ギュウニクカッコカリカツ
今年一年大変お世話になりました。
来年もよろしくお願いします。
「え~っと……あったあった」
朝起きて、適当にご飯を済ませ。
徳さんからのリクエストである料理を作るために探し物。
扇風機! 手前の方にしまってて良かったよ。
出すのにあまり手間取らなかったし。
「んじゃ、お肉の方を色々していきますか」
まずは適当な厚さと大きさに切りまして~。
そうして切り出したギュウニクカッコカリにまず施すのは……塩の洗礼!
揉み込め……っ!! 一粒残らず……っ!!
んで、揉みこみ終わったら大事な味付け作業。
焼き肉のタレでしょー、めんつゆでしょー。
……醤油味の方は他にも色々混ぜこむか。
みりん、刻みネギ、ニンニク、塩コショウに砂糖を少々。
混ぜ合わせた醤油ダレにお肉をボチャーン。
めんつゆや焼き肉のタレにも同様に。
「んで、まぁ明日まで置くか」
難しくは無いんだけど時間だけは掛かるんだよな、ビーフジャーキーを作るのって。
明日になったら塩抜きして、扇風機回した部屋に干して乾燥。
だいたい二週間くらいかな。乾燥終わるまで。
そしたら表面を酒で拭いて干し肉が完成っと。
あとはそいつを、今回は燻製機に入れてスモークジャーキーにしようと思う。
まだだいぶ先の話だけどね。
というわけで時間がかかるお肉の調理をしながら、お次は五日後くらいに食べられるお肉の調理の開始。
また例によって時間が掛かるやつだから、ラベンドラさんには見せられないけど。
まぁ、見たところで再現は出来ないだろうから、そこはそれ。
作り方だけは教えますわよ。
「またしてもブロックに切り出しまして~」
にしても、こんなデカいブロックの牛肉なんて扱うの初めてだからテンション上がるわ。
例えが雑だけどテーマパークに来たみたいだ。
「にしてもうまく出来るかな……」
これから作ろうとしているのはなんとコンビーフ。
店で売られてるアレね。
アレ好きなんだけどさ、割と値段するじゃん?
で、調べてみたら自分でも作れるって話じゃないですか奥さん。
じゃあ折角だし作ってみようという事で今な訳ですよ。
まずはビーフジャーキーと同じく塩を揉み込み。
ついでにコショウも揉みこんで。
――何を勘違いしてるんだ? まだ俺の揉み込みのフェイズは終了してないぜ!
行くぜ肉野郎!!
ドロー!! ナツメグ!! ダイレクトアタック!!
ドロー!! オールスパイス!! ダイレクトアタック!!
ドロ――揉み込みのフェイズは終了するぜ。
ぬわぁんちゃって!! 追い込みで砂糖も揉みこませてもらうぜ!!
「ふぅ。満足」
脳内で熱き決闘が繰り広げられたところで、揉みこみ終えた肉をジップロックに移し。
野菜を刻むターンへ。
セロリ、玉ねぎ、人参を刻み、肉の入ったジップロックに相席食堂させまして。
赤ワインで水攻めに。
んで、揉みこんで、真空になる様にしながら封を締めて、一段落。
あとはコイツを前述通り五日から一週間ほど寝かせて完成。
とはいかないんだなこれが。
まぁ、次の工程に行くために五日掛かるって事で。
今夜のご飯はそうだな。
牛カツなんてどうでしょう? 中心がまだ肉の色を残したレアな揚げあがりの牛カツ。
絶対美味いでしょ?
というわけで牛カツを作るための活力を入れるお昼ご飯のご準備。
なお、肉を切り出して焼き肉のタレで焼いてご飯の上に乗せて目玉焼きを乗せるだけな模様。
もうこういうのがいっちゃん美味いんだから。
雑に作ったギュウニクカッコカリの焼き肉丼目玉焼き乗せ。
期待を裏切らない美味しさでした。
ご馳走さまでした。
*
洗濯、掃除。
それらを終えて、インスタントコーヒーを一人淹れ。
優雅に四人を待っていると、
「待たせたな」
魔法陣から四人が登場。
うん、マジャリスさん。
片目に眼帯付けてもっと低く渋い声で言って貰っていい?
あ、やっぱ大丈夫です。
「今日は何を作るんだ?」
ラベンドラさんが寄ってきたからね。
さっさと調理に入れって事らしい。
「今日は牛カツを作っていきますよ」
「カツ?」
「カツとな?」
「今カツと言ったか!?」
うん、反応速いね皆さん。
……そう言えば、とんかつもやったしエビカツもやった。
チキンカツもしたしで今のところ全食材でカツを達成してるのか。
……実績解除とかないかな? 全食材でカツを作る、みたいなの。
「今までのカツと、一風変わったカツをお見せしましょう」
少なくとも、今までのカツだと肉の色がそのまま残った奴は無かったはず。
だったら、映え的にも牛カツはいいのではないか?
「楽しみにしている」
と、ラベンドラさんの息が荒くなったのを確認して、作業へ。
と言ってもやることは今までと一緒。
下味付けて~、衣をまとわせ~、油で揚げる。
以上。
揚がったものがこちらになります。
とはいえ今までのカツよりも圧倒的に揚げ時間短いけど。
その分、揚げた後に肉を休ませてますわよ。
余熱で中までじ~くりと、ね。
「切らないのか?」
なお、ラベンドラさんは我慢出来ずにソワソワしている模様。
もう少しお待ちなさいな。
あなたエルフなんでしょう? エルフが時間なんて気にするなっての。
…………もういいか。
いざ、牛カツ入刀です。
ザクッという音と共に出てきた断面は、しっかり想像通りの色をしていて。
「おおっ!!」
見ているラベンドラさんが思わず声を上げるような見た目だったらしく。
「なんじゃ!?」
「どうしたどうした!?」
「何かあったのですか!?」
待機組の三人が、慌てて見に来るくらいには、ラベンドラさんの反応が気になったらしい。
……いや、違うな。
多分、この三人も待ちきれないだけだな。うん。




