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見りゃわかんだろ

「今日は酒なんじゃろうな?」

「デザートだろ」


 ……こう、毎度どっちが論争はやめて欲しいなぁ。

 と言うか、ガブロさんはさんざんビール飲んだでしょうが。

 これはキレがあって喉越しがいい、とか、香りが華やかで飲みやすいとか、日本のビールのメーカーのを飲み比べしてた癖に。

 その上でまだ酒が欲しいだなんて、翔さん許しませんよ。


「今日はデザートですよ。アメノサさんへの持ち帰り用に多めに買って来てたんですけど……」

「私はここにいる」


 あなたはそこにいますか? ……ダメだ、俺のトラウマが蘇っちまう……。


「なので、普通に食べるだけですね」


 と言う訳で本日のデザートを公開。


「……シュークリームか」

「色々買って来てみましたよ」

「……?」


 既に食べた事がある『夢幻泡影』は、デザートが何かを一発把握。

 対して食べたことが無い『無頼』さん達は首を傾げておられる。

 

「ふわりとした生地にクリームを詰め込んだスイーツだな。紅茶との相性がいい」

「もちろんご用意しました」


 いつものテトラパックのアレだけどね。

 あれが一番コスパいいもんだからさ。


「この生地が茶色いのは?」

「ショコラ生地のやつですね。チョコシューとティラミスシューだったはずです」

「知らない食べ物のはずなのに美味しそうに感じる……」

「まぁ、カケルが用意したものだからな。実際美味い」

「と言う訳で食べましょう」

「「おー!!」」



「やはりオーソドックスにカスタードから!!」

「ちなみにクッキーシューも買って来てますからね~」

「後で食べる!!」


 まず皆が手を伸ばしたのはシンプルなカスタードシュー。

 ホイップとかも入っていない、カスタードクリームだけのやつね。


「うま!☆ うま!!☆」

「分かった、分かったから……。がっつくなよ。口ン周りクリームだらけだぞ……」

「うまー!!☆」


 ……俺は初めて、マジャリスさん以上にはしゃいでる異世界の生き物を見たかもしれない。

 あれかな……お預けを続けられるとああいうふうになっちゃうのかな……。


「表面だけパリッと、それ以外はしっとりとした生地」

「中のクリームからはしっかりと卵の味が感じられますわ」

「甘すぎるわけではなく、しっかり生地と調和する甘さのギリギリに調整してある」

「カケルー、わしにはコーヒーを頼むぞい」


 見てみなよ。

 一度味わって余裕が出来てるマジャリスさん達を。

 初めて食べた時に比べたらまるで別人だぜ?


「クッキーシューって言うのは!?」

「外側の生地にクッキー生地を使っていて、サクッとした食感と香ばしさが追加されています」

「食べるっ!!」


 ……今まではマジャリスさんが末っ子ムーヴしてたんだけど、こうしてみるとアメノサさんが一番末っ子っぽいんだよな。

 いやまぁ、実年齢で考えたら絶対にそっちの方が正しいんだろうけど……。

 でもなぁ、マジャリスさんのおこちゃまイメージがどうも離れないんだよなぁ。


「ティラミスと言うと、チーズとかと合わせたスイーツだったな?」

「ですね。クリームにクリームチーズも混ぜて再現してあるみたいです」


 『夢幻泡影』が次に手を伸ばすは、ティラミスシュー。

 チョコを練り込んだシュー生地に、コーヒークリームとクリームチーズを詰めた一品。

 コーヒークリームのほろ苦さと香ばしさ、クリームチーズのコクの相乗効果と、生地のチョコの働きでよりティラミス感がアップしてるとかなんとか。


「美味いな」

「少しだけ舌に乗るチーズの酸味がいいアクセントですわね」

「生地も焼き上がりが完璧だ。焦げもなく、水分が失われ過ぎていない。チョコを混ぜるとその辺が難しいというのに……」

「美味いのぅ」


 当然のように好評と。

 さて、『無頼』アメノサ組はいかがかな?


「クッキーシューの方がクリームの甘さが強い。口の中にどれくらい生地が残るかを計算していると思う」

「この歯が突き刺さる瞬間のサクッていく感覚が癖になンな。うめぇわ」


 めっちゃクッキーシューを堪能していらした。

 ってマジか? 生地が違うからってクリームの甘さとか変えてるのか?

 ……やってそう。だって日本人だぜ?

 やるかやらないかで言えば圧倒的にやるだろ。

 これが大量生産のシュークリームとかなら分からんでもないんだけど、何を隠そう今日買って来たのはシュークリーム専門店だからな。

 こだわりあっての専門店。であれば答えは一つ、やってる。


「ダブルシュー?」

「中にホイップとカスタードが入っているんですよ」

「ふむ」


 習うより慣れよ、悩むより食えよ。


「ホイップの軽い感じとカスタードがかなり合いますのね!」

「二種類の甘さが良く調和している」

「……カスタードギッシリの方がいい」

「食べた感じはこちらの方が軽い。それを好む者達もおるじゃろうて」


 カスタード愛好家はまぁ、ホイップ不要論者もいるだろうけども。

 美味しいと思うんだよね、ダブルクリームシュー。

 カスタードだけだとずっしり来る場合があるしさ。

 こだわってるなら尚更。

 そこにホイップが入ると、幾ばくかは軽くなる感じがする。

 ……ただし、ホイップも重いって考えは無視するものとする。


「レモンクリーム?」

「チョコシューもいいな」

「まんまクリームチーズってのも気になる」

「苺シュー!!」

「わしゃもういいわい」

「同じく。俺の分はアメノサが食え」


 はい、突然ですがここで問題です。

 この『無頼』さんの一言がこの後嵐を巻き起こします。

 何故でしょう。

 ――正解は、


「ではガブロの分は俺が」

「私が貰いますわ」


 ガブロさんの分を二人のエルフが取り合ったからでした。

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― 新着の感想 ―
ファスナーネタなタイトルが変わってる……だと…
実年齢の話しをしだすと多分末っ子はカケルになるような。 すごく良くできた末っ子ですわ。
なんか尻尾ブンブンしてるアメノサさんが幻視できた、毛が飛び散るからやめなさい?
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