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オイスターパーティー

「ちなみに何を作るの?」

「牡蠣のお吸い物、牡蠣とキノコのガーリックバター炒め、アヒージョ風ホイル焼き、しぐれ煮、カキフライかな」

「聞くだけで涎止まらないんだけど?」

「奇遇だな、俺もレシピ考えるだけで涎止まらん」 


 というわけで必要な下処理を行っちゃおう。

 まずは普通に解呪から。

 ――料理は基本解呪から始まるよね? ヨシ。

 ラベンドラさんから渡された手袋を着用し、魔牡蠣をバラし。

 しっかり石鹸で洗って熱湯で消毒したバケツの中へ。

 そこに炒り塩と水を入れて混ぜ合わせて……。


「解呪に時間掛かるから買い物行ってくるよ」

「いてら~」

「……今年の雑煮にも牡蠣入れる?」

「もち」

「あ、餅は入れるよ?」

「違う、そうじゃない」

「分かってるって」


 なんてやり取りをしつつ買い出しへ。

 年末は閉まっちゃうスーパーもあるから、その辺は要チェック。

 さーて、買うぞ~。



「ん?」


 愚弟こと翔が買い出しに行ったので、炬燵でぬくぬくしながら宝石整理をしていると、翔から連絡が。

 内容を読めば、ゴーレムへのご飯をあげといて欲しいとの事。

 ほいほい。

 えーっと、腐葉土一キロと抗菌土一キロを丁寧に混ぜて……。

 液体肥料を総量一リットルになるよう希釈してっと。


「ゴー君、ご飯だよ~」

「ンゴ~」


 ……当たり前に受け入れたけどさぁ、家にゴーレムが居るってなんだろうね?

 可愛いからいいけど。

 というか、変にペットみたくトイレとか必要ないし、動き回らないし、そこら辺は楽かもしれん。

 尻尾が生えたおかげで感情も読み取りやすいしね。


「ちなみにまだ宝石食べたい?」

「ンゴ~……ンゴッ!」

「そっか、いらないか」


 そのせいなのか、何となくゴー君が言いたい事も分かるようになってきたし。

 ……今宝石はいらないって言ったな? 一応観察日記に書いとこう。

 宝石を食べる前までは何でもいいって感じで欲してたのに、尻尾と眉が出来てからは拒否った、と。

 なんだろう……何か基準があって、その基準に満たないと宝石を食べないとか?

 それとも宝石側の基準? ……となると――、


「私に送られてくる宝石は魔力がほぼない、みたいな事は言ってたし、それとか?」


 魔力を欲している可能性が?

 でも、例えそうだとしても、私には魔力を感知できないからなぁ……。

 ラベンドラさん達が来た時に聞いてみよう。

 ……ん?

 どうしよ、ちょっとフルーチェ食べたくなってきたかも。

 まだ間に合うかな。


『姉より弟へ。フルーチェを所望する』

『弟より姉へ。ギリセーフ』


 間に合ったらしい。

 危ない危ない。たまにこうして急に何か食べたくなっちゃうの、困るよなぁ。

 こうして手軽に買えるものならいいけど。

 もしかして異世界の人たちが関わってたりして。

 ……なーんてね、考え過ぎか。


(…………バレとらんようじゃな。ホッ)



 ただいま、という事でね。

 魔牡蠣の解呪も終わりまして、色々と下ごしらえを。

 まずは全部に必要なぬめり取りから。

 炒り塩水から取り出して塩揉み。

 牡蠣揉め、牡蠣揉め。


「一度洗い流して……と」


 水気をキッチンペーパーでしっかり拭き取り、揚げ物と炒め物、ホイル焼きに使う魔牡蠣に塩を振り。

 不要な水分を抜いていくわぞ~。

 カキフライは審議の結果、噛んだ瞬間に溢れる汁も美味さの要因という事で塩は振らない事に決まりました。

 さて、と。


「丁度姉貴も居るし、年末の大掃除、やっときますか」


 一人より二人、人手が居た方が掃除が捗るのは自明の理。

 というわけで姉貴、掃除するよ。


「えー、掃除ー」

「やんなさい」


 せめて自分が今過ごしてる部屋くらいは頼むよ。

 そんなに使ってないだろうし、掃除する箇所少ないでしょ。


「俺は風呂トイレキッチンをやるんだから文句言わせない」

「翔がお母さんみたいな事言ってる」

「母親からも姉貴の事をよろしくと言われておる」


 ちなみに両親は存命である。

 ただ……う~ん。

 中々帰って来ないんだよな。

 帰って来てもすぐにまた行っちゃうし。

 海洋生物の調査だとかのチームに入ってるらしく、帰って来ても年に一、二回。

 しかも水上から地上に戻って来ても、俺の所に来ることがマジで稀。

 大体船の上で食べられない外食なんかを楽しんで、ホテルの揺れないベッドの上で休暇を満喫してまた海へ戻っていく。

 おかげで貯金ばっかり貯まるって連絡が来たっけ。

 お金が貯まるのは羨ましいけど、ほぼ海の上じゃあなぁ。

 船酔いになったら地獄ぞ? 俺には真似出来ないね、両親の生活は。


「そういや最近二人に会った?」

「いつ頃帰って来てるのかすら知らん」

「まぁ、便りが無いのは元気な証拠か」

「それ言うのどっちかと言うと親側だけどな」


 懐かしむ様に姉貴が言うけど、確かに俺も最近両親に会ってないな。

 たまには顔を見せなさいな。

 ……これもどっちかと言うと親側の目線だな。


「あと、両親の話ではぐらかそうとしても掃除はして貰うからな?」

「チッ、ダメか」

「逃がすわけ無いんだよなぁ」


 年末なんて時期に帰って来た姉貴が悪い。

 と言うわけで大掃除、手伝って貰うぞ。

 ラベンドラさん達が来るまでの間だし、掃除が終わった後には牡蠣尽くしのご飯が待ってるからさ。

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― 新着の感想 ―
大掃除…と言うか、ご両親は健在なのかー、海洋学者って本当に帰ってこないからなあー? と言うか、しかたなかったんやー!ゼリーとフルーチェって出てきたら心のマジャリスくんが叫び出したんやー!orz
両親ご存命なのは意外。 これはそのうち帰宅するフラグだったり?
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