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「ガブロ……何あれ?」

「ん?」


 翔宅で玄関に靴を移動させる最中。

 ガブロに案内される『無頼』とアメノサは、少し怯えた表情でガブロに問う。


「威圧感っつーか、圧倒するような空気が半端なかったぞ」

「あれ……人間だよね?」


 どうやら、その怯えの正体は翔にあるらしく、その翔についてガブロに尋ねる。


「まぁ……人間ではあるな」

「なンか含みを持たせた言い方だな」

「神と直接やり取りできるような存在じゃからな」

「「……はぁっ!?」」



「「はぁっ!?」」


 なんか玄関から大きい声が聞こえて来たんだけど……。

 ガブロさん、変な事吹き込んでないよね?


「……それで? あの二人はどちら様なので?」

「男の方は『無頼』。何度か話題に出したことがあるな」

「あ、あの方が『無頼』さんなんですね」


 あれだよね? 日本酒を気に入ったとか言ってた人。

 ……人? 獣人っぽかったよな? その場合の数え方いず何?

 匹は流石に失礼か。

 まぁ、人でいいよね?


「で、もう一人の女性の方はアメノサと申しまして……」

「『無頼』の住む国の丞相様じゃわい」


 ……丞相?

 どうしよう、その言葉、三国志以来の顔合わせなんだけど。

 何する人? 多分政治関連だよね?


「……で、何故ここに?」

「分からん」

「私たちの転移魔法は、そもそも私達以外転移出来ないような条件ですの」

「それを搔い潜った方法はむしろこちらが知りたい」


 と話してたらガブロさん達が戻って来た。


「とりあえず、説明」

「こっちの台詞だ」


 戻ってきた瞬間にアメノサさんが口を開くも、すかさずマジャリスさんが反論する。


「どうやって我々の転移魔法にただ乗りした?」

「……秘密」

「カケル、神に頼め。お前の命を脅かそうとする存在で、今後ワインの供給が止まるかも、と」

「っ!? しゃ、喋る!!」


 慌てた様子でアメノサさん、喋りはじめたけど……。

 そんなにその脅し、聞くのか。


「黙って四人の血を少量ずつ頂いた。その血を『無頼』にも分けて、転移魔法に入った」

「本人証明に血液を用いた、と。確かにそれなら……」

「……転移魔法の制限を厳しくするか?」

「厳しくし過ぎると不都合が起きますわ。あとで考えましょう」


 よく分からないんだけど、そんな生体認証みたいなシステムなの転移魔法?

 かなり科学よりなシステムだと思っちゃうんだけど……。


「質問に答えたからこっちの質問にも答えて貰う。ここどこ?」

「神によって隔離された、世界から隠された空間だ」

「神の声を直接聞ける存在が私たちの世界に現れたら、どうなるかは想像できますわよね?」

「それを懸念して神が作り上げたのがこの空間。そして、ここにいるカケルはその神の声が聞ける存在だ」


 神の声が聞けるというか、一方的にワイン要求してくるというか……。


「じゃから、カケルに危害を加えようとすると神罰が下るぞい」

「……分かった」


 すっごく腑に落ちて無さそうだけど、口では分かったって言ってる……。

 その証拠に俺の事めっちゃ見てくるし。


「俺からもいいか?」

「何じゃ?」

「……この目の前のこれら――食いもンか?」



「魚が生で美味しいだなんて!!」

「神の作り出した空間じゃからな。我らの常識は基本的に通じない」

「おめぇらズリぃよ! ずっとこの場所でこンな美味いもン食ってたんだろ?」

「我々も初めは偶然だったんだ」


 えー、即落ち二コマ……と言うか。

 食べ物か聞いてきた後、お寿司の説明をしまして。

 生魚? と怪訝な顔をしてたのに、ラベンドラさんにマグロを放り込まれたらクッソ笑顔になってた。

 そっからはもう……寿司に伸びる手が止まらないね。


「手巻きなどでは味わってはいたが……」

「こうして多種多様な魚が握られているのは初めてですわね」

「カケル、この白身は?」

「それはハマチですね」

「これエビだろ!? プリプリしてて最っ高だな!!」

「『無頼』、甘海老取って」


 四人でも中々騒がしかったのに、そこに二人追加されて余計に騒がしくなったな。

 近所とは家が離れてて助かったよ。

 騒音とかでクレーム入らないし。


「イカもうめぇ!!」

「まず土台が美味しい。なにこれ?」

「米だ。現在我々の国で農業ギルドが栽培の研究に勤しんでる」

「私達も噛ませて欲しい」

「それはソクサルムに言いなさいな。私たちは政治には関わっていませんし」

「リリウム、いくらばかり食べるな」


 う~ん、カオス。

 まぁ、賑やかな方が楽しいからいいんだけどさ。

 ……中トロが美味い。


「なぁ、この緑の葉っぱはなンだ?」

「大葉ですね。ハーブです」

「ハーブが生魚に合うのか……?」


 『無頼』さんがえんがわを持ってこっちに聞いてくる。

 ちなみに『無頼』さんもアメノサさんも手で掴んで食べてる。

 最初は『夢幻泡影』の四人に習ってお箸を使ってたんだけどさ。

 四人みたくすぐにマスター出来ないどころか、めンどくせぇ! って言って手で食べる事を選んでた。

 その間五秒ね。


「お、爽やかな香りが魚の脂の匂いを飛ばすな。それなのに魚自体の香りの邪魔はしてねぇ」

「この甘辛いタレの乗った魚も美味しい」


 アメノサさんはうなぎにご満悦。

 ……? 何か忘れているような……。


「あっ」


 思い出した。

 ……あの、何で全員俺の方を見てるので?


「何を忘れていたんじゃ?」


 ガブロさん、俺の心を読むんじゃない。


「日本酒……買って来てたんでした」

「くれ」


 

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― 新着の感想 ―
「威圧感っつーか、圧倒するような空気が半端なかったぞ」 「あれ……人間だよね?」 どうやら、その怯えの正体は翔にあるらしく、その翔についてガブロに尋ねる。 「まぁ……人間ではあるな」 「なンか含み…
4人の血を無断でチューチューする娘が神と対話出来る人間の血を吸うの我慢出来るのだろうか
あっちの神様「わしにも寿司を」 こっちの神様達「儂等にも寿司を」 となった場合何セット用意すれば良いのやら?
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