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デデンデンデデン

「飲めば飲むほどうめぇ!!」

「それは良かった」


 あの後、『無頼』さん、ビールにドはまりしちゃったよ。

 米食うよりビール飲んでるんだもん。

 俺だけで楽しむ様にと六本セットの奴を買って来たけど、これじゃあ『無頼』さん一人で全部飲んじゃうことになるな。


「これ、俺らの国でも作れねぇか?」

「出来るんじゃあないか?」

「うちの醸造ギルドがレシピ研究をしとるはずじゃぞ?」


 なんて説明中。

 あれ? 作り方教えたっけ? と思いはするものの。

 異世界もの創作物でもエールはあるし、きっとそう言う事なんだろうな。

 まぁ、エールじゃなくラガービールなんだけど。

 具体的に何がどう違うかは俺は知らないんだよな。

 

「喉越しが良くてキレがある。肉の脂やうま味もとことん合いやがるし……」

「甘くなく、適度に苦いのが食中酒に最適ですよね」

「それな!!」


 最近じゃアルコール分が控えめなビールや、苦みを全面的に推したビールなんかも出てるし……。

 クラフトビールもものすごい数あるし、その辺飲み比べさせてお気に入りの銘柄を見つけさせるのも面白そうだ。


「〆にサラダを作ろうと思うが欲しいやつは挙手」


 ラベンドラさんからの素敵提案に全員が挙手し、ドラゴンBBQの〆はマンドラゴラサラダになりました。


「リボーンフィンチの卵、茹で卵にしてサラダに乗せます?」

「採用」


 へっへっへ。

 ……ゆで卵、さ。

 ふと思ったんだけど、ゴー君なら一瞬で出来たりしない?

 ちょっと聞いてみよう。


「ゴー君」

「ンゴ?」

「この卵、ゆで卵に出来る?」

「ンゴ―」


 やりたくない、か。

 てことは出来ないわけではないんだね?

 となるとやりたくなるような報酬を用意すればいいのか……。


「異世界ピーナッツの殻あげるから」

「ンゴンゴ」


 足りないか。


「卵の殻もあげる」

「……ンゴ」


 もう一息。

 でもあげるものイマイチ思いつかない……。

 待てよ?


「……明日とびっきりの土をあげよう」

「ンゴッ!」


 交渉成立。

 とびっきりの土とは有機肥料の事。

 今まで腐葉土と抗菌土、液体肥料しか知らないゴー君にとってはきっと素晴らしい体験になると思う。


「ン~~ゴ!」


 調理はゴー君くるりんぱ。

 と言う訳で一瞬でゆで卵(殻なし)の完成です!

 ……電子レンジで作った時みたく、割った瞬間爆発とかしないよね?

 大丈夫だよね?


「スライスして乗せるか? それとも潰すか?」

「スライスにしましょ」


 俺の心配をよそに、風魔法で均等にスライスされたリボーンフィンチのゆで卵。

 それをサラダの一番上に盛り、最後にラベンドラさん特製のドレッシングをかけまして……。


「カケル」

「はい」

「粉チーズを頼む」

「かしこま」


 粉チーズをトッピングすれば、完成!

 締めサラダ!!


「いただきます」


 と宣言して早速パクリ!

 そのお味は……。


「うま」


 BBQと酒で火照った体に野菜の瑞々しさが染みわたるンゴねぇ。

 使われてる野菜たちはレタス、トマト、人参に大根。

 レタスは千切って、トマトはくし切り、大根と人参は千切りのなんの変哲もないサラダ。

 ただし、それらの材料は全てマンドラゴラであるものとする。

 レタスの軽い歯ごたえと瑞々しさに、人参のほんのりした甘さと大根の少しだけピリッとした辛みがプラスされ、ラベンドラさん特製ドレッシングが全体を包み込む。

 サウザンドレッシングに近いそれは、けれどもどこかワサビのようなツンとした刺激が一瞬香り。

 僅かにある野菜のエグさを完全に吹き飛ばし、後に残るのは野菜の甘みや苦み。

 その苦みはかけられた粉チーズのコクと調和され、決して苦すぎると感じるような事はなく。

 トドメにくし切りのトマトを口に含めば、ジュワッと広がる水分と出汁。

 食事の前に食べる、胃に敷くサラダではなく。

 文字通り締めとして食べたいそんなサラダが。

 ……今まさに俺の手元にある。


「ふー……最高」


 ほぼノンストップでサラダを食べ終えた後、深呼吸で呼吸を整え。

 ビールを飲んでほんのり回ってきた酔いを、冷たい麦茶で誤魔化して。

 いやぁ……ドラゴンBBQ美味かったな。

 もちろん大満足ですわよ。


「このドレッシングうめぇな」

「教えんぞ?」

「ラベンドラ特製ですもの。この味に辿り着くまでに結構な数の試作を繰り返していましたのよ?」

「じゃあそっちの試作品のレシピをくれよ」

「そっちならば構わん。未完成だしな」

「ふぅ。ドラゴン皮の後処理しとくぞい」

「頼む」


 『無頼』さんがラベンドラさんにドレッシングのレシピを尋ねながら、ガブロさんは鉄板代わりに使っていたドラゴン皮のお片付け。

 何をするんだろうと思ったら、恐らくは油であろう液体を染み込ませた布で、ドラゴン皮を拭いていく。

 

「ガブロさん、それは?」

「ん? ああ、こいつか」


 当然気になるので聞いてみると、


「『ジライヤ』の油じゃな。皮を絞ったら出てくるんじゃが、こいつが結構面白い性質を持っておってな」

「ほほぅ?」


 ガマの油なんて、とりあえずは何かしらで聞いたことがあるアイテムの定番。

 果たしてどんな効果なのか……。


「火属性の身体の修復に役立つんじゃわい」

「……?」

「雑に言うとじゃな、ドラゴンの腕を落としたとする」

「はいはい」

「その落とした腕と同じ質量の『ジライヤ』の油があれば、即座に再生するぞい」


 ……そうはならんやろ。

 てことは何? 火属性限定の万能蘇生細胞って事?

 ス〇ップ細胞は(異世界に)ありまぁす。


「カケルが火属性ならばのぅ」

「たとえ火属性でも、蛙の油で蘇生はしたくないですかねぇ……」


 絵面的に。

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― 新着の感想 ―
ゴー君も徐々にグルメになってきてる
「カケルが火属性ならばのぅ」 つまり、バーニングカケルママって概念??なんか燃えてるカケルママ…(^-^;
「じゃあそっちの試作品のレシピをくれよ」 「そっちならば構わん。未完成だしな」 別の発想なドレッシングになりそうだからラベンドラさん的にもWin-Winな感じ??
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