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『そんなこと』

「魔法陣は問題なく私達を通していますし、『無頼』も通って来てますもの。不具合などではありませんわね」

「……あまり言いたかねぇが、この場所でのアメノサの振る舞いが悪すぎて、神様がこの場所に来るアメノサだけを弾いたとかじゃねぇのか?」

「アメノサの振る舞いについてはあえて聞かないでおこう。知ってしまえば敵と認識することになるかもしれん」

「国交を持つ相手の丞相を暗殺したとなれば色々と立場が危うくなる」


 後半の物騒な話は全部無視だ。

 僕は何も聞いてません。


「戻ったら、俺はどやされるンだろうなぁ……」

「無視すればいいではありませんの」

「そうは言っても……まぁいいか」


 いいのかよ。

 まぁ、この場に居ない人の事を考えてもしょうがないか。


「さて、カケル、鍋を借りるぞ」

「あ、はい」


 そんな事より、ラベンドラさんが調理を始めますわよ奥様。

 もちろん異世界食材での調理。

 一体どんな料理を作ってくれるんだろう。


「まずはパスタを茹でる」

「ふむふむ」


 鍋に水を張り、火にかけて。

 塩とオリーブオイルを垂らし、沸騰させる。

 その間に茹でるパスタを確認すると……。


「へー……」


 あの……名前知らないけど、蝶々型のパスタ。

 ペンネじゃなくて、マカロニじゃなくて……スマホ! 助けて!!

 ……ファルファッレって言うのか。聞いた事無かった、初めまして。


「茹でながらソースを作っていくぞ」

「ふむふむ」

「使うのはコイツだ」


 とフライパンにぶちまけられるオレンジ絵具。

 いや、食材の表現として間違ってるかもだけどマジでそうとしか見えないのよ。

 油なのか妙にテカってるし。


「一応説明を……」

「こいつはドラゴンの墨だ」

「……墨?」


 速報、異世界のドラゴン、墨を吐く。

 なんてね、これ多分翻訳魔法さんの誤訳だな。

 俺くらいになると翻訳魔法さんがちゃんと翻訳してるかどうかわかるんだ。

 そして翻訳魔法検定三級を持っている俺からすれば、この翻訳はあってるか不安になりながら翻訳したものに違いないってわけ。

 ……多分。


「ドラゴンはブレスを吐くが、あのブレスは一から魔法で作り出しているものではない。このドラゴンの墨に火属性を付与し、口から出た瞬間に爆発して炎のブレスとなるような魔法が組まれている」

「……なるほど?」

「正直かなり魅力的な研究材料ではあるのだが、興味本位で舐めたら物凄い旨味でな」

「……いいんです?」

「味も研究に関わる大事なデータだ。……と言い聞かせている」


 いいのかなぁ?

 いや、俺としては食べられれば、そして美味しければいいんだけどさぁ。

 ラベンドラさん、異世界の研究者達から非難轟々の行為をしてない?


「このドラゴンの墨を赤ワインで伸ばし、塩コショウなどで味を調えてパスタと絡める」

「……ドラ墨パスタ?」

「そのネーミングを頂こう。今日の料理はドラ墨パスタだ」


 採用されちゃったよ……。

 そしてあれだな、翻訳魔法さんのドラゴンの墨って翻訳。

 多分この料理名に行きつくことを想定しての物だな。

 俺には分かる。


「具材はどうします?」

「玉ねぎとベーコン、仕上げにパセリを振りたい」

「かしこま」


 言われた具材をテーブルに用意、他の四人は何してはるんやろ?


「弟が言うにはこの装置はこっちにあった方が都合がいいらしいんじゃが……」

「それはドワーフ由来の身長の低さからでしょう? それを標準にしてしまうとエルフはもちろん、人間も腰を痛めますわよ?」

「ある程度動くようにして、自分でカスタマイズ出来るようにするとかは?」

「コストがかさむだろ。アメノサから、力が無い奴でも動かしやすくしてくれって要望出てたぞ」

「鍛えろの一言過ぎるわい」


 ……多分、魔道具の設計案かな。

 みんなで意見を言い合ってる。

 もうちょっと放置してて大丈夫か。


「茹で上がったパスタをソースに絡め、この時点でタバスコを振ろう」

「あー……合いそう」


 ソースの匂いがさ、もう凄いの。

 コンソメスープとかビーフシチューとかの類の匂い。

 あくまでそれっぽい匂いで、まんまそれらの匂いってわけじゃないんだけど。

 でも、俺の脳は叫ぶ。タバスコは合う、って。


「絡めてすぐではなく、少しだけ時間を置く」

「その心は?」

「味が染みる」


 じゃあ滅茶苦茶大事だな、待つ。


「その間にサラダを作ろう」

「お、いいですねぇ」

「簡易なやつだがな」


 と言って取り出したるは涙目のマンドラゴラ達。

 喉に当たる部分を切られてるのか、涙は出ても声は出てないみたい。

 ……そんな目で見つめないでくれ……。


「よっと。……? どうした? カケル」

「ナンデモナイデス」


 縋るような目で俺を見ていたマンドラゴラは、ラベンドラさんがとどめを刺しました。

 南無。食べる時にはちゃんといただきますって言うから、成仏してくれ。


「よし、出来たぞ」

「……サラダ?」


 疑問が出たのは当然だと思う。

 出来たとか言ってお出しされたサラダ、真ん中に真っ白い何かが鎮座してて、その周囲にトマトやらレタスやらが綺麗に並べられてるんだもん。

 というかこの真ん中の白いのいず何?


「食べよう」


 なお、特に説明無くテーブルに運ばれる模様。

 パスタも気が付けばお皿に盛られてるし……。

 いやあの……せめて何なのかだけでも教えて……。

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― 新着の感想 ―
味もみておかないと潜入工作員に「で、味は?」って問い詰められるからね、仕方ないね。
「無頼」さんはきっとアメノサさんを止めてたんだろうな。脳筋タイプではあるけど頭の回転や洞察力はむしろ良い方だし、モラルや良識もある程度備えていそうな感はあるし。 ただ、面倒になって投げ出すことも多そう…
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