表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
589/782

好みの変化()

「満足☆」

「そりゃあよござンした」


 ……アメノサさん、果たしていくつシュークリーム食べたんだ?

 ひぃ、ふぅ、みぃ……いや、やめといてあげよう。

 ……一個当たりのカロリーを理解したら悲鳴上げそうだな。


「美味かった」

「シュークリームと言っても色々とあるんですわね」

「まぁ、一番ベーシックなのはカスタードクリームのやつですけどね」


 今日出したやつ以外で行くと、バニラシューとか、そもそもシューアイスとか。

 そういや、コンビニで中身がプリンのシュークリームとかもあったな。

 あれ好きだったんだよな……。


「あとは、クロッカンブッシュなんて言うのもありますね」


 某海賊漫画で知名度爆上がりしたと思うんだ、クロッカンブッシュ。

 

「どういった代物だ?」

「小さい目のシュークリームを、飴や蜜、キャラメルなんかで固めてタワーにするんです。お祝いの席とかで出されるみたいですよ?」


 改めて思うけど、どうやって食べるんだろ?

 まさかそのままかぶりつくなんてことは無いだろうし……。

 まぁ、ナイフとフォークで切り分けるのかな。


「ラベンドラ!」

「ラベンドラ☆!」

「こっちを見るなこっちを」


 マジャリスさんとアメノサさん、ラベンドラさんにクロッカンブッシュを作れって迫ってるわ。

 ……作れるのかな?


「すぐには無理だ」


 いけるっぽい。

 このラベンドラ凄いよぉ! 流石『夢幻泡影』のコックさん!!


「……ふむ」

「どうしたんじゃ?」

「次のカクテルの大会の日、我々以外はほとんどが貴族か王族だろう?」

「ですわね」

「そこにクロッカンブッシュを持って行けば、かなりインパクトがあるのでは?」

「俺らの国ではこうして新しい作り方で出来た酒の大会を催し、このようなスイーツも作れるぞ? と、他国に自国の力を見せつけるいいやり方ではある」

「一応ソクサルムに確認ですわ。もしかしたら止められるかもしれませんもの」

「諸手あげて喜ぶだろ、アイツなら」

「邪悪な笑みを浮かべる」


 『無頼』さんにアメノサさん、相変わらずソクサルムさんとやらを信用してないな。

 何しでかしたのやら。


「よし、カケル」

「持ち帰りの料理ですね」

「ああ!」


 と言う訳でデザートタイムを終え、持ち帰りの料理へ。

 ……と言っても、


「普通にドラゴン肉バーガーですけど……」

「無論構わん」


 許可も取れたので早速作りましょ。

 まずはドラゴンの各部位を薄切りにしまして……。


「カケル、ゴーレムにやる星晶塩はこれくらいか?」

「聞いてみますね」


 スマホくらいのサイズの星晶塩を渡され、それを持ってゴー君に確認。


「これくらいでいい?」

「ンゴンゴ!!」

「満足みたいです」

「うむ」


 ゴー君の体内に星晶塩を置いたら、薄切りの続き。

 そしたらそいつらを焼いていくんだけど……。

 冷蔵庫の奥にプルコギのタレを見つけまして……。

 もうすぐ賞味期限切れちゃうって事で、こいつで味付けしていきましょ。


「からしマヨ、野菜、共に完了だ」

「ありがとうございます」


 パンにからしマヨを塗り、レタスは千切ってトマトは輪切り。

 それらを並べるって作業を、ラベンドラさんが一人でやってくれました。

 そしたら後は焼けたドラゴン肉を並べまして……。


「状態保存魔法、だな」

「ですね」

 

 ドラゴン肉が元に戻らないようにして貰えば完成っと。

 結局楽なバーガーが持ち帰り料理には安定してるよ。

 味も安定だしね。


「ではカケル、また」

「明日も楽しみにしてますわ!」

「また、デザート。美味しいの」

「あんまり言ってるとまた弾かれンぞ」

「今日みたくビールがあると嬉しいぞい」

「楽しみにしている」


 持ち帰りのバーガーを持ち、紫の魔法陣を潜って帰る六人。

 ……さて。

 明日は何を作ろうかな……。



「シュークリームバベル?」

「そうだ。作ったシュークリームを蜜や飴で固めて塔を作る」

「それを大会の審査員席の近くに並べておくんですわ」

「……まぁ、構いませんが」


 クロッカンブッシュを審査員席に並べるという『夢幻泡影』の提案を、ソクサルムはしばし考えて許可を出した。

 もちろん、意図は理解しているし、それによって他国へどのような影響が出るかも計算済み。

 ……ではあるのだが。


(正直、問題はそれを作れる料理人がどれほど居るか、という点。下手をすると『夢幻泡影』の方にも手が伸びかねません)


 懸念はある。

 とはいえ、『夢幻泡影』自体、他国にどうこう出来るような存在ではないし、例え他国の勧誘になびき、ニルラス国を離れることになるならば、そこはそれ。

 打つべき手などいくらでも用意してある。

 むしろそちらよりも、


(材料費の高騰、その他、様々な食品関連の高騰が予想されます。……農業ギルドなどには今の内から備蓄をと通達するべきですかね)


 シュークリームバベルなる料理の提供。

 その影響で、新しい料理の開発合戦が勃発しかねない。

 そうなった時、真っ先にダメージを受けるのは細々と営業をしていた店になるわけで。

 そこらがバタバタと店を畳む事態になれば、国内で混乱が起きる可能性も出てくる。

 その程度で衰退するような国力ではもちろんないが、そこを他国に付け込まれないとも言い切れない。

 

(杞憂であればよし、もし実際に起こっても、備えてあればある程度のダメージコントロールは可能)


 そう考えたソクサルムは、各所へと通達する書類を作成しようと歩き出すと……。


「ちなみに規模の小さいシュークリームバベルを作ってあるが……食べるか?」


 動きを止めるような事を言いだす『夢幻泡影』。

 そして――誰か達のせいで働きづめだった脳みそに、クロッカンブッシュの甘さが染みわたった結果。

 ソクサルムの好みが、甘いもの、とお酒、になった事は本人だけが知っている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
そのうち酒を片手にぼた餅搔っ食らうようになるんだ そんでたまにイカフライやレンチンしたチータラパリパリ食べながら蔵出しの酒粕で作った甘酒をぐびぐび飲むんだ
『無頼』さんにアメノサさん、相変わらずソクサルムさんとやらを信用してないな。 何しでかしたのやら。 アメノサちゃんと無頼さん……その人目の前の夢幻泡影って人達から働かされてクソがっ!!とか言ってるよ…
……アメノサさん、果たしていくつシュークリーム食べたんだ? ひぃ、ふぅ、みぃ……いや、やめといてあげよう。 ……一個当たりのカロリーを理解したら悲鳴上げそうだな。 ぶっちゃけあの世界の過酷さ考えたら…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ