でしょうね
「魔法の炎を?」
「ですです」
庭に移動し、土鍋を浮かせ。
その下に、炎魔法を設置して温め続けるって寸法よ。
ちなみに火力は極トロ火。イメージとしてはまんまアルコールランプくらいの火力。
「用意した具材は茹でと焼き、一部に揚げもある」
「チーズもワインと合わせた奴と、牛乳と合わせた奴があるのでお好きな方で」
ちなみに今回のチーズフォンデュにはバゲットを用意しておりますゆえ、白米は無い。
絶対に白米でも美味しいと思うけどね。チーズと合うし。
「ワイン一択じゃろ」
「ですわね」
「お前らが食べたら俺の分が無くなる。譲れ」
「……牛乳も美味しいと思うんですけどねぇ」
飲む用のワインが無いって伝えたら、少しでもワインを摂取したいとワインの方の土鍋に寄ってくエルフとドワーフ。
というか、三年も待てば飲めるんでしょ? バハムートの血入れて熟成させた奴が。
我慢しなさいよ、エルフなんだから。
「まぁ、ともあれ食べよう」
「〆にはパスタを茹でて持って来るんで、残しといてくださいね?」
という俺とラベンドラさんの言葉で食事が開始。
もちろん、
「「いただきます」」
の言葉は忘れない。
「ベーコンが美味いわい」
「玉ねぎの甘さとチーズの塩味がたまりませんわ」
「エビが美味い」
「結論はブロッコリーだとあれほど……」
みんな思い思いの串なりピックなりを摘まんでチーズフォンデュに潜らせておりますわ。
……もちろんワインの。
というかラベンドラさんもそっちなんですね……。
いいですよー、俺だけ牛乳の方を楽しみますから。
まずは……いきなりバゲットから行っちゃお。
トーストして一口サイズに切ったザクカリのバゲットを、チーズフォンデュにシューーッ!!
超!! エキサイティン!!
「あふっ」
思ったよりチーズ水が熱かったけど、別にどうという事もない。
ちなみにチーズ水の見た目は……なんて言うんだろ、桃水的な?
ちょっとピンクがかった透明で、まぁ水の範疇の色合い。
そこに足した物の色、白ワインだったり、牛乳だったりの色に基本染まるかなって感じ。
で、その色合いなのに温めると本当にチーズみたいに伸びるんだこれが。
異世界って不思議だね?
「あ、美味い」
見た目からまろやか系のチーズを思い浮かべたけど、実際はワイルド系チーズの味わいだね。
あの……色が濃いオレンジのチーズあるじゃん?
主張が強い感じの……。
あんな感じ。
「ちょっとペッパーを利かせたいですね」
「ガツンと来る感じが欲しいな」
という事でチーズフォンデュに岩塩とブラックペッパーを追加。
なるべく高い所から振ってあげてっと。
「うむ!」
「これ美味いですね」
味が締まってかなりいい感じ。
プチトマトを食べたけど、トマトとチーズの相性ったらないな。
すっげぇウマイ。
「……美味そうに食うの」
「そっちも美味しそうですわ」
と、俺の食べてる様子を見て寄ってくるドワーフとハイエルフ。
ヨシ、やっと隙間が空いた。
ワインの鍋に体を寄せ場所を確保。
しばらくは退かん。
「むほほほ」
あ、ワインの方はちょっと味わいが違うな。
牛乳の方はガツンとチーズ!! って感じだったけど、ワインの方はまったりしてると言うか……。
ねっとりとした美味さが出て来てる気がする。
その美味さがホタテと絡んで最高なんですわ。
「バゲット単体でも美味い」
「乗せて食うのもいいぞ」
バゲットはマジでかなり焼いたからな。
ラベンドラさんが状態保存で焼きたての状態にしてくれてるし、マジでどんだけでも食べられる。
ベーコンをたっぷりチーズに絡めてバゲットに乗せ……一口で食べる!!
あー……幸せなんじゃ~。
「ラベンドラ、チーズ水は混ぜるもので風味が変わるのか?」
「らしいな。これも研究の余地がある」
牛乳の方へと移動したノーマルエルフとダークエルフが会話しておりますわ。
と言うか、ラベンドラさんもその特性知らなかったのか。
……うん、本音を言うとね? 水として使えるチーズってかなり凄いと思うよ?
作ってみなくちゃ分からないけど、カレーとかに使ったら多分革命だと思う。
もう二度と、カレーは飲み物なんて言う人が出なくなるくらいには。
だってカレー全体が伸びるんでしょ? チーズ好きにはたまらんだろ、それ。
あとラーメンにも試したい。
麺と一緒に伸びるスープを食べるラーメン……一部熱狂的な信者を生み出しそう……。
「甘い感じが出てくれれば、それだけでデザートに使えるんですけどねぇ」
具体的にはチーズケーキ。
文字通り生地がチーズみたく伸びちゃうケーキ。
具材とかトッピングとか考える必要がありそうだけど、美味しいと思うのよ。
クレープ生地とかにも混ぜたいな。
ダメだ、やりたい事が多すぎる……。
「調べよう」
「とりあえずこのチーズ水はリピ確定ですわ。ある程度の量を確保しておきませんと」
「ニンニクを入れて更にパンチを利かせたい」
「やりましょう。確定で美味いんで」
ラベンドラさんの意見を取り入れ、スライスしたニンニクを投下し。
結局、〆のパスタに辿り着くまでに、両方のチーズフォンデュは持つことが無かったのだった。




