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四人の戦闘スタイル

 まずはフライパンに油を引いて、みじん切りにした野菜と細かく切ったトリッポイオニクに火を通す。

 軽く塩コショウを振って、火が通ったらご飯をドーン!

 ウスターソース、ケチャップを入れて、それらがご飯と混ぜ合わさったらチキンライスの完成。

 後はコイツを卵で包むだけっと。

 ちなみにチキンライスにミックスベジタブルを入れるともっと早いけど、俺グリンピース苦手なんだよね。

 色合い的にも緑は欲しい所だけど、わざわざ自分で作る料理に自分の苦手な食材を入れるわけないじゃん?

 ってことで、今日のオムライスは赤と黄色の二色である。

 あと、うちのオムライスは昔ながらと言うか、薄焼き卵でご飯を包むタイプのオムライスね。

 半熟のオムレツを包丁で割るタイプじゃないやつ。

 というわけで薄焼き卵を焼いてきましょう。

 特に注意すべきところもないかな。卵の厚さがなるべく均等になる様にってくらい。

 で、火が通ったらそこにチキンライスを乗せて、フライパン傾けて、手首の返しと動きでひょひょいっと。

 結構練習したんだよ? この卵でチキンライスを包む動き。

 というわけでオムライスの完成。

 こうなりゃ後は早いからね、残りもちゃっちゃと作りますわよ。


「お待たせしました」


 出来ましたわよ。


「これは……卵か?」

「中にご飯が入ってますんで、一緒にどうぞ」


 ちなみにちょっと濃いめに味付けしてるので、上からケチャップをかけたりはしない。

 ハートマークとか、星とかは書かないスタイルなのだ。


「すまないが、早速……」


 と我先にとラベンドラさんがオムライスにスプーンを入れ。 

 一口分掬ってそのまま口へ。


「……おぉ、美味い」


 静かに、けれど、しっかりと伝わる様に。

 ホッとした雰囲気さえ漂わせながら口にしたその感想に、背中を押されるように。


「いただきますわ」

「いただくぞい」

「いただく」


 リリウムさん、マジャリスさん、ガブロさんががっついた。


「むほほ! 美味いわい!!」

「ガツンと来る旨味がたまらないな!」

「酸味や甘みもいい仕事をしていますわ!!」


 ラベンドラさんとは打って変わって、騒がしく感想を言う三人は。


「うめ。うめ」


 カチャカチャとスプーンと皿で音を鳴らしながら、瞬く間にオムライスを完食していく。

 あの、俺まだ半分も食べてないんですけど?


「ふぅ。美味しいものを食べると力が湧きますわね」


 完食し、渡したティッシュで口に付いたケチャップを拭き取りながら。

 リリウムさんがそう呟くと。


「ごっそさん。確かにその通りじゃな。ここに来るまではみな満身創痍であったというのに」

「美味かった。食べることで魔力は回復する。だから力が湧くというのは当然と言えば当然なんだが……」


 ガブロさんやマジャリスさんも続いて完食。

 この人たちには店で出される大盛りサイズよりもさらに盛ったんだけどな。

 当たり前に完食されちゃったや。

 リリウムさんも奇麗に平らげているし、やっぱりこの人たちの食う量凄いな。


「中でもカケルの作る料理は別格だろう。特別な効果や強化効果が発動するわけでもないが、食べるだけで文字通り元気が湧いてくる」


 ラベンドラさんも完食ッと。

 いいね、気持ちいいよ。作った料理を残さず食べてもらえるのは。


「それで? そんなにボロボロになるなんて、一体何と戦ったんですか?」


 俺以外の全員が食べ終わり、お茶のお代わりを飲み干して、一息ついたタイミング。

 まだ俺は食べ終えていないが、それでも、どうしても聞きたかった質問を四人にぶつけた。

 だってさ、散々強そうな雰囲気出してたのに、そんなやられてくるんだもん。

 相手が強かったか、ホラ吹いてたかの二択じゃん?


「最初はミノタウロスの群れの討伐だったんです」


 そんな俺の思いは知らないだろうが、リリウムさんが話し始めた。


「森の中でミノタウロスの群れを見つけた。行商人が襲われたのが最初でしたわ」

「それから森は通らなくなったが、今度は街道にもミノタウロスが出てきたとの報告が上がってきた」

「で、町が襲われかねないという事で冒険者の派遣が決定され、ワシらに白羽の矢が立ったわけじゃ」


 『OP』枠脱却のため、ギルドの依頼を断れない。

 そんなリリウムさん達は、言われるままにその町へと向かい。


「たまたまそこに居合わせたSランクパーティの一人と共闘することになってな。まぁ苦戦はせんじゃろうと思ってたわけじゃわい」


 偶然にも、頼もしい冒険者も居た、と。

 今のところ苦戦する要素は無いよな? ……多分。


「で、話していたら町目がけて巨大な岩が投げられてな。ミノタウロスが投げたんだろうが、そのままだと町の建物へ直撃コースだった」

「それを私が転移魔法陣でミノタウロス達の頭上にお返し致しまして、これで半数以上が下敷きになりましたわ」


 ……思うんだけどさ、転移って魔法、移動だけじゃなくて攻撃にも転用できるのがヤバいよな。

 俺が読んでた漫画では、一番残酷な攻撃魔法とか言われてたし。

 転移先は深海。転移した瞬間圧死確定で、術者はそれを直接見ることがない。

 自分で手を下すわけでもない、だから、残酷だ、と。


「残ったミノタウロスも残さず撃破し、楽勝だったとか笑っていたらな……」

「まさかワイバーンが飛来してくるとは」


 なんて思い出していたら、話が急展開を迎えていた。


「ワイバーンって……空飛んでる竜ですか?」

「そうだ。我々の手に当たる部分が翼になっている竜だ」


 どうやら俺の知るワイバーンと一緒のようだ。

 ……ワイバーンって結構強いイメージあるんだけど?


「その場にギルドマスターも居たんだが、もう大騒ぎだった。ワイバーン襲来となればBランク以上の冒険者は招集必須。慌てて応援要請を出していたが、ワイバーンは既に目の前まで来ていてな」

「他の冒険者なんぞ待ってられんと、ワシらとSランクパーティの一人で倒すことにしたんじゃ」


 やれたのかなぁ? ……なんて思ったけど、やれて無いとここには来てないよね。

 倒したんだろうなぁ。


「もう大変だったぞ。俺やラベンドラは対空手段があるからそこまでだったが、ガブロが肉弾戦以外無理だからな」

「私が何度転移魔法で上空へと転移させたか……」

「今日一日に限って言えば、ワシは地上よりも空中に居た時間の方が長いほどじゃわい」


 ……もしかしてだけどさ?

 転移魔法を連続使用して、ガブロさんを無理やり空中に留めてた?

 無茶苦茶過ぎんか?


「私も、転移魔法を連続で使用しながら攻撃魔法を撃つ、なんて経験は初めてですわ」


 もっと無茶苦茶言ってる人居たわ。

 魔法って二種類を同時使用できるもんなの?

 あと、話聞く限りリリウムさん、魔法撃ちっぱなしですよね?

 それでようやく枯渇寸前なの?

 ふざけた魔力量してない?


「何とかワイバーンを二十体ほど倒すことに成功し、撃退は完了」

「その頃になって、応援で呼んだ冒険者たちが到着しての」

「もうやる事無いからと、村の修復を命じられておったな」


 で、結局撃退した、と。

 やっぱ凄いんだなこの人たち。

 あと、今サラッと二十体倒したとか言ったか?

 俺の頭の中では一体に手こずってるイメージだったんだけど、ワイバーンの群れだったのかよ。


「凄かったぞ。応援に来た冒険者がガブロの所に集まって来てな」

「ああ、あれか。『ワイバーンの解体を教えてください!!』だもんな」

「まぁ、ワイバーンは珍しいからの。直々に指導してやったわ」

「冒険者だけじゃなく、解体士ギルドの方々も集まっていましたわ。熱心にメモを取っていましたわね」


 やっぱガブロさんの解体の腕って凄いんだな。

 そんなみんなに指導を頼まれる程なのか。


「ああそう言えば、一つ忘れていた」


 と、何やら思い出したらしいラベンドラさんは。


「カケル、一つ頼みを聞いてくれないか?」


 俺に、とあるお願いを言ってきたのだった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 今となっては、ワイバーンの内皮と軟骨勿体無いなぁ(ジュルリ)ってなるやつ?
[良い点] 刃物を体内に転移とかさせてもえげつない……なんか、拷問用でも行けそうじゃね?転移
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