結局頼る
n度目の投稿順番間違い……()
大変申し訳ありませんでした!!
しかも気付くまで時間掛かりすぎという……
本当に重ね重ね申し訳ありませんでした!!
先生怒らないので正直に言いなさい。
カニミソが溶け込んだアヒージョが美味しく無いと思った者、挙手。
いねぇよなぁっ!?
「もう……最高……」
「感動すら覚える」
「プチトマトの美味さがヤバい」
「凄く凄い美味しいですわ!!」
「美味いでごんす」
ガブロさんの翻訳がバグった。
~じゃわいとか今まで言ってたのに、急にごんす口調になったでごんす。
それだけアヒージョが美味しいって証左なのかもしれん。
「正直な話、やはりカケルは天才だと思う」
「急にどうしました?」
なんかいきなり褒められたんだが?
あ、あっしはしがない一般人で、天才とは程遠い存在でごんす……。
「ラピスラズリ個体がオイルに溶けると気付き、その味わいからアヒージョに使う事を思いついた。普通に天才だと思うが?」
「でも、ラベンドラさんもその内気付いた事でしょう?」
既存の料理に使うって発想だけで天才認定は流石に基準ががばがば過ぎやしませんこと?
「私は天才だが?」
「あ、はい」
……あれか? 天才の俺より先に気付くなんて……って事か?
だとしても俺は天才じゃないよ。
天才だったらこうして会社員なんてやってないから。
「お前ら、ワインを飲んだか!?」
「抜け駆けしやがりましたわね!?」
「アヒージョに一口で呆けているからだろうが!!」
「飲むぞい!!」
俺とラベンドラさんが問答……問答かな?
とりあえずやってたら、マジャリスさんが皆を我慢出来ずにワインを開けてまして。
それを追いかけて、みんなワインに飛びついたとさ。
「発泡がかなり細かい……」
「色も奇麗な黄金色ですわ……」
「香りも強く、それでいてフルーティ」
「アヒージョがあの味じゃから、辛口であると嬉しいが……」
まずは見た目、料理同様にワインの大事な要素である。
だからみんなしっかり確認。
ちなみにマジャリスさんはワインを飲んだわけじゃなくて開けただけだった。
つまりは冤罪って事かな……?
「うむ、しっかり辛口」
「発泡が口の中のオイルをしっかり流してくれるな」
「嗅いだ通りのフルーティさと、様々な果実やナッツのような香り……」
「どっしりとした飲みごたえでありながら、口当たりは軽いですわね」
俺も飲んだけど、これ美味いね。
スパークリングワインはどれも普通のワインに比べてアルコール度数が抑えめなのがいいわ。
……それでも、グラス一杯で俺は限界だけど。
「濃厚なオイルに合えば野菜にも合う」
「蟹の身にもしっかりと合いますわ!」
「野菜や蟹の甘さにも合うし、ベーコンのスモーキーな香りとも相性抜群」
「何よりこの華やかなペッパーの香りとの相性が抜群なんじゃ。アヒージョと最高の組み合わせと言っても過言ではないわい」
そりゃあ、ネットで調べたアヒージョに合うおすすめワインだからな。
ネットの集合知舐めんな?
最近だとなんかよく分からない個人サイトに飛ばされて散々広告を見せられつつスクロールさせられた上に、大体のワインに合う! みたいな怒りを覚えるような記事もあるけど。
役に立ちましたか? じゃねぇんだよ。
役に立つことを書いた自覚がある場合に使え、その文言は。
「オイルをたっぷり纏ったブロッコリーの素晴らしさよ」
「バゲットをオイルに漬けて食ってみろ、飛ぶぞ」
エルフの言う飛ぶぞ、は比喩でもなく浮くからなぁ。
食事中は行儀が悪いからやめなさいね?
「革命だ……」
「この美味さで国を乗っ取れますわ。何ならやってきますわよ!?」
落ち着いてもろて。
リリウムさんならマジでやるだろ……。
ダメだって、ここはもっと穏便に暴力で……。
「オイルに溶かして調理する方法は国王に献上確定。あとはこの世界のオリーブオイルと同じ特性を持つオイルを探すだけだが……」
「神様に頼みます?」
「そんな簡単に……」
「だって、見つかれば異世界でもアヒージョとか作れるようになって、神様にもお供えしやすくなるでしょう?」
「それはそうだが……」
俺だけがお供え出来るより、異世界の人たちもお供え出来た方が口にする頻度は増えるわけで。
神様的にも、そっちの方がいいでしょ?
(うぅむ……そう簡単には手に入らんようにするぞ?)
構わないんじゃないです? 『夢幻泡影』ですよ?
意地でも探すでしょ。
(……よし)
出来たか。
やっぱ先にアヒージョを食べさせてて正解だった。
これ食べたらまた食べたいって思うもんな。
(追加でワインを貰うぞい)
明日でいいです? また別の銘柄を買って来ますから。
(うむ。……あと、八百万の視線を感じるから、そっちへのお供えも近い内に……)
分かりました。善処します。
それで? 異世界のオリーブオイルはどうすれば手に入るんで?
(フローラパールという、花の蜜が固まったピンクのパールがこちらの世界にあるんじゃが、それに強い圧力を加えると出てくるようにした)
そのまま伝えても?
(構わんぞい)
うし、フローラパールね。
「なんか、フローラパールという花の蜜の塊を絞れって事らしいですけど」
「フローラパール……か」
うん? 表情が曇った?
「かなり高級なものですわ。カケルの言う通り、宝石ではなく花の蜜の塊なのですけれど、宝石と同じ――いえ、宝石の中でも最上級に高いものなのですわ」
「それを絞る……贅沢過ぎる使い方だ」
「貴族に襲われかねんぞい」
……そんなになんだ。
まぁ、料理一皿作るのにダイヤを一個砕くとか言われたら恐れ多くて食えんわな。
「とりあえず一つは何としても手に入れて試すとするか」
「じゃな、まずはそれからじゃ」
「カケル、アヒージョのお代わりを頼めるか?」
「ワインも!!」
「少し待っててくださいね」
つくづく思う。
美味しいものが身近にある世界でよかったなぁ、と。




