なんでもありだもんなぁ……
とりあえずバハムートの肉の話は置いておいて。
みんな、麻婆豆腐に牡蠣入れてみ? 飛ぶぞ。
なんかもう、牡蠣の旨味が全部に滲み出ててズルい。
あと、自家製オイスターソースを一回し入れたのがクッソ効いてる。
……白米食いたい。
「これ……麻婆丼にしたいな」
「滅茶苦茶分かります。白米泥棒ですよね」
「チャーハンも十二分に美味いんじゃがな」
「この世界の白米が美味い料理と合い過ぎる……」
「牡蠣最高~」
こう……好奇心で入れたんだけど、ちょっと大正解過ぎたな。
最終問題で一億点とか与えられた感覚だわ。
「この料理も、あちらで手軽に食べられるようになればいいですのに」
「スパイスばかりはな……各ギルドが手を組んで栽培や収穫、生産を行っているが、やはり供給が細い」
「しかも問題は自然の魔物たちから採れるそれらと比べて香りが弱い事じゃわい」
「いっその事新種の魔物でも見つからないものか……」
麻婆をレンゲで掬い、それを見つめながら言われましても……。
ウーム……神様、どうにかなりませんか?
(わ、わしか?)
他に誰が居るんですか?
何も新しい魔物を作り出せとかは言いませんから。
こう、スパイスが取れる魔物のヒント辺りを……。
(ふぅむ……。そうじゃのう……)
折角異世界の神様が居るんだから、異世界の問題……というか、要望を解決出来ないものか……。
それに見合うだけのワインや料理は捧げて来たでしょ。
(今四人が居る海底ダンジョンはあそこじゃろ……? と言う事は……)
よし、何やら神様は考え始めたから、多分ヒント辺りは貰えるだろう。
待て、しかして希望せよ。
「しかし、防具に使う素材を食べるというのはやはり慣れんのぅ」
「弾力や伸縮性、柔軟性がこうしてそのまま食材の強みになっているのがまた……」
「あら、美味しいからいいではありませんの」
「よもや腹が減ったからと防具を解体して食事をするわけでもあるまい」
……何その絵面、ちょっと見たい。
ほら、某錬金術漫画でも、遭難しただかで革靴煮込んで食べたみたいな描写あったし。
非常食的な?
日本の城の庭に松の木が生えてるのも、篭城する時の最後の非常食だったみたいな話聞いたことあるし。
皮の内側の白い所を加工して食べるんだったか?
「それはもちろんそうじゃが……」
「少なくともしばらくは貝柱は楽しめる。多少ギルドに売り捌いたとしても、飽きが来る方が早いくらいだろう」
「ちなみにアワビは酒蒸しも美味しい調理法でしてね?」
本来は装備の材料である貝柱を食べる事で議論している四人に、爆弾を一つまみ。
主にドワーフ特攻の話だけど。
「酒……蒸し……?」
「です。しっとり柔らかく、ほのかにお酒の香るとても美味しい料理になります」
「ラベンドラ……」
「顔がキモイ。瞳孔ガン開きで口から涎を垂らしながらこちらを向くな」
恐怖映像かな? あるいは確実にお薬やってるやつ。
多分今ガブロさんの頭の中は、お酒飲みたいって欲とお酒を使った料理への期待でぐちゃぐちゃになってる。
まぁ、お酒だけなら渡しますよ。
「そう言えば、米から作るお酒の方は順調なんですか?」
確か、米が異世界で見つかった時に、米から作るお酒の話をしたはず。
それをガブロさんが聞き逃すはずも、忘れる筈も無いと思うけど。
「一応醸造ギルドには伝えたぞい」
「今頃四苦八苦して作っているだろう」
「だが向こうの米はな……まだまだこちらの米に大きく劣る」
「香りも甘さも全然足りませんもの」
「美味しいもんねぇ……日本の米」
海外に言ってた姉貴が言うと重みが違うよ。
日本以外にも米はあるけどさぁ、やっぱり日本の米が一番なんやなって。
(よし)
? 神様? どうしました?
(海底ダンジョン付近の深海に存在する魚の卵を、こちらの世界で言う複数のスパイスと同じものに書き換えた。それを伝えるんじゃ)
……?
それ、よし、で済ます事です?
(わし神ぞ? 神が良いと言うなら良いんじゃ)
あ、はい。
それ言われると何も言えんや。
「えーっと、神様からの報告です」
「神から?」
「なんでしょう?」
(あ、書き換えたところは伏せてくれ。深海の魔物の卵を探すと良いと伝えられた、くらいで頼むぞい)
あー……四人に肩入れしてると思われたくないのか。
了解です。
「皆さん海底ダンジョンを探索してたんですよね?」
「そうじゃ」
「そのダンジョンの近くにかなり深くなっている場所って有ります?」
「ある」
「その深くなっている場所に住む魔物の卵を探して見よ、との事らしいです」
言ってて思ったけど、海底ダンジョンだけど特に底にあるわけじゃないのか?
深海がさらにあるっぽいし。
「その卵が何か、を言わない辺り、探して自分たちで気付け、と言う事なのでしょうね」
「天啓……だろうな」
「元の世界に戻ったら即深海探索とするか」
「深海かー……浪漫だよねぇ」
この世界でも深海の事はほとんど分かってないみたいな話を聞くし、ましてやそれが異世界とかならなおの事なんだろうなぁ。
もしかしたら、ラベンドラさん達が探すもののほとんどが深海にあって未発見なだけだったりして。
(♪~(´ε` ))
……もしかしなくてもそうっぽいな。
神様が露骨に口笛吹き始めたし。
「ふぅ。大満足も大満足じゃわい」
「天啓まで賜ったし、最高の食事だったな」
「食べ終わったという事はもちろん……?」
「デザート! ですわよね?」
と言う事でご馳走さまでした。お粗末様でした。
さてさて、それじゃあ姉貴のリクエストのお汁粉を作っていきますか。
実を言うとね、ちょっと試してみたかったのがあるんだ。
という訳でカモン! ラベンドラさん!
一緒にお汁粉を作りますわぞ~。




