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ヤリタカッタダケー

「これは……何だ?」

「ナンです」

「だから、何なんだ?」

「ナンなんですよ」

「???」


 白状すると、ただやりたかったやりとりだったり……。

 こういうすれ違いネタ、好きなんだよね。


「冗談はそれくらいにして、『ナン』という食べ物なわけです」

「……ナンという名前か」

「ですです」


 あんなやり取りしたばっかりに、若干分かりづらくなってるな。

 ちょっと反省。


「この国発祥ではないですけど、まぁ、カレーと言えばで連想されるような食べ物です」


 ちなみにナンと言えばインドだけど、実際はインドでもナンよりチャパティって食べ物のほうが主食として食べられてるとかなんとか。

 作り方の都合上、ナンはレストランとかで食べる物で、作りやすいチャパティの方が、普段から食べられるんだってさ。


「チーズ水を使って作ってますんで、冷める前に食べましょう」


 グリーンカレーをよそい、お皿にナンを乗せ。

 飲むヨーグルトをコップに注いだら……って、グリーンカレーはタイのカレーだよな……。

 インド風定食って言おうとしてたわ、あぶねぇあぶねぇ。

 あと、インド風って言うなら飲むヨーグルトよりラッシーの方がいいだろうし。


「「いただきます」」


 まぁ、その辺は『夢幻泡影』の面子には関係ないか。


「むはっ! まるでスパイスの香りの爆弾じゃな!」


 一口食べた瞬間、ガブロさん仰け反っちゃったよ。


「まず甘さが来ますのね。その後からしっかりと辛みの刺激が……」

「その辛さも後を引かない。カラッとした辛さだ」

「凝縮された旨味を感じるな」

「ナンと合う!!」


 グリーンカレーを食べてナンを噛み。

 伸び~とまるでCMのような見た目で食いちぎって咀嚼。

 ビジュアル的に百点満点ですな。


「野菜のじんわりとした甘さがありがたい……」

「ワイバーンのパリッとした皮とプリッとした身の美味しさが辛さによって際立つ」

「そこに放り込むナンの相性と言ったらもう……たまらんわい」

「辛いのに、食べる手が止まりませんわ!!」


 ちなみに出来は完璧なもよう。

 初挑戦だったし、無事に美味しく作れたようで何より。

 と言う訳で俺もいただきましょう。


「んふっ! こっれは強烈」


 味見の時は少量だったからだろうけど、スプーンで掬って口に入れると香りが凄い。

 マジで咽る寸前くらいの強さある。

 で、香りに驚いてたらココナッツミルクの甘さがまず舌を覆いまして。

 その包みが無くなった瞬間に舌をビリビリと刺激する辛み。

 ただ、その辛さは言ってた通り長く続かない。

 すっごい気持ちがいい辛さって感じ。

 

「たけのこがうめぇ……」


 なんだろうね、たけのこってカレーに合うんだな。

 ……いや、これグリーンカレーだから合うのか?

 カレーの中に歯ごたえがあるものが入ってると面白いな。


「ん~…………美味い!!」


 あと、チーズ水ナンは伸びすぎな。

 表面はパリッとしてるのに、中はフワフワモチモチ。

 チーズ水は呆れるほどに伸び、チーズ水の塩気と生地の甘さが丁度いい。

 そこにグリーンカレーを合わせると、もう最高なわけです。


「この飲み物も美味いな」

「口の中のスパイスの香りを纏めて流してくださいますわね」

「僅かに残る辛さも一緒にな」


 飲むヨーグルトもお気に召したようで。


「これはアレだな。『――』の果汁を煮詰めたようなものだな」

「確かに言われてみると……」


 そして、飲むヨーグルトも異世界バージョンがあるみたいです。

 ……そもそもヨーグルト自体はあるじゃろ?

 なら、それと牛乳を混ぜて作ればいいのでは?

 作り方あってるか知らんけど。


「試すか」

「じゃな」


 試すそうです。

 どうせなら、日本で一番有名な乳酸菌飲料でも再現出来たらいいのに。

 牛乳と混ぜると美味しいあれね。

 パッケージに書かれた水との配合よりもそっちの方が俺は好き。

 実質飲むヨーグルト。


「ちなみにカケル、このナンの作り方は……」

「ほぼパンと変わりませんよ?」

「一応レシピを……」


 と言う事でナンのレシピを教えまして。

 グリーンカレーを継続。

 こう、カレー全般に言えることだけど、食欲無い時とかでもカレーだけは食べられる自信があるわ。

 夏場とか。

 体調悪い日は流石に無理だけれども。


「これまでのカレーとは確実に違うな」

「ですわね」

「まぁ、自分の住んでる国と他の国のカレーですしね。どっちかと言うと、この世界では今日のカレーの方が一般的だったりしますし」


 今でこそ日本式カレー……カレーライスの認知度も上がって行ってるとは思うけどさ。

 やっぱり海外でカレーって言うと、インドやタイのスパイシーなやつがポピュラーだよ。

 カレーライスに取りつかれた記者とか、確実に日本カレー中毒患者は増えてるけどね。


「色も面白い。今日のカレーの色がこの色なのはなんでだ?」

「使ってるスパイスの色です。主に青唐辛子を使っているので」


 グリーンカレーがそう呼ばれてる理由よね。

 使われてるスパイスが青唐辛子って言う。

 まぁ、俺の知識はペーストのラベルに書いてあったものだけど。


「ラメーンといい、同じ名を関するのに見た目が違い過ぎる食べ物が割とあるんだな……」

「まぁ、でも流石にこれ以上は……」


 そう言いかけて、止まる。

 ちょっと前に、白いカレーと黒いカレーのカレールゥを見つけたのを思い出したからだけど。

 期間限定っぽかったし、あれらはノーカウントにしよう。


「カケル、ナンのお代わりはあるか?」

「もちろん、持って来ますね」


 想定はしてたけど、やっぱりお代わりするのか。

 チーズ水ナン、俺の顔くらいの大きさあるんだけどな……。

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― 新着の感想 ―
まぁ、某富士山のカレーは青いですし… でも異世界人から見ると青くても違和感ないのか?
彼らは、まだ知らない カレーは、液体系以外にも存在すると 手始めにカレーピラフ、カレードリアを食らわせよう あとついでに米は、麺になると
カレーってそもそも外国人が勝手につけた名前でインドにはカレーってないんだよね。言ってみれば鰤の照り焼きとか肉じゃがとか刺身とかを全部醤油味だから醤油料理呼ばわりする暴挙。キーマはキーマって料理であって…
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