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溶ける……

「ここらで野菜を挟むぞ」


 と言いながらドラゴン皮の上に肉厚のシイタケをゴロンと転がすガブロさん。

 いいねぇ、いいねぇ!!


「バターと醤油を一回しだ」

「ほれ来た」


 ちなみにシイタケの隣でもやしのバター焼きも作ってる。

 もちろん両方ともドラゴンの肉から出た脂をたっぷり絡められてるって言うね。

 不味いはず無いだろ!! それが!!


「ほれ」


 で、焼けたら手元に滑ってくるスタイル。

 これいいね、手を伸ばして取る必要ないもん。


「うめぇ……キノコがご馳走だぜ……」

「肉厚ジューシィで、脂との相性も凄いですわ!」

「俺は食べる前にレモン汁をちょちょいと」

「ズルいぞカケル! 俺にもレモンを!!」


 シイタケにはな、レモンなんじゃよ。

 

「ん~! 美味い!!」

「酸味でさっぱりとするな!」


 っぱキノコにはレモン汁よ。

 これだけは譲れないね。


「エンドウも焼けたぞい」


 と、お次は本日の緑担当のスナップエンドウがスーッと。

 これも美味いんだよなぁ。


「いよいよ首肉を焼くかの」

「一番高級な部位だ」


 ふむふむ。

 ……んでもさ、どうせドラゴン肉ってだけで高級なんでしょ?

 だって、食べつくさない限り無限に再生するじゃん。

 つまり、初期投資だけで半無限に食材として使えるなら、そりゃあ値段跳ねあがるよね、と。


「味付けはどのソースじゃ?」

「私の一押しは醤油にワサビだ」

「ほう」

「へー」


 言うよね、牛肉に一番合うのはワサビ醤油って。

 でもそれって結局日本人の感想ですよね?

 というか、米食うおかずの正解って感じですよね?

 ところが、これ言ってるの、異世界のエルフなんだよな。

 つまり肉にわさび醤油はグローバル認識でOK?

 ……異世界ってグローバルの定義に含まれるのかな?


「んじゃあまぁ、焼けたら各自付けて食うんじゃぞ」

「「はーい」」


 普段はさ、俺やラベンドラさんが親鳥というか、お腹空かして口開けてるリリウムさん達に料理を提供してるわけだけど。

 今日はガブロさんが親鳥役なわけで……。

 こう、普段料理しないけど、会社が休みの日の昼にだけご飯作ってくれる親父感があっていいな。

 ……俺は親父に作って貰った事無いけど。


「ほれ」


 で、満を持してドラゴンの首肉が滑ってきましたよっと。

 さーて、ワサビを乗せて、醤油に漬けまして……。

 一口!!


「っっ!!?」

「うまーーい!!」


 なんだこれ!?

 いや、ドラゴン肉だけど!

 そうじゃなくて……。


「口の中から一瞬でいなくなる……」

「でも、その代わりに美味しい肉汁のスープが残りますわよ?」

「醤油やワサビの風味で極上のスープがな」

「マジでどうなってやがンだよ……」


 見た目肉だけどこいつは肉じゃないですねマジで。

 ていうかなんだよこれ……。

 ラベンドラさん達が言う通り、口に入れた瞬間固体が姿を消して全部液体になる。

 高級和牛の食レポで飲めるってよく言うけどさ、この場合はもう飲めるとかじゃなくて。

 飲んでる。美味しくて。

 舌から伝わる旨味が脳に届いた瞬間、本能がもう飲み込んでるのよ。


「酒が美味い」

「ワインにももちろん」


 そりゃ合うだろうよ。

 というか、ワインとかよりも肉の旨味の方が勝ってそう。

 あらゆる味わいの頂点に居るんじゃないか、あのうま味。

 ……ふりかけとかに出来ないかな……多分無限に米食えるぞ……。


「美味かったな……」

「もう一度首肉を頼む」

「待て待て、次はコイツじゃぞ」


 と、言って、マジャリスさんの首肉アンコールを止めたガブロさんは。

 ドラゴン皮にご飯を乗せ……。

 そこにバターとスライスしたニンニクを混ぜ込みまして……。

 当然のように、皮上の脂を纏わせながら炒めまして……。


「ガーリックライスじゃ」


 悪魔かよ。

 んなもん食べるに決まってるだろ!!


「最上のご馳走だな」

「ずっと美味いしか言ってない……」

「コレで飯が食えるぞ……」

「めっちゃわかります、それ」


 ドラゴンを焼いた後のガーリックライス……。

 暴力、とだけ。

 米がドラゴンから出た脂を吸って、しかも表面にコーティングしてさ。

 しっとりした食感なのよ……。

 そこにバターのコクと塩味、ニンニクの香りでしょ?

 絶対に酒に合う。主にビール!

 ガツンと来る旨味をビールで流し込んだ日にゃあ、一日と言わず翌日までご機嫌だろうな。


「飲むか……」

「ン? 何をだ?」

「ビールですけど……」


 あれ? 『無頼』さんってビール知ってるんだっけ?

 日本酒とかは飲ませた記憶あるんだけど……。


「美味いぞ。『無頼』も飲んでみんか?」

「ガブロのとっつぁんが言うなら飲んでみるか……」


 と言う訳でグラスは二つ。

 もちろん、冷凍庫でキンッキンに冷やしてる奴ね。

 そこに大きなお星さまのロゴのビールを注いでいく……と。


「炭酸か」

「ささ、グーっと行っちゃってください」


 酒が弱いという事は、飲み会などでお酌側に回る可能性が高いという事。

 つまり俺のビールを注ぐ技術は、そんじょそこらのやつとは一味違うぜ。

 ……瓶ビールと缶ビールじゃ勝手が違うって事を除けば、だがな!


「ぷはーっ!! うめぇっ!!」


 あの、『無頼』さん……。


「『無頼』、泡で髭が出来取るぞ」

「髭?」


 ごめんなさい、ちょっとかわいいと思っちゃいました。

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― 新着の感想 ―
長ねぎも焼いて欲しい 短めの輪切りにした長ねぎ集団を縦に置く じっくり焼いて長ねぎがふつふつしてきたら醤油と一味を……
ふと、知育菓子とかやってもいいんじゃない?そろそろとか思った
ギネスビールとか飲ませてぇなぁとか思った…独特な注ぎ方だし
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