没落理由:食欲
前日の更新がn度目の投稿順番間違いをしております。
正規のエピソードをド深夜に投稿し、順番を入れ換えておりますので、まだの方はそちらからお読みください……
「結局チョコが正義だと何度言えば分かる!!」
「チョコが正義なのは前提で、そこに何を付加するかだとこっちこそ何度も言っている!!」
「ガブロ、そちらの〇ッキーを取っていただけます?」
「ほい。しかし、言い争いなぞせんで楽しめばいいだけじゃろうに……」
……大変申し訳ございません。
まさか本当に、キノコタケノコ戦争が勃発するとは思ってなかったんです。
ちなみにきのこ陣営がマジャリスさん、タケノコ陣営がラベンドラさんになっております。
はよ終わらんかなぁ……。
「二人とも落ち着きなさい? カケルがキレますわよ」
「いや、何を急に……」
「すまなかった」
「申し訳ない」
うわぁ!? 急に冷静になるな!!
というかなんだ?
俺がキレるとそんなヤバいって認識あるのか?
そもそもキレた覚え無いんだけど……。
「食事抜きは勘弁してくれ」
「デザート抜きもこたえる……」
ああ、なるほど?
俺がキレた先に待っているであろう事象について恐怖してたのか。
食の抑止力ってか?
「とりあえず落ち着いてください」
「落ち着いた」
「凄く落ち着いた」
「ちなみに二人が言い争っていたお菓子、実際にこの世界の人間でも対立しているものなので……」
ネタだけどね、ほぼほぼ。
でもまぁ、霊長類最強のレスリングネキがたけのこ陣営に付いているので、たけのこの勝利で終わりそうではある。
勝てんて、中国でのあだ名が『絶望』のネキには。
「やはり……」
「ただ、それはそれとしても家の中で暴れないでください」
「うむ……」
言い争うだけならまだ可愛いのよ。
その内魔法を撃ち始めるからな、この人ら。
なお、放たれる魔法は全てリリウムさんの反発魔法にて打ち消される模様。
青ニマナ、カンスペ。
違うな、コスト無しのウィルみたいな……。
「しかし、これらが手軽に買えるのだろう? この世界では」
「です。子供の小遣いでも買えますよ」
「文明の発展とは凄いものなのだな……」
今でもあるのかな? おやつは三百円までって。
駄菓子屋とかに遠足前におやつ買いに行くの楽しかったな。
必死に計算して何とか予算内に多くを買おうと頑張ってた記憶。
「どれもチョコレートを用いながら、それぞれ違った味わいを見せる」
「これほど種類があれば、どれが一番美味しいかと論争が起きるのも当然ですわね」
「しかもまだまだあるはずだ。この世界の人間がこの程度の種類で満足するはずがない」
「下手すりゃわしらが今から食べ出したら死ぬまでに間に合わん程の種類があるかもしれんのぅ」
……あり得そうで怖い。
そもそも、日本のメーカーのチョコレート菓子ってだけで種類は膨大だし。
その上国が違うだけで売られている商品も変わる。
文字通り、無数にまだまだ存在するし……。
「コーヒーが美味い」
「紅茶も美味い」
チョコレートを楽しんだら、それぞれコーヒーと紅茶で一服。
チョコレートの甘さの後にはコーヒーの苦みが染みますねぇ。
「ふぅ、美味かった」
「これまでのデザートとはまた違うが、手軽さ、という点では目を見張るものがある」
「ああして一回分を個包装されていると食べ過ぎなくていいですわ」
「そうか? 俺はもっと食べたかったが……」
「お前の場合はあるだけ食うじゃろうが……」
あるだけ食べるというか、食いつくすというか……。
というか、リリウムさんが食べ過ぎなくていい、とか言ってるのも違和感凄いな。
実は向こうの世界で体型維持の為に努力してるんだろうか?
あと、お肌の手入れとか。
甘いものばかり食べると吹き出物がね……。
大変だよね……。
「よし、カケル」
「お持ち帰りですね?」
「またオリーブオイルだけ貰えるか?」
「アヒージョですね?」
「その通りだ」
俺には何でもお見通しなんだから。
どうせ向こうの世界でも食べたいと思ってたんだろ、と。
「昨日のパスタも食い付きが良かった。もう一押しで堕ちるかもしれん」
「一度取り込んでしまえばこちらの物ですわ。私達でなければあの料理は作れないんですもの」
「胃袋から落とせとはよく聞くが、胃袋で寝返らせろ、とは聞いたことないがの」
「だが、食べ物に釣られて一国を大国へと押し上げた転移士なら目の前にいるぞ?」
物騒な話が聞こえて来たけど無視。
僕には関係ない話です。
「そう言えばですけど、そちらの世界のオリーブオイル、手に入ったら俺も食べてみたいです」
「……そう簡単に手に入るとは思えんがのぅ」
「気を長くして待っていてくれ。私でさえ、百年前くらいに一度見たっきりだ」
「持ってそうな貴族襲って奪ってもいいですわよ? 爵位が高ければ持っているでしょうし」
「宝石の為に襲撃される貴族が可愛そうなんでやめてあげてください」
流石に可哀そうだよ。
料理に使う宝石……と同じ位に高価なものの為に襲撃される貴族。
しかも絶対に成功させるであろう実力の持ち主とか。
というか、それでお尋ね者とかになる可能性あるとか笑えんし。
追手の追撃を躱す為ですわ、とか言ってこの家に転がり込んですら来そう。
いきなり四人を養うハメになるとか御免被る。
「ついでに、まだあの菓子たちがあれば貰っていきたいのだが……」
「あ、どうぞ。いっぱい買って来たんで」
「まだあるじゃないか! 隠してたな!?」
オリーブオイルを渡す時にラベンドラさんに本日のお菓子たちを要求された。
別に渡すのはいいんよ。また明日買ってくればいいし。
ただ、マジャリスさんに隠してた事がバレたのがな……。
あればあるだけ食べると思って、前もって隠しておいたんだが……。
「マジャリスは明日の食事は食パン一枚で大丈夫だそうだ」
「…………………………………何でもない」
クッソふてくされてますけど?
ただ、食事を盾にされたら嫌でも従わざるを得ない、と。
「別に向こうの世界で食べるんだから少しくらい我慢しろ」
「本当か!?」
「ああ。無論『無頼』達と食べるがな」
異世界で食べると聞いて、ちょっと膨れた頬が萎んだ。
見てて飽きないんだよなぁ……子供かな?
「ではカケル、また明日」
「はい、明日」
四人が魔法陣へ消えるのを見送り――、
(お代わり)
分かってますって。
異世界牡蠣も貰えたんで、それも入れます。
(ひゃっほい!!)




