い……」

「これパンに挟んで食べたいですわねぇ」

「バーガーか、最高だろうな」


 これをバーガーに?

 ……贅沢過ぎんか? いやでも、絶対に美味いって確信があるんだよな……。


「ワインとも合いまくるわい」

「サッパリした口内の中に残る、『――』の旨味。そいつを余すことなく見つけて、ワイン側が完全に調和を図ってるみてぇだな」

「分かる。料理側に寄り添うワインの典型」

「このクオリティはとても珍しいですけれどね」


 とか言いつつ、みんな爆速で食べ終えてますけど。

 下手するとスープとかよりも食べる速度早かったんじゃないか?

 もう少しゆっくり味わいましょうや。


「ワインの消費が早い……」

「そりゃあみんなで飲んでるからね」


 流石にワインを8人で分けたら、そりゃあ減るのも早いってもんよ。

 ……だからラベンドラさんはそれを見越してワインの追加をお願いしてきたわけですね。

 なお、ワイン購入ミッションは姉貴は達成出来なかったわけだけども。


「思いのほかよく出来ていたな」

「冗談でも何でもなく、記憶の中でトップクラスに美味い料理だったぜ」

「一番ではないんだ」

「悪ぃが一番は、同胞と一か月かけて砦を守り抜いた後に食った干し肉とパンとチーズだからな。あれは越えられねぇンだわ」


 思い出補正込みで越えられない、か。

 とはいえ、それに並ぶほど美味いって評価は、かなり高いものなのでは?


「メインの前に口直しだ」


 『無頼』さんの記憶の一端を垣間見たところで、メインに向けてのお口直しが登場。

 ――、


「マリモ?」

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― 新着の感想 ―
更新お疲れ様です。 異世界産は見た目はアレだけど、味はどうかし らん? マリモモドキは果物確定、こちらの世界では何に なっているのかな?
更新ありがとうございます∠(`・ω・´) 毬藻…………口直しというと………酸っぱいのか?(゜A゜;)ゴクリ
姉御を縛って目の前でコレをやってた世界線がワンチャン??
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