炬燵で寝るから……
ラベンドラさん作のプリンパフェ。
最下層プリン、コーンフレークは俺と同じで、そこに先程焼いたスフレケーキ。
チョコソースをかけてプリンを敷き、缶詰の白桃と黄桃をカットしたやつを乗せ、プリンでサンド。
仕上げに生クリームとアイスをトッピングし、アイスの上にミント、生クリームの上にさくらんぼを乗せ、缶詰の蜜柑と輪切りにしたバナナを添えて完成。
……喫茶店とかで出てきそうな見た目をしておる。
「ふむ。満足」
「作っていて楽しいですわね」
というリリウムさんのプリンパフェは、プリンと白桃黄桃を二回繰り返し、コーンフレークを敷いてプリン。
その上にスフレケーキ、生クリーム、アイスとチョコソースのこっちはファミレスとかで出てきそうなパフェですね。
オレオクッキーとか、飾りつけの焼き菓子があったら完璧だった。
「出来たぞ!」
そして大声を出したマジャリスさんは、何と言うか。
プリン、アイス、黄桃白桃。
プリン、アイス、蜜柑。
プリン、アイス、生クリーム、チョコソース。
という、欲に忠実な出来になっておりまして。
コーンフレークを挟んでない辺り、自分の好きな物を食べる! という強い意志を感じる。
美味しいのに、コーンフレーク。
「わしはこんなもんじゃな」
と、最後のガブロさんは……。
プリンとスフレケーキを交互に重ね、一番上に生クリームとアイス、蜜柑を飾った、パフェというかサンデーの方が近いような見た目。
まぁ、本人がそれでいいならいいんだけど。
「随分と寂しくないか?」
「これくらいがちょうどいいわい」
と、マジャリスさんとガブロさんが言ってる最中、俺は見逃しませんでしたよ?
ガブロさんが、ラベンドラさんのパフェの一番上、輪切りのバナナを何とも言えない表情で見ている事に。
まぁ、ガブロさんは唯一こっちの世界の牡蠣を何の情報もないまま口にしてるし。
異世界バナナ牡蠣の味なのに見た目が違うっていうのは、もはや本能に刻まれていそうではある。
「では、食べましょうか」
と言って、パフェ用の長いスプーンをそれぞれに渡しまして。
あ、そうそう。俺のパフェなんだけど、みんなが自分のパフェを作るまでの間に溶けないように、状態保存の魔法をかけて貰ってた。
だから今もアイスはそのまま残ってるんだよね。
「どれもこれも食べた事のあるスイーツだが……」
「全部が揃うと、ここまで心が躍るのですわね」
「アンコールが湧くな」
「踊ってしまいそうじゃわい」
……翻訳魔法さんかな?
いや、何も知らないからこそのここまでピンポイントな可能性も……。
「ではゆくぞ!」
翻訳魔法さんっぽいな。食べたいんだろうか?
明日姉貴のパフェを作る時に小さく作って供えてあげよう。
(わしにも頼むぞい)
神様も食べたいんですか?
(美味そうじゃし)
……ちょっとプリン追加で作っとくか。
まさか神様にまでねだられるとは思わなかった。
「プリンにチョコ! プリンにアイス! プリンに生クリーム!!!」
「うるさい! 黙って食え!!」
「スフレケーキにプリンや生クリームを合わせることの幸せさが……」
「プリンが滑らかで濃厚じゃのぅ」
ちなみにリボーンフィンチの卵で作ったプリンなので当然のように緑色だけど、まぁ抹茶プリンと見た目そんなに変わらないし。
見た目抹茶プリンなのに味はノーマルプリンってのが若干脳みそバグるけど。
それはそれとして普通に美味い。
デカクカタイタマゴの時はタマゴの味が良くて美味しいって感じだったけど、こっちのプリンは滑らかさ重視かな。
濃厚なのもガブロさんが言う通りなんだけど、ちょっと前の飲むプリンみたいな滑らかさ。
特に生クリームとか増やして無いから、卵自体の滑らかさがここまで強く出てるんだろうなぁ。
あと、アイスとか生クリームとかと相性がかなりいい。
ミルク系のコクと合わさると、グッと味が引き立つ感じがする。
そこに蜜柑の酸味とフレッシュさを入れるともう最高よ。
「フレークとアイスを混ぜて食うのが美味い」
「プリンともいけますわよ?」
「俺も入れる。フレークを取ってくれ」
「フルーツのさっぱり感で結構食えるのぅ」
フルーツ類もほとんど缶詰……言うなればシロップ漬けだから、普通に比べて甘いはずなんだけどね。
それよりも甘いものを食べてるから、さっぱり感の方が強調されてるんかな。
「ふふ、スプーンを奥まで入れて、一気に掬い上げて食べるのがたまりませんわ」
「自分で作った断層をそのまま味わえるからいいですよね」
リリウムさん、パフェの美味しい食べ方(俺調べ)に辿り着いたか。
パフェの一番下から、一気にごっそり掬い上げて食べる。
これが俺の中で一番美味いパフェの食べ方ね。
欠点は最初の一回以外はパフェの断層が混ざっちゃうこと。
まぁ、混ざったら混ざったで美味しいんだけど。
「プリンが滑らかだから、食べるより飲むといった感じの方が強いかもしれん」
「どっちにしろ美味しい!!」
「チョコソースも合わさると最強に見える」
盛り上がってますねぇ。
やっぱりプリンとかアイスとか、美味いもん全部合わせたら美味いだろ理論は最強って事だ。
「一気に食べてしまった……」
「大満足だ!!」
「美味しかったですわね」
「ふぅ、もう入らんわい」
という事であっという間にパフェを完食。
うんうん、いい食べっぷりでした。
「カケル、持ち帰りの料理なのだが」
「カルパッチョサンドを予定してますけど」
「問題ない。早速取り掛かろう」
ふぅ。
俺も食べ終わった事を確認して、ラベンドラさんと持ち帰り用の料理を開始。
と言っても肉切って、ソース作って挟んで終わり。簡単でしょ?
「では、また明日」
「ええ、お待ちしてます」
「そうですわ。お姉さまの体調、回復させておきましたので」
「……へ?」
「では!」
そう言って魔法陣に消えていく四人。
……姉貴の体調? 回復させた?
何の事だろう……。
とりあえず起こすか。炬燵で寝られて風邪ひかれても困るし。
あー……まさか既に風邪引いてた説。
それを治してくれたとか? リリウムさん。
姉貴の代わりに言っときます、ありがとうございました。




