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釣れてしまった

「バハムートは生食する物と見つけたり」

「解呪が異様に面倒な事を除けば、概ね同意だ」 

「マグマにぶち込めば解呪も加熱も済んでしまうからのぅ」

「一々教会に頭を下げるのも癪ですものね」


 食事を終え、口元を拭き拭き。

 いやぁ、別にそんな事を狙ってたわけじゃあなかったけど、バハムート肉、韓国料理と相性がいいのかもしれない。

 クッパもユッケも最高だったし。


「……さて、カケルよ」

「デザートですね?」

「うむ」


 食後にマジャリスさんから名前を呼ばれる。

 それすなわちデザートの時間の始まりを意味する。


「用意するので少し待っててください」


 そう言って立ち上がり、炊飯器、オープン!

 うむ、しっかり膨らんでおられる。


「? ご飯?」

「匂いを嗅げ。米の炊ける匂いではない」

「卵のいい匂いがしますわ。ケーキですわね」


 まぁ、ケーキは当たらずと(いえど)も遠からずかな。

 炊飯器でケーキだって作れるしね。

 ただ、今日作ったのがケーキかと言われるとそうではないわけで。


「今日のデザートはカステラです」


 異世界組向けにシンプルに説明したけど、俺らで言う所の台湾風カステラ。

 それをオーブンとか使わずに炊飯器で作ったのが今回のデザートなり。

 なお、炊飯器で作る都合上、カステラのザラメの部分というか、上下にある茶色い部分はない。

 仕方ないね。


「ケーキとは違うのか?」

「一応分類は和菓子なんですよね」


 調べてびっくりしたけど。

 なんでも、カステラの材料に水飴とかが使われているって事で、和菓子に分類されるとか。

 あと、戦国時代に入って来た物を、日本人お得意の魔改造を施したものがカステラらしく。

 一応、原型のお菓子もあるにはあるらしいけど、カステラという名前でもなければ作り方も見た目も違うらしい。

 好きだよね、日本人。そう言うの。


「ラベンドラさん五等分お願いします」

「うむ」


 と言う訳で炊飯器から取り出したカステラを五等分にして貰い。


「生クリームとアイス乗せられますけど?」

「両方貰う」

「私も両方お願いしますわ」

「……アイスだけ頼むわい」

「全部マシ!!」


 注文通りにアイスと生クリームを添え、仕上げにミントなんかを飾れば完成。

 炊飯器で作った、台湾風カステラ~生クリームとアイスを添えて~になります。


「紅茶かコーヒーは?」

「紅茶で頼む」

「コーヒーじゃな」

「紅茶をお願いしますわ」

「カステラのお代わりを!」


 ……マジャリスさんも紅茶っと。

 ていうかね?

 まだ一口も食べてないのにお代わりを予約するんじゃない。

 あと、お代わりはない。作ってないからな。


「では早速……」

「頂くぞ」


 という事で宣言し、まずはカステラだけをフォークで刺して一口。

 お味の方は……?


「美味い。美味い!」

「しっとりとした口当たりで美味しいですわね」

「焼き上げられた生地のきめ細やかさ、これがしっとりとした口当たりを作り出しているんだな」

「ふむ。控えめな甘さが嬉しいわい」


 うん、よく出来てるっぽい。

 俺も一口……。

 ――うっめ。

 確かにかなりしっとりしてるな。

 間違いなくカステラではない。

 台湾風って枕詞無かったらなんて呼んでいいか分からなかったかもしれない。


「生クリームやアイスと一緒に食べる事を想定された甘さか」

「紅茶とも合いますわ~」

「コーヒーとももちろん合うぞい」

「マシマシだー! マシマシだー!」


 ……マジャリスさんは一旦無視するものとする。

 スイーツ作る時に思うんだけどさ。

 入れる砂糖の量、不安にならない?

 俺はなる。

 かと言って分量通りに作らないと失敗しちゃうし……。

 特に砂糖なんか、味付け以外にも保存の兼ね合いでその量……とかってのはざらにあるわけで。

 バターと砂糖、スイーツを作る上で入れる量を不安になるものトップ2だと個人的に思うのですよ。

 分量通り入れていても、こうして甘さ控えめなんて感想が出てくるあたり、少し怖い。


「材料は玉子と小麦粉か?」

「です。ただ、卵黄多めで作ります」

「なるほど。あとでレシピを頼む」

「分かりました……炊飯器で焼き上げる部分はどうします?」

「そこは感覚でどうにかする。任せておけ」


 ラベンドラさんの言葉が頼りになり過ぎるのは俺だけでしょうか?

 ちなみにこの会話、他三人も聞いてたけど、最後のラベンドラさんの台詞に全員頷いてた。

 ラベンドラさんならやるって信頼があるんだろうな。


「炊飯器というのは米を炊くだけではなかったんだな」

「最近のだと色々機能がありますからねぇ」


 早々に食べ終えたマジャリスさんが炊飯器に興味を持ったらしく。

 炊飯器の前に行き、書いてあるボタンを熟読し始めた。


「例えば何が出来るんだ?」

「カレーやシチューはもちろんですけど、豚バラ煮込みとか甘酒なんかも作れますね」


 作った事無いけど。

 カレーやシチューは鍋で作るし、豚バラ煮込みも同様。

 甘酒は、自作する人の方が珍しいんじゃないか?


「……酒?」

「甘酒はアルコールあるやつもありますけど、俺が飲んだことあるのはアルコールが入ってない奴だけですね」


 酒粕から作るとアルコール分があるんだよな。

 それでも1%未満とからしいけど。

 俺が飲んだことあるのは米麹から作るやつだけだな。

 ばあちゃんが手作りで昔作ってたんだよ。

 ……あ、居たわ。自作する人。

 

「いずれ飲んでみたいのぅ」

「酒と思って飲むとがっかりするかもしれませんよ?」

「甘い飲み物なんだろう? 気になるぞ?」


 ああ、甘酒って文字列に甘党が反応してしまった。

 ……しゃーない。明日清酒に合わせて甘酒も買って来てやるか……。

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― 新着の感想 ―
台湾カステラ美味そうだなー、アイスとか生クリームはちと手が出しにくいのでハチミツバターでもよさそう? と言うか、調味料の分量とか「ご覧あそこに列なる死屍累累をあれが甘味の闇を越えようとした者たちの姿だ…
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