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呼ぶな

 ふぅ……。

 パスタに絡めたチーズ水は大変美味しゅうございました。

 やっぱりチーズにペッパー、ガーリックはマストですわね。

 

「美味かったな」

「ですわね」

「色んな具材を楽しめるのはやはりいい」

「足りんのは酒だけじゃったな」


 ……うん、今後しばらくはチーズ水を使った料理が続くし、ワインを調達しておくか。

 じゃないとうるさそうだし。

 

「よし、カケル」

「はいはい」

「デザートを」

「はいはい」


 マジャリスさんから言われたし、デザートフォンデュをご用意。

 チーズ水の半分の量の蜂蜜と牛乳を入れてよく混ぜて、加熱。

 蜂蜜チーズなんて大体の物に合う。

 自己啓発本にもそう書かれている。


「具材は焼き菓子か」

「ですね」


 切ったフィナンシュやマドレーヌを並べれば、俺が何をしたいか全員が気付く。


「ビスケットやクッキーは流石にピックには刺さらないか」

「なのでディップ感覚で食べて貰おうかと」


 柔らかい奴らは良かったんだけどね。

 流石にクッキーやらビスケットは、手で持ってもらうことになったよ。

 と言う訳でデザートフォンデュ、スタート。


「あら? 先程までとはずいぶん違いますわね?」


 と、マドレーヌをフォンデュして食べたリリウムさんが言う。

 ……俺はフィナンシュにしよう。

 どれどれ……?

 ――お、なるほどな?


「かなりまろやかですね」


 なんでだろう。今回のチーズフォンデュはかなーり滑らか。

 クリームチーズ位の滑らかさがあるな。

 さっきから思ってはいたんだけど、混ぜるものによって特性変わってない?

 風味について言及されてたけど、もはや風味だけのレベルじゃない。

 

「カステラに絡めるとチーズケーキのようだな」

「ジャムが乗ったクッキーにも合うぞい」


 カステラ、チョコフォンデュに使ったのが残ってたけど中々いい感じ。

 マジャリスさんが言うように、チーズケーキに近い感じになる。

 あと、ジャムとクッキーとチーズの相性が思いのほかいいな。

 チーズ、いかにクリームチーズっぽいとは言っても塩味はあるし、その塩味を包んでなお勝るジャムの甘さがいい。

 そこにジャムの食感とバターの香ばしさが入って来て、かなりいい感じ。

 適当に思いついたにしては、このデザートフォンデュは大成功な気がする。


「クラッカーの軽い感じと、チーズの塩味と甘さのバランスがいい」

「朝食とかで出てきたら笑顔になりますわね」


 ……なるか?

 朝食でしょ? 重くない? 朝からチーズフォンデュは。

 何なら、朝から焼き菓子も若干重い。

 クラッカーなら分からんでもないけど。


「そう言えば、チーズ水って結構手軽に手に入るんですか?」

「まぁ、ダンジョンに潜らずとも手に入るからな」

「植物型の魔物であるし、デカいからな。生息地にいけばすぐに見つかるぞ」


 なるほどなるほど。

 てことは今後もこのチーズ水は定期的に補給される、と。

 って事は今後チーズを買う必要は薄くなったのでは? 異世界食材様様ですわね?


「あ、でも、そんなに手に入りやすいなら、なんで混ぜたもので色々変わるって情報は無かったんです?」


 手に入るならみんな色々試しそうじゃない?


「それについては、この国の住人がむしろおかしい、とだけ」

「普通そのままで食べられるものを、わざわざ何かと混ぜて加工、なんてしませんもの」


 ……なんか怒られた?

 マジャリスさんとガブロさんは腕組んでウンウン頷いてるし。

 いやぁ、混ぜたりなんたりはするでしょ、普通。

 しかもチーズだよ? それ単体はもちろんとして、混ぜてもある程度の美味しさの保証がされてるんだよ?

 混ぜないの? 逆に。


「まぁ、そもそも食に関心を持っている存在が少ないというのは否めませんけれど……」

「カケルのように食に強く関心を持っているのはごく一部だろうな」

「強く関心って……俺は普通だと思いますけど……」


 そりゃあ料理はするし、多少は調べたりするけどさ。

 この日本で美味しいものを調べたりってのは普通にみんなしてるし……。


「それが普通になっているのが関心の強さを物語っていますわね」

「そもそもだ。今まで出てきた料理にほとんど被りがないだろう? ラベンドラもそうだが、基本食事は食べられて栄養になって魔力が回復すれば毎日同じもので良い、と言うのが我々の世界の総意だぞ?」


 あー……なんかあったな。

 海外だと毎日同じ食事でも気にしないって。

 具体的に言うなら晩御飯はマカロニチーズ固定、みたいな家庭すらあるって。

 あと、冷凍食品が豊富だからそれで済ますところも多いとかなんとか。

 つまり毎日違う献立考えて料理作ってた母親はとんでもなく偉大って事。


(じゃからお主を再三異世界に勧誘しとるんじゃがのぅ)


 ……自分がワインを飲みたいからではなく?


(ギクッ。そ、そ、そんなわけないじゃろ?)


 声が震えてるぜ、神様。


「カケルが私たちの国に来てくれたら、食事の広がりは素晴らしい速度になるでしょうに……」

「……絶対俺一人よりラベンドラさん達の方が影響力あるでしょ」

「カケルが来るなら我々のパーティに入れるが? その上でパーティの名前で料理を広げてもらう」

「後ろ盾は任せておくんじゃ」

「行きませんからね?」


 なんかこのままだと押し切られそうだし、強く言っておかないとな。


「チッ」

(チッ)


 神様とマジャリスさん、舌打ちをハモらないの。

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― 新着の感想 ―
もしも生まれ変わるとしても日本一択です だって卵ご飯が食べられる国は日本しかないじゃん! 値上がりしたと言っても安いし! 世界各国の料理を多くの一般人が普通に作ってる国も珍しいっぽい
今の所、翔さんにそのつもりはないようですが、いつかは日帰り、あるいは短期間の観光みたいなのはありそう? そうなったら、夢幻泡影の皆さんだけでなく、神様にもしっかり安全担保していただく必要がありますね。…
異世界に行くなら神様から盛り盛りバフを盛られた状態で行かされそう……(なお八百万の神様からジェットストリームアタックで防がれそう)
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