湧き出る喜び
ピザで騒ぐエルフ達を見ながら、コーラをチビチビ。
……早くチョコレートフォンデュしたいなぁ。
「……む、蟹が無くなったわい」
「次はもっと量を買っておくべきかもしれませんわね」
「しばらくは蟹はいいですけどね……」
結局宝石蟹達を食べきるまでピザ作って……。
まぁ、それは想定内なんだけども。
とはいえ、またすぐ蟹を持って来られても困るし、しばらくはいいかな。
たまに食べるから美味いんよ。
毎日食べると有難味が無くなるわ。
「次は何を持って来ましょうかしら」
「ワイバーンあたりでも探して狩るか? また焼き鳥が食べたいんだ」
「美味かったからな、あれは。……焼き鳥を屋台で出したら売れるのでは?」
「妙案じゃが定期的にワイバーンを仕入れんと難しいぞい。群れや巣を見つけたなら別じゃが」
ワイバーンか。
確か皮が美味かったんだよな。
モチモチしてて、パリッとジューシー。
やばい、焼き鳥食べたくなってくる……。
「ふぅ……満足じゃわい」
「とても美味しいものでしたわ」
「トマトもクリームもどちらのソースも合う。宝石蟹の可能性は無限大だ」
「……食後という事は?」
「もち、チョコレートフォンデュです」
全員ピザを飲み込み、コーラを飲み干し。
ティッシュで口周りを拭いて、宙に浮かせていたお皿を回収。
ゴー君に別れを告げ、家の中に戻りまして。
「おおっ!!」
マジャリスさんが目を輝かせるくらいには、チョコレートフォンデュの準備が終わっていますわ。
「綺麗ですわね……」
「これら全部食べていいのか!?」
「もちろんです」
お代わりは無いけどね。
さて……それじゃあ俺が用意したチョコレートフォンデュの具材たちの紹介と行こう。
まずはド定番、果物から苺とバナナのチョイスだぁっ!!
バナナはもちろんこちらの世界の普通のバナナね。間違っても異世界のバナナじゃない。
続いてお菓子系からはマシュマロ! カステラ! 更にはパ〇の実!!
既に中にチョコが入ってるパ〇の実に、さらにチョコをコーティングしてやろうという極悪さだぜぶへへ。
そして最後に剥き甘栗。
これは興味本位での容易で、まぁ不味くはならんやろって事で。
「それで!? どうするんだ!?」
「まずは溶かしたチョコを流してスイッチを入れます」
ちなみにラベンドラさん達に溶かして貰ったチョコは、状態保存の魔法で溶けた直後の状態を維持してました。
で、チョコレートフォンデュの機械……チョコレートファウンテンの電源を入れると、機械の中央にある螺旋が回ってチョコを上に押し上げまして、上げられたチョコは機械に沿って流れ落ちていく。
この流れ落ちてるチョコにディップして食べるって寸法ね。
「……なるほど?」
「分かるんですか?」
ちなみにラベンドラさんはチョコレートファウンテンの取扱説明書を熟読中。
掃除の仕方とか書いてあるし、大体の構造が書いてあるから分かるっぽいな。
「原理は何となく。だが、これならば似たようなことが我々の世界でも出来るだろう」
「本当か!?」
「チョコが空へと昇っていく不思議構造だぞ!?」
「この世界と物理法則が似ているなら出来ると思いますよ?」
なんだっけ、ポンプスクリューとかだっけか? 名前。
粘性がある液体なら効率はそこまで高くないけど輸送出来るって仕組み。
まんまチョコレートファウンテンの中央で起こってることだし。
まぁ、粘性が高すぎるとあかんけど。
「私よりガブロが読んだ方が理解が早いだろう」
「どれどれ?」
と、説明書を挟んで覗き込む二人。
あの……お二方……。
リリウムさんとマジャリスさんがとても待ちきれない顔をしてらっしゃいますけど?
……しゃーなし、みんなには内緒だよ。
と言う訳でマシュマロを刺したピックを二人に渡す。
瞬間、パァッと顔を輝かせてチョコレートファウンテンにダッシュする二人。
子供かな?
そして、存分にチョコをコーティングして一口。
「ん~~~♪♪」
「やはりチョコ。宇宙の心はチョコだったんだ」
「あ、抜け駆けするな!」
「わしらにもくれ!!」
うし、やや強引だけどチョコレートフォンデュに全員引っ付けたぞ。
後はみんなに任せて俺も食べよっと。
……っぱ甘栗からだよな。
気になるもん。
不味いはずは無いと思うけど……。
うん、相性バッチリ。
栗の風味としっとりした食感が、コーティングされたチョコと相まっていい感じ。
チョコも滑らかで口どけいいし、剥き甘栗はチョイス正解だったな。
「フルーツも美味いぞ!」
「やはりイチゴだ。酸味と香りがプラスされたチョコレートは一騎当千の美味さだ」
「ねっとりした食感と柔らかさのバナナもチョコと合わされば万夫不当ですわよ?」
「時代はこの焼き菓子だ。チョコを吸った生地と卵の風味が百戦錬磨の味わいじゃぞ?」
翻訳魔法さん、無理して難しい日本語というか、四字熟語使わなくていいですよ。
本当にその使い方で合ってる? とツッコみたくなるんで……。
「うへへ、次はこれとこれと……」
「面倒なので全部浮かせませんこと?」
「自分の手でコーティングするのがいいんじゃろうが」
「風情を楽しめ風情を」
……あえて触れないけどさ。
マジャリスさん……ぶっ壊れてない? 大丈夫?




