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はいはい我のせい我のせい

 ……うま。

 え? なんだろうこれ……。

 すっごい美味い。

 ラベンドラさんから渡された異世界木の実の天日干し、確かに食感はおからでさ。

 でも、味はなんと言うか……あれだ!

 ホタテの貝柱の干物。アレをより甘辛く味付けしたみたいな味。

 知ってるうま味だったから脳内検索賭けてみたらヒットしたよ。

 ……てことはこの木の実から出汁を取ればホタテだしになるのか。

 ……じゅるり。


「美味いっすね」

「だろう? 味噌や卵黄が合うと言ったのも納得だろう?」

「ですです。俺的には出汁取って、塩ラーメンのスープとかに使いたい味ですね。もちろん、このままでも美味しいですけど」


 ホタテ出汁って聞くとね、どうしても塩ラーメンに意識が行っちゃうというか……。

 ほら、袋麺でもホタテ出汁!! って強くアピールしてる塩ラーメンとかあるし。


「……なるほど?」

「確かにラメーンのスープには合いそうだな」

「我々がパトロンになっているラメーン屋に渡すか? 俺の出汁を使った塩ラメーンを作ってみろ、とな」

「いい案だ。今もラメーン店は競合が増え続けている。新しいメニューの開発はいくつやってもいい」


 ……異世界でも、なのか。

 日本でもラーメン屋さんは入れ替わり激しいからなぁ。

 入れ替わりと言うか、新規参入が難しいような印象。

 続いてる所はかなり続いてるんだけどね。

 お、新しいラーメン屋じゃん、とか見つけても気が付いたら無くなってる印象があるわ。


「こっちのラーメンはサイドメニューも充実してますからねぇ……」


 ラーメンの味は一種類だけど、餃子にチャーハン、デザートはあるってお店の方が多い気がする。

 

「……例えば?」

「餃子は定番で、そこにチャーハン。餃子がビールに合うんでビールも置いてありますね」

「ふむふむ」

「デザートは!?」

「置いてあるところありますよ。プリンだったり、パフェだったり、アイスだったり」


 ……意外とデザートが思い浮かばなかった。

 でも、こういう系は置いてるとこあるよね?


「ラメーンで戦うのは当然として、サイドでも特色を出す、か」

「新たな生存戦略になりそうですわね」

「……『無頼』、今のメモした?」

「あン? そりゃお前の仕事だろ?」


 『夢幻泡影』どころか『無頼』アメノサ組も興味津々じゃん。

 ただいろんなお店が当たり前にやってる事を伝えてるだけだが?


「使ってるスープの濃さでチャハハーンや餃子の味を調整する必要がある」

「チャハハーンの味付けに『――』を使えばいいんじゃないか?」

「確かにあっさりながらも深みがある、それでいて強い旨味となればラメーンの味に負けないチャハハーンになるな」

「餃子の味付けもあっさりにすればいいと言うものでもありませんわよね?」

「そこも食べ合わせての相談だ。……戻ったら早速店主と打ち合わせだな」


 ……本気だ。

 ラベンドラさん達が本気の目をしている……。


「おかわり」

「はいはい」


 アメノサさんに言われ、ご飯をよそっていた時……。

 ふと、とんでもない事を思い出す。


「あ」

「?」

「どうしたカケル?」

「……ナンデモナイデス」


 言えねぇ。

 神様から渡されたワインを熟成させっぱなしだった、なんて。

 神様も言ってくれないし……。


(なーんも言わんからてっきり熟成が終わってないのかと思っとったぞい?)


 本当に申し訳ない。

 今日、異世界組が帰ったら奉納しますから……。


(まぁ、その分熟成が進むってもんじゃよ。構わん構わん)


 ……あの神様が、ワインに関連することを忘れてたのに怒ってない……だと!?

 明日は大雨か?


(梅雨入りはしとるらしいのぅ)


 クッ。それもこれも全部乾巧って奴の仕業なんだ。

 絶対に許さねぇ、ドン・サウザンドォッ!!


(関係ない)


 神様にも一蹴されてしまった。

 ……さて、


「どうぞ」

「ん」


 ご飯をよそってアメノサさんに渡し、俺の茶碗のとろろご飯を掻っ込んで。


「ご馳走さまでした」


 いやぁ、食べた食べた。

 みんなほど多くは食べられないからね。

 お茶碗二杯でも大健闘ですわよ。


「もういいの?」

「俺にしては食べた方ですよ」


 とろろ汁で若干流し込んだ感が否めないけど。

 だからこそ普段よりも食べられた説。


「なるほど」

「皆さんは俺に構わず食べていいですからね」

「……みんな、手、止まってない」


 知ってた。

 と言うか、今更俺の食事量に合わせる人たちじゃあないって俺も知ってる。

 今の内にデザートの準備でもしておくか。


「カケル、味噌汁のお代わりはあるか?」

「もちろんありますよ」

「私もお代わりですわ!」


 デザートの……準備を……。


「カケル、温泉卵はもう無いのか?」

「刻み海苔も追加で欲しい」


 デザートの……。


「やっぱ酒が欲しいのぅ……」

「だな」


 準備……出来た……。


「果物ゼリーたちだな」

「今から楽しみですわね」

「デザートを見てると食事が捗るな!!」


 ……マジャリスさんだけだと思いますよ、それ。

 普通の人はケーキ見ながら白米食べませんからね。


「カケル! デザートお代わり!!」


 ……落ち着いて聞いてください?

 あなたはまずデザートを食べていません。

 そして、お代わりも何もデザートは見えている分で全部ですからね?

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― 新着の感想 ―
マジャリスちゃん先生をおかあさんと呼んじゃうやつかと思ったら違ったw ただの先走りだったw
待たせた神様にチーズとか定番つまみも渡したら喜びそう??
熟成ってのはようは変質だからやり過ぎても台無しになるんやで? いわゆる「飲み頃」を過ぎると風味が落ちたり酸味が強くなったりするんですぜ。
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