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違うのか……

「カッチリしたタイプのプリンか」

「ですね」


 豆乳プリンにしては珍しいと思う、オールドタイプのプリンって言うの?

 こう、アンティークな喫茶店とかで出されるイメージの、しっかり固いプリン。

 そんな感じの仕上がりになったんだよね。


「これ単体でも香ばしさや甘さのバランスが素晴らしいな」

「ですよねぇ」


 ラベンドラさんとプレーンの豆乳プリンを食べながらしみじみ。

 ちなみに視界の先ではリリウムさんとマジャリスさんが黒蜜の取り合いをしておられます。


「かけ過ぎですわ! 皆に行き渡るよう使う分量を考えなさい!!」

「どうせガブロや『無頼』は黒蜜を使わないだろ!! その分も俺のだ!!」

「私のですわ!!」


 ……平和だねぇ。


「スッキリしてて甘いのに口の中がベトベトしねぇな」

「きな粉をかけたか? コクが増して日本酒に合うぞ」


 ちなみに飲兵衛たちの会話ね。

 豆乳プリンを一口食べて日本酒をチビリ。

 豆乳アイスを一口食べて日本酒をチビリ。

 俺じゃあ絶対にやらない事をしてらっしゃるよ。


「まぁ、きな粉も黒蜜もお餅にかけたりしますし、材料が同じ日本酒なら合うでしょうけれど……」


 どっちも米だしね、お酒もお餅も。

 

「個人的にはカクテルの方が良かったが、こうして食うなら別にデザートでもいいもんだな」

「結局酒があればご機嫌じゃわい」


 こう、飲兵衛って強いなぁって。

 というか、甘いものもツマミになる酒のポテンシャルが高いのか。

 やはり酒、アルコールは全てを解決する……。

 するか? どっちかというと問題から目を背けさせるだけのような……。


「黒蜜をかけるとトロリとした甘さが追加されてかなり美味い」

「豆の香ばしさと合うんですよねぇ、黒蜜って」


 わらび餅とかね。

 きな粉と黒蜜で食べていると言っても過言ではない。

 そういや、そろそろ売られ始める時期かな。

 ……そういや去年、水信玄餅を作ってスライムとか驚かれたっけ……。

 アレ、アメノサさん達にもやりたいなぁ。

 こう、材料変えて色付けたりしてさ、新種のスライムがーとか言ったら驚きそうじゃない?

 ……やるか。


「そう言えばカケル」

「? どうしました?」


 俺がイタズラを考えていると、ラベンドラさんが声を掛けて来て。


「ブレス液、どれくらい必要だ?」


 その内容は、明日使うと言ったドラ墨の量のお話。

 う~ん……多分、そんなにいらないんだよなぁ。

 

「少々お待ちください」


 立ち上がり、ドラ墨を入れるための容器を探して……。

 これでいいか。

 と、持って来たのは、一時期やってたプロテインドリンク置き換えダイエットで使っていたシェイカー。

 横にメモリ書いてあるし、結構な量入るし。

 これに満タン入れて貰えば、一食分くらいには全然足りそう。


「これにお願い出来ますか?」

「ほぅ……」


 いや、あの……ほぅ、じゃなくてですね?

 これにドラ墨を入れてくれとお願いしたわけで……シェイカーを観察してくれと言ったわけでは……。


「これは何用なんだ?」

「……まぁ、用量を測って使う入れ物ですね」

「ふむふむ」


 う、嘘は言ってないもん。

 いやだってさぁ、正直にプロテインドリンクを作る時に~とか説明しても伝わるか分からないし……。

 そもそもプロテインが異世界にあるのか不明だし……。

 興味出て来たな、試しに呟いてみるか。


「プロテイン」

「筋力増強の魔法がどうかしたのか?」

「ちょっとくしゃみが」


 魔法なんだ……プロテイン。

 というか、筋力増強なんだ。

 意外とこの世界に似ているんだな、異世界って。


「よし、こんなものだろう」

「ありがとうございます」


 で、渡したプロテインシェイカーにはこれでもかってくらいドラ墨が詰められましたとさ。

 ドラ墨って言ってもあれよ? サラサラしてないよ?

 実際の墨よりさらにドロッとしてると思う。

 こう……〇〇の素とかでパウチに入ってるやつあるじゃん? 水に溶かす奴。

 あんな感じ。

 ――ハッ!?


「ちなみにラベンドラさん」

「? なんだ?」

「このブレス液は……再生とかしませんよね?」

「しないな」


 ……よし。

 使っても無くならない調味料かもと思ったけどそんな事はないらしい。

 ホッとしたようなちょっぴり残念なような……。


「よし、そろそろ持ち帰りの料理を作ろう」

「……そうですね」


 みんなデザート完食したしね。

 ちなみにマジャリスさんとリリウムさんの黒蜜争奪戦、結果はラベンドラさんの勝ちでした。


「俺らの分だけは残せよ?」


 と、俺とラベンドラさんの分を残すように言った瞬間、争いはピタリとやみました。

 ……二人分も黒蜜残ってなかったし。

 で、俺とラベンドラさんは笑いながらそれぞれ黒蜜を取り出しまして。

 二人が何かを言いそうになるのを満面の笑顔で黙らせ、自分の分に黒蜜を使用。

 またそれぞれ収納して食べましたとさ。

 どうせそうなると思って黒蜜は別に確保しておいたのだ。

 しかも四人分。あの二人が使い切るだろうって。

 何なら、マジャリスさんが黒蜜を飲むまで予想してたからな。

 これ、傾向と対策ね。


「持ち帰りにはラビオリを作ろうと思う」

「ピザトーストじゃないんですね」


 さっきそんな話してたからてっきりピザトーストに決まったもんだと思ってたよ。

 ラビオリ……中に具材を包んだ四角いパスタだよね?


「結局はカケルの食材を使うことになってしまうからな。私はワインだけ用意してくれと言ったんだ。……先程パンを提供させてしまいはしたがな」


 気にしなくていいのに。

 ちなみに、ラビオリに包むのはもちろん?


「中身はブレス液だな」


 ですよね。


「手伝います」


 明日の美味しいお昼ごはんの為に。

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― 新着の感想 ―
そういえば、おはぎを日本酒のつまみにする人も居るみたい…
酒呑みって何かカッコイイのが狡いよなあ 実際はジャンキーと変わらないのにな タバコ呑みにも言えることだけども
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