見つかっちゃった……
祝! 500話!!
宝石蟹の在庫的に、今日で無くなってしまうだろう。
だからこそ、悔いのない料理を作りたい。
……そして、神様へのお酒のツマミに、トマトとチーズと生ハムを買う。
この材料から導き出される答えは……。
「ピザ。以上、解散」
俺のレシピにはそれしかなかった。
と言う訳で料理を伝えたら、調理はラベンドラさんに任せられるし。
とりあえず俺がする必要があるのは生地の準備と材料の準備ってわけだ。
もちろん、神様へのツマミの奉納も忘れない。
……というか、忘れる前に作るし。
「……オリーブオイルにラピスラズリ個体溶かします?」
(頼むぞい)
神様に聞いたら想像通りだったので、まずはトマトをスライス。
そしてモッツァレラチーズもスライスし、トマトと交互にお皿に並べまして。
ラピスラズリ個体を溶かしたオリーブオイルを回しかけ、最後に岩塩を全体に振りかけて一品目。
二品目は通常のオリーブオイルをかける代わりに、トマトとチーズと生ハムで作る。
そうして出来た二皿を神様に捧げるために、二礼二拍手一礼。
なお、顔を上げる前に皿は二つとも綺麗に消え去った模様。
「待ち遠しかったんだろうなぁ……」
神様の心情を察しつつ、俺は俺で晩御飯の準備。
ピザ用の生地を捏ね、ホワイトソースとトマトソースを作っておく。
各種野菜も洗って水気を切り、宝石蟹達も殻から外しまして。
……ラピスラズリ個体、そのままとオリーブオイルに溶かしたのと用意しとくか。
オリーブオイルに溶かした物も美味しいんだけど、溶かさない身にも良さはあるし。
使い勝手が良すぎてすぐ溶かして使おうとするの、最後だし勿体ないよな。
「冬場にCMで流れる蟹のピザ、割と食べるの夢だったんだよな……」
主にクリスマスが近くなると流れてたやつ。
エビとカニのピザでオーロラソースだった記憶。
だがしかし、そのピザは蟹を使っていると言ってもその量なぞたかが知れている!
対して今回の七色宝石蟹のピザはかぶりつけば口一杯に蟹が頬張れるくらいに乗せちゃうもんねー!
子供の頃に抱いた夢を、大人になってから贅沢に叶える。
……なお、俺には異世界からの助けが必要だった模様。
まぁ、年一の贅沢と考えれば出来なくもないんだろうけどさ。
一人でピザ作って焼いても楽しくないじゃん……って思っちゃう。
一人だとその分好きな具材しか乗せなくていいって良さもあるけど。
(お~い、翔や~い)
なんじゃ神様どん。
(ワインの感想を教えるぞ~い)
早くしてけろ。
(さっきからなんじゃそのノリは)
無視でいいです。
(まずは……そうじゃな。結論からいこうかの)
お、いきなりか。
まぁでも、神様としても品質が一番いい奴を量産したいだろうし、そうなるのも分かるっちゃ分かるか。
(ダントツでバハムートの血を入れた奴が美味い。熟成は三年がマストじゃな。ワインの芳醇な香りをより広げ、フルーティな感じはそのまま。やや重たくなってはしまうものの、その分の渋味や重厚な味わいは目を見張るものがあるわい)
十段階評価で何点です?
(文句無しの十じゃな。バハムートの血を入れたワインならばそっちの世界のワインと太刀打ちできる)
……かなり凄いのでは?
ラベンドラさん達の口ぶりだと、こっちの世界のワインは異世界のワインと隔絶した違いがある、みたいな反応だったはずだが。
(次はまぁ、爪を入れたワインじゃな。バハムートの血を入れたワイン程ではないが、こちらも美味い。スパイスのようなピリッと来るニュアンスが加わり、味は確実に美味くはなる)
なるほどなるほど。
ちなみに持ち込まれたワインに銘柄で変化の違いとかはありました?
(バハムートの血はほぼ万能に全体のランクを五くらいは上げるかの。その他はまぁ、入れるものによりけりじゃ)
となるとバハムートの血以外はむやみやたらに入れても味の向上が期待出来ないものがあるのか。
その辺の研究は向こうでやるだろうな。
大事なのはバハムートの血がワインの品質向上に大いに貢献するって言う事実。
……待てよ? ラベンドラさん達、バハムートを討伐するみたいな話をしてなかったっけ?
バハムートの血をワインに使うなら、出来れば討伐せずに血だけ抜き続けられるようにした方がいいんじゃ……。
でもダンジョンから飛び出て暴れたらとんでもない被害が出るだろうし……。
うん、異世界の国の安全の事は、当事者たちに考えてもらお。
俺はただ、バハムートの血の効能を教えるだけ、と。
――ちなみに好奇心なんですけど、バハムートの血をこちらの世界のワインに入れたらどうなります?
(わしの管轄に無いワインと混ぜたら、そりゃあ乗っ取って攻撃してくるじゃろうな)
あぁ、そう言えばそんな事言ってたような……。
そもそも液体が襲うってなんだよ、と思ったけど、アメーバ的な感じか?
あるいはスライム。
スライムの方がイメージしやすいな。
ワインが元のスライムか……、そのまま美味しく頂かれそうだ。
(たまに思うが、お主の国の住人たちは食べ物に関して野蛮すぎやせんか?)
気のせいでは?
こだわりというか、執念が凄いのは認めますけど、野蛮とは思いませんね。
(うぅむ……)
なんて話していたら、紫色の魔法陣が登場。
さて、それじゃあ早速神様からの感想を伝えるとしますかね。




