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いぢめる? いぢめる?

「最高だった……」

「しばらくは夢に出てきますわね、あの味は」

「確認したが、栽培するために様々な管理をしているらしい。果たして我々で真似出来るかどうか……」

「出来ンだろ。多分きっと……恐らく」


 全員、メロンクリームソーダを堪能。

 あ、飲兵衛は即席メロンリキュールだっけか。

 現在はメロンの味を思い出しながらのティータイム。

 メロンの後に飲む、なんてことない紅茶が美味しいんじゃ~。


「厳重に管理された果物は他にもあるのか?」

「もちろんありますよ?」


 日本人でも驚くようなのが。

 高級フルーツの代名詞であるマンゴーが最たる例だけど、シャインマスカットやさくらんぼなんかはマジでびっくりする値段が付いてたりする。

 特にさくらんぼの佐藤錦なんかは、本当にさくらんぼの値段? と言いたくなるような代物だったり。

 

「……でも、実際に食べてみた後だから言えるのですけれど、こうして丁寧に栽培されたからこその味なのですわよね」


 見せたのはマスクメロンの紹介動画。

 その動画の中で語られた、栽培者のこだわりは。

 既に堪能した後だからこそ、納得感を持たせるもので。


「それこそ、我々で真似するならば栽培ギルドではなく、個人で研究して突き詰める必要があるだろうな」

「いくつかモデルを用意すれば、そっちの道に行く人物が現れても不思議じゃない」

「つっても最初からフルーツ一本で食ってけるようなもンじゃねぇだろ? 俺らが支援するか?」

「支援ありきで採算の取れない仕事をされても困りますわよ? 販路の確保と種の提供。必要最低限の支援で動いて貰えませんと……」

「いっそわしらでどこぞの古いダンジョンでも買い取って栽培するか? 下手な奴らに任せるよりよっぽど信頼出来るじゃろ?」


 ……作るの?

 メロンを?

 いや、確かに種は取ってあるけどさぁ。

 ……神様、そこんとこどう思う?


(ん~……まずそもそもが、わしの世界の土壌に合うと思えんのじゃよなぁ)


 初手詰みなのでは?


(そのまま植えれば、の話じゃ。まずは種か土壌をどちらかに合うように改良するところからになるじゃろう)


 詰みではないけど、初手から品種改良が必要なのか。

 ……ちなみに興味本位で聞くんですけど。


(なんじゃ?)


 仮にゴー君にこの種を任せたとして、成長します?


(………………………するはするじゃろ)


 なっがい沈黙の後、聞かされる衝撃の事実。

 ゴー君……君ってやつは。


(ただ、病気などには当たり前にかかるし、水やりなどの管理は必須じゃ)


 ゴー君任せは?


(奴にそんなノウハウ無いじゃろ。いやまぁ、何度も実際に育ててみせれば可能かもしれんが)


 ……なるほど。

 まぁ、庭でメロンを育てるは流石に無理か。

 家庭菜園の範囲を逸脱してるもんね。


「カケル、メロンの種を譲ってくれ」

「構いませんよ」


 俺が神様と話してる間に、どうやらラベンドラさん達は自分らでメロンを育てることにしたらしい。

 じゃあ神様からの言葉も伝えとくか。


「ラベンドラさん達の場所だと、土壌と種が合わないそうなんですよ。なので、種の改良か土壌の改良が必須だそうです」

「ふむ。……まずは魔力抜きを実施し、そこからは経過観察で進めていくか」


 そんな水のカルキ抜きみたいに言わないでも。

 でも、真っ先に候補に魔力抜きが出てくるって事は、結構当たり前の改良内容なのかな。


(魔力には属性があるからの。属性によって育つ植物が決まるんじゃ)


 あー……そう言えばそんな話あったなぁ。

 うちのゴー君が無属性って事で、持ち帰られようとしたんだっけ。


(ちなみに無属性の土があるのはわしの住むところだけじゃぞい)


 ……そこに誰かが辿り着ける確率は?


(完全に隔離された空間じゃからな。皆無じゃわい)


 だと思った。

 じゃないと、神様の地にピンポンダッシュかましてそうだし、リリウムさん達。


「よし。では持ち帰り料理だが……」

「またすり下ろしたのを渡してお好み焼きを焼きます?」

「話が早くて助かる」


 と言う訳で冷蔵庫にて傷心中のマンドラゴラさん、追加の出番ですよ~。

 大丈夫大丈夫、怖くないよ~。

 命までは取らないからね~。


「マンドラゴラが……怯えてる」

「恐らくだが、自衛の呪いが効かない存在に初めて会ったのだろう。どころか嬉々として触って体を切り落としてくる。そりゃあ恐怖も抱くというものだ」

「なまじ悪意が無いだけにたちが悪ぃな」

「あるのは食欲だけですものね」


 散々な言われようだな、俺。

 俺だってちゃんと心を痛めてるよ?

 それはそれとして美味しいんだもん、仕方ないじゃん。

 全ての食材に感謝を込める。それが俺に出来る精一杯。


「こんなもんですか」

「そうだな」

「んじゃお願いします」

「うむ」


 後はがやの声は無視し、ラベンドラさんにすりおろしをお願いし。

 俺の明日の朝ご飯分もすって貰って、残りを渡し。


「では、カケル。また」

「明日も飛び切りのデザート待ってるからな!」

「同じく」

「酒に合う料理で頼むわ」

「同じくじゃ~」


 紫の魔法陣に入る前に、思い思いの言葉を口にして。

 俺の家を後にする異世界組。

 ……明日、何作ろうかな。

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― 新着の感想 ―
そろそろ逆にラベンドラさん作料理ウィークを作らないと、カケルがガス欠起こしちゃいそうですね。 もしくは店屋物ウィーク。まあ宅配ピザたくさんとコーラとサイダーで満足してはくれそうですが。
いじめないで!ボク わるいマンドラゴラじゃないよというやつだな
被り無しで美味しい料理を毎日提供するのはとても難しい……。 マジでファイトですわよ。
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