忘れてた……(n度目)
コミカライズ公開に関する報告です。
諸事情により公開日が延期になります。
また公開日が報告出来るタイミングになりましたらご報告させていただきます。
楽しみにされていた読者の皆様に対して大変心苦しいですが、今しばらくお待ち頂けると幸いです。
完成した料理を並べて思ったけど、色合い的に酒蒸しだけ浮いてる気が……。
日本料理に鮮やかな赤や緑ってあんまり似合わないな。
煮物とか、せいぜいなますくらいか。
「匂いが美味そうだ」
「美味そう……ではない。確実に美味いのだ」
「カケルの料理ですのよ?」
「美味いのは前提で、その上で私たちの発想に無い料理を出してくれる」
あの……そんなに褒めないでもろて。
褒められても何も出ませんよ。……日本酒しか。
「一応ナイフとフォークは用意しましたけど……」
「あなた達もお箸をお使いになりましたら?」
「動かしにくい……」
「手の方がマシだが?」
まぁ、日本食をフォークやナイフを使って食べるのもなぁ……。
何より食べづらくない?
「教えてやる。こうして……」
「こうか?」
とか思ってたら、『無頼』さんはラベンドラさんに。
アメノサさんはリリウムさんにお箸の正しい持ち方と動かし方を教わって。
「あ、なるほど」
「こう?」
ものの数分でマスター。
早すぎない?
思い返せば『夢幻泡影』の四人も箸をマスターするの早かったな。
俺とか小さい頃に、おばあちゃん監修で皿から皿に小豆をお箸で移動とか訓練してたのに。
あの努力何だったんだ?
「よし、分かった。これで食える」
「じゃあ皆さん、手を合わせてください」
それでは皆さん、ご唱和ください。
「「いただきます!」」
「ずずず……!? コレ美味いぞ!!」
「闘魚倭種からいい出汁が出ている」
いただきますの後、イセカイカワブタのお茶漬けを掻っ込んだのは『無頼』さんとラベンドラさん。
どうやら俺の目論見が当たっていたようだ。
生で食べてあれだけうま味を感じたからね。
こうしてお茶漬けにすれば余すことなく堪能できるって信じてたよ。
「この甘じょっぱい感じがたまンねぇ」
「さらさらと流し込む様に食えるのがいい。あと、半生の闘魚倭種も美味い」
大葉とわさびを乗っけたけど……ここに海苔とあられもあれば言う事無かったろうな。
――どうせおかわりするだろうし、その時でええか。
「身がとろける……」
「ご飯が何杯でも食べられますわ!!」
で、女性陣のリリウムさんとアメノサさんは、イセカイカワブタの煮付けに舌鼓。
茹でたら豚っぽい印象だったし、煮付けもそんな感じかなと思ったんだけど……。
別に豚は煮付けてもとろけはしないしなぁ。
何故だか知らんけど、煮付けにすると魚の特徴を残したままになるのかな?
まぁ、異世界食材だし、変な特徴くらいはあるよな、うん。
「この汁が美味しい……」
「キャットフード! その発想に至るとは……やはり天才ですわね」
聞き捨てならん言葉が聞こえたが?
……あぁ、猫まんまの事か。
いや、だからさぁ翻訳魔法さん?
その翻訳はやめろって、言わな……書かなかった?
猫まんまって言いなさい。
「闘魚倭種の甘みと汁の甘み、ご飯の甘みの三段活用……。まるで甘みの宝石箱やぁ……」
めっちゃ懐かしい食レポを聞いた気がする。
彼……元気かな?
「やはりこれだな」
「じゃな」
最後にマジャリスさんとガブロさんは酒蒸し……。
と言ってもこっちは見た目ギリ洋食だけど。
あと材料も洋食。
「酒蒸しのおかげかテンペストワイバーンの肉は柔らかく、落ちた油は野菜たちが余すことなく吸い上げる」
「肉も野菜もうま味はチーズで蓋をされ、こちらも逃げられん」
「そんなものが不味いはずがない」
「野菜もたっぷり汁が滴る程。飯にも合うわい」
まぁ、元ネタは某クッキングダディのイタリアン鍋だし。
元ネタある料理が不味いはず無いのよ。
さてと……俺も食べよ。
まずは煮付けから。
「マジで柔らかいじゃん」
お箸を当てただけでホロリと崩れる身。
大きく取って、煮ダレをたっぷり絡めて持ち上げて。
白米の上でバウンド二回。いただきます。
「うっまい!!」
もう最高。
ザラメで煮付けたおかげで甘いだけじゃなくコクがあって、そこに醤油の風味がふわりと広がる。
しかも煮ダレにイセカイカワブタの出汁も出てて、より美味しさに拍車がかかってる。
身には豚肉を思わせる甘い脂がありはすれど、やっぱりサラサラでぜんっぜんクドクもしつこくもない。
流れるように口の中を移動して、後には何も残らない感じ。
これ美味いわ。
今まで食べた魚の煮付けの中でも最上位に位置するくらいの美味さ。
……アメノサさんが猫まんまにした理由が分かる。
これ猫まんまにしたら絶対に美味い。
あと釜めしとか最高だろうね。
一旦イセカイカワブタを湯引きして、その湯引きしたお湯でご飯を炊くの。
もちろん、身をご飯の上にも乗せてさ。
炊きあがったら全体をかき混ぜて、三つ葉を乗せて完成。
明日作ったろうかな。
「本当に美味しい……」
「カケル……その……」
「お代わりですね」
なんだか『無頼』さんが言いにくそうにしてるけど、おかずは全然減ってないのにお茶碗は空っぽだったからね。
分かるよ。
「すまねぇな」
「いっぱい炊いてますから気にしないでください」
……お米は高くなったけどね。
ほんと、姉貴からの仕送りが無かったら今頃は……。
俺が宝石抱えて捌くために走り回ってたのかなぁ……。
「私もお代わり」
「さっきくらい盛ります?」
「……さっきの半分くらい」
アメノサさんもお代わりをしてきたけど、そんなに食べそうに見えないし。
量を尋ねたら、案の定さっきほどはいらない、と。
はいはい。
「カケルがまるでお母さんみたいですわね」
「男ですけどね?」
「ところでカケルママ」
「誰がママじゃい」
変な事を言うガブロさんは誰かな?
そんな事言うと、お酒あげない……あ。
「凄く酒が合いそうな料理なんじゃが……?」
「………………忘れてました」
一日ぶり二度目のお酒忘れ。
だって普段飲まないんだもん!




