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せなごはほすず

書いてる時はそれくらいの時期だったんです!

信じてください!!(n度目)

「今夜のご飯は?」

「飯食いながら次の飯の話するかね……」


 朝ご飯を魔牡蠣のガリバタ醤油おにぎりとしぐれ煮おにぎりで済ませ。

 お昼には残しておいた炊き込みご飯に出汁をかけてのお茶漬けを。

 そこにゴー君作ののどぐろの干物を焼いて添えた時に姉貴から出て来た、今夜の食事の話。

 なんと言うか、食いしん坊だなぁ、と。


「いや、気になるじゃん? 昨日の牡蠣尽くしの後だよ? で? で? 何作るの?」

「おかゆ」

「そっかー、おかゆかー。……おかゆ?」

「おかゆ」


 お茶漬けに海苔を散らし、軽く出汁に浸してしんなりさせたら、息を吹きかけ冷ましながら掻っ込んでいく。

 炊き込みご飯に元々ついてる出汁の味と、後からかけた出汁の味とで旨味の追従が凄い。

 輪唱か? ってくらい旨味を感じるね。


「おかゆ……だけ?」

「だけ」


 そんなお茶漬けに入ってる一口サイズの魔牡蠣が美味いんすわ。

 出汁とも米とも合うもんだから、考えた配分で食べないと魔牡蠣だけ先に無くなっちゃう。


「……寂しくない?」


 で、お茶漬けを一通り堪能したらのどぐろですよ。

 もうね、美味い。

 味付けバッチリで干し加減も完璧。

 注文通り、ふわりと香るスモーキーな風味が食欲をそそりますわ。

 皮ごと身をほじくって、お茶漬けに乗せて掻っ込む。

 これが最高の干物の味わい方だね。


「姉貴」


 ……さっきからなにやら言ってますけど?

 忘れてりゃしませんかい?


「なに?」

「七草粥の時期なのよ」

「……納得」


 年明けに食べる粥と言ったら七草やろがい!!



「邪魔するぞい」

「いらっしゃ~い」


 魔法陣からぼわっと、『夢幻泡影』が登場。

 

「すまない、カケル」

「? なんでしょう?」


 登場してすぐ、ラベンドラさんに声を掛けられ。

 何事かと思って聞き返せば……。


「こちらの世界の生クリーム……あとアイスクリームを提供して貰えると嬉しい」

「……どういうことです?」


 まだデザートではないが?

 いきなり食べたいってこと?


「ラベンドラったら、今日一日ずっとウンウン唸りながら再現フルーチェのアレンジをしていましたのに……」

「まだ納得が行ってない様子でな」

「もうこちらの世界の材料を使わせてもらう所まで思い詰めとるらしいぞい」

「もっと……私に力があれば……」


 あー……。

 俺らに食べさせるのにずっと工夫を凝らしてたんだ……。

 で、ラベンドラさんのプライドに見合う出来にならなかった、と。

 あまり根を詰め過ぎるのも良くないと思いますけれどねぇ……。


「生クリームは構いませんけど、アイスは無いですね」

「……そうか」


 ちなみにアイスはない。

 何故なら買ってたのは全部ラベンドラさん達が平らげたから。

 ……炬燵出したし、冬のイメージが強い大福アイスとか買っといてもいいかも。

 あれ、何故か冬に食べた方が美味しいんだよなぁ。

 俺の勘違い?


「そして、カケル。すまないが今日の料理は任せていいか?」

「構いませんよ。そんなに面倒な料理じゃありませんし」


 七草粥だし。

 材料は買って来てるし、後はもう鍋で煮るだけさ。


「本当にすまない。その代わり、私が納得出来る程の再現フルーチェを振る舞わせてもらう」

「あの、あまり重く考えなくても……」


 頼んだ俺らが言う事じゃないかもだけど、本当に軽い気持ちだったので……。

 まさか一日掛かってなお満足いかないとは思わなかっただけで……。


「いや。必ずや満足いく出来に仕上げてみせる」


 前に、さ。

 ラベンドラさんが、食材探して三年経ってたって話を聞いた時、正直盛ってるんだろうなぁと思ったのよ。

 でもさ、こうして調理の事になると自分の信念を曲げないところを見ると、割とマジで三年探し続けたんだろうなぁと。

 今度から、あまり軽い気持ちで異世界の料理食べたいとか言わない方がいいかもしれない。


「じゃあまぁ、作っていきましょう」


 と言うわけで炊けたご飯を一度水で洗い、ぬめりを取り。

 土鍋に入れて、水を入れて、刻んだ七草を入れてっと。

 塩で味を調えて、後は煮こんではい完成。


「以上です」

「……」

「……」

「……」


 嘘でしょ? みたいな顔して三人でこっち見らんでもろて……。

 嘘でも何でもなく、これで終わりですが?


「その……今日の料理はシンプルなのですね」

「七草粥と言って、年末年始から疲れた胃を休ませるために消化にいいお粥にしたものでして……。もっと言うなら、昔は寒い時期は野菜が乏しかったので、不足しがちな栄養を補うための料理です」

「……胃が、疲れる?」

「なんですの? それ」


 まぁ……そういうのとは無縁だろうなーとは思っていたよ。

 なんだったら、胸焼けや胃もたれなんかとも。

 毎日気持ちがいいくらいにバクバク食べてくれてたからな。


「俺らにはあるんですよ」

「なるほど」


 異世界の人間にあるかは知らんけど。

 

「じゃあ、食べるか」

「……じゃな」

「ラベンドラ、出来たぞ」

「もう少し……生クリームを……」

「ラベンドラ!」

「ん? ……あぁ、今行く」


 で、結局完成したかは分からない位にブツブツ言ってたラベンドラさんも炬燵に入り、土鍋を囲み。


「……ん? 粥?」


 先ほどまでの会話が耳に入ってなかったらしく、もう一度七草粥の説明をすることになるのだった。

皆さんはちゃんと七草言えますよね?

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― 新着の感想 ―
何度数えても六つしか言えないという…。先の方のコメントで芹が記憶から欠落していたのに気がつきました。 七草粥って、作っても食べてくれないんですよねえ。私以外の家族がみんなお粥嫌いで
七草がゆ物足りないのでしらすと鶏のささみを入れてしまう さらには卵まで入れて豪華10点セットが定番で背徳感!
粥だけだと土鍋1人1つでも量的に異世界人は足りないんだろうなぁ(遠い目
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