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大会結果

 ……はぁ、ワインを調達してきましたよっと。

 ただ、姉貴から送られたりはしてないから、俺が選ぶ手頃なワインたちになっております。

 と言うかね? 言っちゃあなんだが、飲み物に四桁のお金出すのも中々勇気が要るからね?

 五桁になるともう……腰が引けるわ。

 聞いてるか? 日本のウイスキー達よ。 

 主に漢字二文字の名前のお前ら。


「何が合うとか分かんないから、赤も白も買っては来たけど……」


 俺はソムリエでも何でもないし、食べただけでどの銘柄に合うとか分かんない。

 だから、世界一博識な検索エンジンに頼ったんだけど……。

 チーズの産地のワインを合わせる、とか出てきて頭抱えたよね。

 じゃあ異世界のワインが正解なんじゃ……と。

 あと、チーズは熟成させるものだから、熟成年も揃えた方がいいとかなんとか。

 かーっ、これだからネットは。

 チーズ水の情報がこれっぽっちも載ってないじゃないかかーっ。

 ……いやまぁ、載ってたら怖いんだけども。


「無難なのにしたから、大きくハズレはしないだろうけど……」


 赤と白の両方。

 それも、微発泡と通常の計四品種。

 しかもどれも産地をバラしたから、体のどこかに当たってくれ理論。

 と言う訳でワインの紹介。

 まずは赤ワイン。

 聞き馴染んだカベルネ・ソーヴィニョンから、モンテス・クラシック・シリーズを。

 チリワインでバランスがいい……らしい。

 微発泡の赤は定番ランブルスコから、ディ・ソルバーラ・セッコを。

 評価がかなり高かったから買いました。こちらイタリアワインです。

 続いて白ワイン。

 あまり聞かないアルゼンチンワインから、パソ・ア・パソ。

 アルゼンチンの土着品種であるトロンテスってのを使ってるらしく、こちらも高評価な一本。

 微発泡はスペインより、プロジェクト・クワトロ・カヴァ。

 見た目が凄く気に入った。もちろん評価もお高いよ。


「結構出費が痛いな……」


 ワイン四本でおよそ渋沢さん御一人。

 諭吉さんから時代は変わったね、うん。


「えーっと……適当にワインを送りやがれ下さい、と」


 で、そうなったらどうするかって言うと……姉を頼る。

 困ったら、ね。

 姉貴も、俺に金渡すよりエルフ達に還元する方が気が乗るだろ。

 

「ん、来たか」


 そうして姉貴と連絡を取り合ってるうちに、紫色の魔法陣が出現。

 ワインを隠せ! 見つかったら飲み干されるぞ!!


「……何をしているんだ?」

「頭も尻もワインも隠れとらんぞい」

「……今日はトマト鍋になります」


 間に合わなかった……。

 咄嗟に隠せるところなんてそうそう無いよ……。


「鍋か」

「もう具材もある程度茹でてありますし、温めなおすだけですね」

「そうか……」


 普段なら調理が終わっている事をがっかりするラベンドラさんだけど、鍋の時は……ね。

 煮込むのが大事だって知ってるから、自分で調理したかったのを我慢してくれる。

 ……文字通り、涙を呑んで、だけども。


「出来栄えはどうだ?」

「トマトとチーズ、合わない理由を述べろ」

「ないな」


 温めてると美味しそうな匂いも充満するし、マジャリスさんがわざわざ出来栄えを聞かなくても約束された勝利なんだよなぁ。

 

「そうだ、カケル」

「なんでしょう?」

「第三回料理大会が無事に終わった」


 あー……なんだっけ?

 ラーメンだったか。

 

「我々が感動し、個人店の出店の後ろ盾となるのは――辛みそラメーンだ!!」


 ……ほぅ。

 詳しく聞かせて貰おう。


「決めては濃厚な蟹味噌を贅沢に使ったスープ! そこにキムチ卵液を混ぜて濃厚でコクがありながら舌をピリッと刺激するマイルドな辛さがプラスされ」

「炒った蟹の殻からも出汁を取る事で旨味と香ばしさを抽出。トッピングのマンドラゴラたちも計算され、スープの邪魔になることが無い」

「麺はモチモチの太麺じゃったな。卵も混ぜられて麺だけでもコクがあり美味い」

「仕上げに炒った木の実をペーストにしたものをスープに溶かし、食べながら味変出来るというギミックも搭載! 他のラメーンよりも数歩先を行く素晴らしい出来栄えでしたわ!!」


 ……気のせいだろうか?

 四人の説明から浮かんでくる絵面が……その……担々麵なんだが?

 確かに蟹の出汁とカニ味噌を利かせた辛いラーメンは美味いだろうけど……。

 辛みそって聞くとどうしても……あと、木の実のペーストってそれもうアーモンドバターとかミルクだろ。

 入れるもん、担々麵に。

 

「今度カケルにも作るからな!」

「あ、普通に楽しみです」


 やったぜ。

 異世界ラーメンを食べる約束を取り付けた。

 ……ところで、エルフの言う今度ってどれくらい先?

 俺生きてるかな……。


「他の貴族も料理人を抱え込んでおったし、今回の大会は過去一で大成功じゃったな」

「……抱え込む?」

「私達だけが料理人の後ろ盾になるのはズルいと貴族たちが騒いだのですわ。そうしたら国王が、『気に入った料理人を自分の領地内に引き込んでよい』と決めたのですわ」

「もちろん人数に限りはあるし、他と被ってはダメ。そして、領内へ移動するかどうかは料理人の自由を条件にだがな」

「それでも大会の本選決勝にまでコマを進めた料理人を直接スカウト出来ると、貴族たちは鼻息を荒くしていた」


 ……今後、異世界では貴族たちがラーメンをすするのかなぁ。

 まぁ、現代日本でも格ゲーの王がラーメン啜ってるし、きっと誤差だな、よし。


「そろそろ温まりましたね」

「では食べるか」


 大会の結果を聞いていたら、お鍋が温まりましたわよっと。

 それじゃあ、チーズ水で作ったトマト鍋……いただきます!

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― 新着の感想 ―
やったぜ。 異世界ラーメンを食べる約束を取り付けた。 ……ところで、エルフの言う今度ってどれくらい先? 俺生きてるかな……。 忘れない……ラベンドラ素材を探して2年事件を… あと、説明聞くと担々麺…
山崎、白州……響もヤバイ……尚、上を見ると三桁万円の○○年の山崎とか… ブランデーもヤバかったな…ブランデー最高額で検索したら億越えのやつ出てきたな(^-^;
ぶっちゃけ紙パックの1.8lで千円のワインでも良くね? 最初から「安ワインです」って言っとけば値段の割りのクオリティで喜ばれそう
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