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アレンジおつまみ

 ソフトイセカイカワブタ節を生ハムの如くうすーくスライス。

 ……俺がじゃないよ? ちゃんとラベンドラさんに任せてるよ?

 とりあえずはそのまま食べてみますか。


「いただきます」


 まずは作った俺が責任を持って味見をします。

 これは責任感から来るもので、決して誰よりも先に食べたいという気持ちの表れではない。

 いいね?


「おっ!! うめぇ」


 思わず変な声出たわ。

 まず、食感は生ハムのそれに近い。

 でも、旨味の質が段違いだな。

 鰹節よりもうま味が強く、特有の匂いとか無い感じ。

 若干スモーキーさを感じつつも、あくまで香るかな? くらいのニュアンス。

 そこにしっとりした噛み心地のイセカイカワブタの食感と、噛めば噛むほどあふれ出てくる旨味。

 大正解ですねクォレは。

 これはつまみに滅茶苦茶なるだろうし、普段からお世話になってる徳さんに明日おすそ分けしよう。

 

「……これ、本当に魚か?」

「明らかにお肉の食感ですわよね?」


 いや、その……魚かと言われると……。

 明らか火を通すと豚肉の食感になってましたよ?

 あ、でも、煮付けの時はそんな事無かったな。


「うま味とお湯割りの相性がたまらん」

「これとこの酒だけで一夜飲み続けられるぞ……」


 飲兵衛たちが鼻の頭を赤くしながらそんな事言ってら。

 飲みやすいからって焼酎ハイボールをグビグビ飲むからだよ全く。


「カケル」

「なんでしょう?」

「アレンジしていいか?」

「どうぞどうぞ」


 しばらくイセカイカワブタ節と焼酎ハイボールで楽しんでたラベンドラさんからそんな提案が。

 見せて貰おうか、異世界エルフのアレンジ力とやらを。


「……クリームチーズですの?」

「ああ。生ハムに合うわけだし、こちらにも合うと思ってな」


 ラベンドラさんのアレンジ……それは、クリームチーズ。

 いやでもまぁ、合うだろうなぁ。

 と言う訳でイセカイカワブタ節でクリームチーズを巻いてパクリ。


「あ、合う」


 知ってた。

 でもこんな美味しいのは知らなかった。

 チーズのコクが合わさるだけでここまで変わるか……ってくらい違うね。

 あと、焼酎とも合う。

 ……俺が飲んでるのはマジャリスさんと一緒のウンと薄めハイボールだけども。


「こっちも美味いな……」

「これならワインにも合いそうじゃのぅ」

「クッ……」


 ガブロさんの何気ない一言がエルフ達を襲う!!

 いや、ワインはあるんだよ? それが明日の分ってだけで。

 

「このお酒も悪くないのですし、これで我慢ですわ……」

「そ、そうだな……」

「悪くないどころか美味いのは美味いんだがな……」


 エルフ達がワイン飲みたさを焼酎ハイボールで誤魔化してる姿、いとおかし。

 ……う~ん、イセカイカワブタ節、確かに美味しいけどもっとこう……出来そうだな?

 クリームチーズにも合う、イセカイカワブタ節にも合う食べ物で、今のこれらに無い要素を持つ食べ物と言えば……。

 ハッ!! 閃いた!!


「カケル? 何を?」


 冷蔵庫の中を確認……よし。

 んじゃあこれをスライスして、その上にイセカイカワブタ節、クリームチーズと乗っけまして……。


「これで食べてみてください」

「これは……たくあんか?」


 俺が辿り着いた答えがコイツ。

 いぶりがっこチーズは定番のおつまみであるし、そこに生ハムみたいなものが乗っかっても美味いだろ理論。

 イセカイカワブタ節にスモーキーな要素があるから、あえてたくあんに乗せてみた。

 決して冷蔵庫にいぶりがっこが無いからではない。


「ほぅ」

「歯ごたえが加わると一層美味しく感じられますわね!」


 そう、俺が求めていたもの……それは歯ごたえ!

 と言う訳で俺もパクリ。


「これこれこれ」


 カリコリと口内に響くたくあんの歯ごたえ。

 そこから広がるたくあんの旨味塩味とイセカイカワブタの旨味。

 全部を包んでまとめて広げるクリームチーズのコク。

 それらを一気に流さんと口に流し込まれる焼酎ハイボール。


「満足」


 我、イセカイカワブタはチーズとたくあんを添えるものと見つけたり。


「つーかこれだけでも酒のツマミになるぞ?」

「どれもこれも美味いわい」


 『無頼』さんの言う「これ」ってのはたくあんの事ね。

 まぁ、昔から漬物はお酒のツマミに用いられてきたしなぁ。

 かの上杉謙信公は梅干しで日本酒を飲むのが好きだったらしいし?

 そのせいでアルコールと塩分過多で脳溢血で倒れちゃったらしいけど。

 お酒と塩分はほどほどに、ね?


「なんか、デザート前に十分に満足してしまったな」


 気が付けば料理は平らげ、イセカイカワブタ節で焼酎を楽しんでました。

 これはちょっと駄目だね、無限に酒が入る。

 これだけ美味いと、卵ご飯にイセカイカワブタ節をかけるだけでご馳走に早変わりするだろうな。

 ……明日やってみるか。


「私たちはもう十分ですけれど……」

「酒のみ二人、どうする?」

「わしは切り上げてデザートを貰おうかの」

「俺はこのままコイツで飲ンでる。あ、デザートはくれ。アメノサに持ち帰ってやらなきゃだからな」

「分かりました。それじゃあ準備しますね」


 と言う訳でみんな落ち着いたところで、本日のデザートのご紹介。

 生まれはイギリス、遠路はるばる伝わってきましたレモンメレンゲパイ。

 色々とネタにされがちなイギリス料理だけど、デザートだけは天下一品。

 最近だと、イギリス国内で一番美味い飯屋はフランス料理店なんてジョークもあるらしいけどそれは無視。

 イギリスのデザートという事で、紅茶と合わせてのご提供。

 食後のティータイムを楽しみましょうや。

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― 新着の感想 ―
そうなんだよね イギリスが腹黒すぎて世界に火種を仕込んだりばら撒きがちだったのは(今もか?)飯が不味いから説を推したい その分お茶の時間に出る紅茶とお菓子は美味しいの何で?という 特に紅茶のブレンド…
なんと言うか無頼さんが親鳥に見えてくる……子供のためにせっせと美味しいものを与える…
食べてみたいなぁ……。 類似品でもいいから生ハムチーズ探して食べようかしら。
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