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売れるもんだねぇ……

「いつぞやにひつまぶし風のおにぎりを渡したじゃないですか?」

「ああ、あったな」


 確かウマイウナギマガイの時だったはず。

 あれと同じことをイセカイカワブタでやったら美味いんでは? と思ってね。

 お湯を注げば勝手に出汁が出て、極上のお茶漬けになる事は今日の晩御飯で確認済み。

 煮付けを具材におにぎりにし、二個目にネギや山椒を混ぜて、三個目に海苔とあられを混ぜてやれば、異世界でも変わらずに楽しめるだろう。


「なるほどな」


 と、説明すると、ラベンドラさんも把握したようで。


「今日の煮付けだと味が甘すぎるな。甘さを控えた奴を作ろう」

「ですね」


 即座に料理体勢。

 ザラメの量を調整し、ご飯のお供でありながら甘すぎない煮付けを作りまして。


「お前らも必要なんだろう?」

「当然」

「当たり前だろ」


 聞く必要ないと思うけど、『無頼』さんとアメノサさんにも確認を取りまして。

 人数分のひつまぶしおにぎりセットを作成。

 ……デカいんだよなぁ、一個が。

 俺の手を広げたくらいの大きさあるぞ。


「ではカケル」

「今日も世話になったわい」


 出来たおにぎりは異世界のアルミホイルそっくりの葉っぱに包まれて。

 全員が懐に……入れる事無くラベンドラさんが一括管理。

 よく分からない虚空に出来た空間に押し込むと、紫の魔法陣が出現。


「あ、明日はコイツは一緒じゃねぇから」

「……遺憾の意」

「政務溜まりまくってるだろ、お前」

「……働きたくないでござる」


 と、頬を膨らまして不機嫌を表すアメノサさんを先頭に、魔法陣へと消えていく。

 ……さて、と。

 明日は何を作ろうか……と考えながら片付けをしようとしていたら、スマホが振動。

 姉貴からの連絡である。


『そもさん』

「説破」

『魚鳥木申すか申さんか』

「申す申す……いや、何を言わすのよ」


 姉貴対応検定一級を持った俺だから反応出来たこのやりとり、俺でなきゃ見逃しちゃうね。


『急に香木送って来たけど何があったの?』

「ん~と……ラベンドラさん達以外にも来る人が増えた?」

『あ、それでか。……ちなみに見た目は?』

「姉貴の部屋にあった某戦国アクションファンタジー漫画の主人公みたいな感じ」

『……どれだ?』


 うん、言ってて思ったけど姉貴、そう言う系の漫画大好きだもんね。

 えーっと……、


「半妖怪の犬耳で刀振り回す奴」

『……赤い服装のやつ?』

「それそれ」


 よし、この説明で通じたらしい。

 ……よく通じたな?


『翔、今からとても大事な質問をします』

「あ、はい」

『――耳、触った?』

「……はい?」



『だってヒロインが最初にした事じゃん! 動いてない主人公の犬耳部分を触るって!!』

「いや、知らんが」


 姉貴にとっては重要だったらしいどうでもいい事を軽く流し、電話の本題へ。


「で? 何の連絡?」

『あ、そうそう。忘れる所だった。送られてきた香木あるじゃん?』

「うん」


 香木の話か。

 俺自身はどんなものが送られたのか全然知らないんだよな。

 売れてくれてると良いけど……。


『あれ定期的に来るの?』

「多分。……迷惑?」


 電話越しだと表情とか見えないから、いまいち怒ってるとか喜んでるとか分からんのよな。


『大歓迎! って言うか送られてきた量すぐ売れちゃった!』

「あ、さいで」

『伝手があるって言ってたじゃん? その人に声掛けたらお試しでって少量買って行ってくれて、翌日に全部引き取られたのよ!!』

「えぇ……」


 香木ってさ、いまいち需要が分からんのだけど、名前から想像するに香りを楽しむのよね?

 そんな大量に必要なもんなの?


『その人曰く、焚いた時の香りが抜群で、香りだけなら素晴らしい物、だってさ』

「ふーん」

『ただねぇ、香木は産地とか重要で、送られてきた産地不明かつ加工済みの香木は値段があまりつかなくて』


 なるほど? その分多く捌きたいから量を寄越せ、と?


『値段が張らないから手に入り次第全部買い取るってその人が言ってくれたってわけ』


 あ、なるほど。

 値段があまり高くないからこそ、全部まとめてお買い上げして貰えたって話か。

 

『で、ラベンドラさん達ならお礼をしなきゃって思ったんだけど……犬〇叉かぁ』

「犬〇叉言わない」

『犬用ちゅ~〇とかでいいかな?』

「俺ぶん殴られない?」


 思わず『無頼』さんが犬用ちゅ~〇をしゃぶってる絵面を想像したけど、うん。

 やめとこう。


『その新しい人、何が好きとかあった?』

「日本酒に滅茶苦茶反応してたけど」

『日本酒は流石に翔の方が手に入れやすそうだしなぁ……。ま、いいや。なんか思いついたら送る』

「あいあい」

『あ、あと、頼まれてたワインも送っといたから、数日中には届くんじゃない?』

「いつもありがと」

『いいって事よ』


 それじゃ、と言われて通話が切れる。

 香木……売れる目途が立ったのか。良かったね、『無頼』さんとアメノサさん。

 これでただ飯じゃないって胸張れるよ。

 良かったねと言えば……。


「もう少しだけ待ってくださいね、神様」

(もうずいぶんと待たされとる気がするが?)


 ほら、心待ちにしてると時間の進みが遅く感じられる奴です。

 まぁ、家に届いたら真っ先に神様にお供えしますから。


(……ツマミも頼むぞい)


 何がよろしいでしょう?


(生ハムとチーズ、後はドライフルーツなんかも嬉しいぞい)


 タイミングを見て買っておきますよ。

 さて、と。

 片付けして寝ますか。

作者は香木エアプなので調べて分かる程度の知識しか持ってません。

識者の方は情報頂けるとマジで泣いて喜びます。

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― 新着の感想 ―
ですます、って口調だけど……神様との関係、ぶっちゃけ孫と祖父で脳内再生されてる(^-^;
適当に判子を押して良い書類なら無頼さんとかでも手伝えるんじゃない?? 無頼パパなら口では文句言うけど手伝いそうだし
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