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DAISUKELF

「ちなみにラベンドラさん」

「なんだ?」


 持ち帰りのご飯の準備をしつつ、ラベンドラさんに尋ねてみる。

 尋ねる内容はもちろん、向こうの世界でバハムートを使ってどんな料理を作ったか。


「そちらで作ったバハムートの料理はどうでした?」

「先に話題に出したように、スープが好評だった。マグマで加熱する方法は加熱時間が難しくてな。何度かトライする羽目になった」


 ふ~む。

 マグマで加熱された異世界食材、味わってみたいんだよな。

 こう、絶対に現実では味わえない食材と調理法だからさ。

 純粋に興味が湧く。


「それにマグマで加熱すると食えない部分が出来てしまってな」

「というと?」

「表面が焦げるのだ。しかも、まるで岩のように固くなる。そこを削いで食べる訳だが、削いでみると食べられる箇所が半分くらいになってしまう」

「あー……」


 芯までしっかり火を通そうとすると、表面が焦げちゃうのか。

 で、その焦げも俺の知る焦げではなく異世界仕様、と。

 ちょっと勿体ないよなぁ。食べられない場所が出来ちゃうのは。


「レンジで簡単に調理していたが、あれは物凄い効率だぞ?」

「でも、レンジの原理の魔法は皆さん使えるでしょう?」


 教えたはずだぞ? ……何故か攻撃魔法の扱いになってた気がするけど。


「あれもな……」


 ? 効果が無いとか?

 確かに神様は科学由来の方に融通利かせたみたいな事言ってたと思うけど……。


「私達で改良して威力を上げまくっていましたら、いつの間にか物を温めるにはいささか火力が……」


 目を逸らしながらリリウムさんが言ってるけど、それ、本末転倒では?

 というか、少しくらい調整出来るようにしときなさいよ。

 一体どれくらい威力上げたの?


「……ちなみにどれくらい強くしたんですか?」

「多分、元の百~二百倍くらいに……」


 そっと横目で俺の家の電子レンジを確認。

 500wと600w……か。

 その百~二百倍ねぇ……。

 おおよそ物を温めるってレベルじゃないと思うな。

 そんな火力見た事無いからどんなもんかピンと来ないけど。


「『レンジでチン』……デチューンするか……」

「デチューンというか、元に戻すだけじゃな」

「面倒な事なんです?」


 なんかこう、威力を変更するなら、詠唱とかを変えるイメージなんだけど。


「色々と大変なのですわ」

「詠唱を変えるだけなのでは?」


 素人質問で恐縮ですが。

 

「戦闘中にのんきに詠唱をするわけにもいかない。だから基本的に無詠唱で行えるよう、装飾品などで詠唱の代わりにしている」


 ……どういうこと?


「装備の組み合わせ、発動までの行動を固定化し、それらに詠唱と同じ意味を持たせておりますの」

「そうすることで戦闘中に決まった動作をするだけで無詠唱で魔法を放てる」

「それを『レンジでチン』にも適用しとるっちゅーわけじゃな」


 なるほど?

 多分だけど、手話みたいな感じかな?

 手話と同じで、あらかじめ詠唱に対応した動きを決めてて、それらを実際に動かすことで詠唱の代わりにしている……と。

 確かに、目の前に自分の命を狙ってる魔物が居るとして、のんきに呪文詠唱とか出来んよな。

 ――てことはもしかしたら、この四人は戦闘中にパラパラを踊ってるみたいなことしてるのか?

 ちょっと見たいな、その絵面。

 

「何を想像しとるか知らんが、変な動きはせんぞ?」

「……想像してませんよ?」


 ガブロさんがジト目でこっち見てるけど、心外ですね。

 ちょっとだけですよ。想像したの。


「多くは耳や手、指の動きだけで、身体全体を使うのは発動の時だけだな」

「なるほど」


 パラパラじゃないじゃん。

 エルフが躍るパラパラとかちょっと面白そうだったのに!


「露骨な動きをすると相手も警戒する。無詠唱で魔法を撃つ時に、いかに相手に身構えさせないか、を考えながら振り付けるからな」


 振り付けって言ってるし。

 いや、これは翻訳魔法さんか。


「よし、こんなもんだろう」

「姉貴にも大好評でしたから、美味いですよ~」


 ちなみに作っていた持ち帰りはタンドリーバハムートサンド。

 時間跳躍でじっくり味を染み込ませてレンジで加熱したバハムート肉を、目玉焼き、トマト、レタス、チーズと共にバゲットに挟み。

 仕上げに表面をラベンドラさん達に魔法で炙って貰って完成。


「あ、ゴー君の中に入ってる塩釜焼きも時間跳躍お願い出来ます?」

「やっておかねば明日の分の肉が無いのだろう?」

「ですです」


 忘れずに明日の分の肉も解呪しまして。

 明日は清酒を買ってくるからね。

 そしたら、今より解呪が楽になるはずだからね。

 もう少しの辛抱なのだ。


「では、カケル。また頼む」

「食べる時はバハムートのスープと一緒にどうぞ~」

「そうしよう」


 向こうが戻る前に少しだけアドバイスしつつ、手を振ってお見送り。

 ……さて、と。


「明日のメニュー、どうしようかなぁ」


 バハムート肉、美味しいしどう料理してもいいんだろうけどさ。

 だからこそ、困るというか。

 結構思いつく料理、今までもやっちゃってるんだよねぇ。

 いっその事、これまで作った料理をバハムート肉に置き換えてアップグレードを目指すか?


「そういや、姉貴がワインに合うはずとか言ってたな……」


 ――ハッ!?

 そうだ! あれ作ろう! シンプルな材料から繰り出される、最高の料理を。

 明日は朝から気合入れて作っちゃお。そうと決まれば就寝就寝。

 風呂! 歯磨き! ゴー君へのご飯!

 かーらーのー……睡眠!

 ――おやすみなさい。

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― 新着の感想 ―
もう20年以上前なのか… ネットミームは時折見かけるから、そんなに古いネタだと気付かないことあるよね。
◦<(¦3[▓▓]スヤァ 恐ろしく速い就寝…俺でなきゃ見逃しちゃうね? 一体何をグレードアップするんだろ、数が多くてわからんわーw
たぶんローストバハムート?
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