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贅沢ウニ料理

 安心してください、ウニでした。

 ちゃんとウニでした。 

 ただ、めちゃめちゃ美味い。

 舌の上に乗せた瞬間にトロリと溶けて、美味さと甘さの混ざったスープになるんよな。

 で、俺が普段食べる……普段って言ってもそんな頻度無いけど、それでも日常で手に入るウニってどうしてもミョウバンが使われててさ。

 鮮度とかを保つために必要だとは分かりつつ、それでもミョウバンの香りとか苦みのせいであまり美味しいウニに巡り合えなかったりするじゃん?

 そんなあなたに朗報です! 異世界に住むエルフと仲良くなれば、ミョウバン不使用で香りがよく、味も濃厚で甘みが強い、極上のウニと巡り合えます!!

 なんてアホな考えが浮かぶくらいに美味しかったです、はい。


「一瞬果物と言われても信じそうになるほどの甘さがある」

「風味が昨日食べたケーキに入っていた木の実と似ていたな」

「栗ですかね? 確かに栗の風味や甘さに近いものがありましたね」

「濃厚で口の中にいつまでもいる旨味が最高でしたわ」

「米に確実に合うだろう。丼……あとは前食べた手巻き寿司なんかもいい」


 以上が俺含めたウニ鱗を食べた四人の反応です。

 総じて最高でしたわね。


「とりあえずボウルをもう少し準備して、とりあえず全部の呪い抜きをやっちゃいましょうか」

「そうだな」

「任せてくださいませ」

「難しくなさそうだったから俺でも出来そうだ」

「じゃなじゃな」


 ……恐らく生きていく上で絶対に使わないであろうワード、呪い抜き。

 毒抜きみたいに言ったけど、冷静に考えて意味分からんなこれ。

 とりあえず持ち込まれたウニ鱗を全部呪い抜きするまで……カット!



「ふぅ」


 終わりましたわよっと。

 いやぁ……にしても。

 緑色に染まった水が時間経過で透明に戻っていくの、何度見ても違和感しかないな。

 常識って概念からかけ離れ過ぎだもんね。


「カケル」

「なんでしょう?」

「頼みがある」

「はい」

「その呪いを抜いた塩水だが、我々に譲ってくれないか?」

「……はい?」


 待って? つまりは……?

 呪いを抜きまくった塩水を欲してるって解釈で合ってる?

 ……なんで?


「解呪が可能な塩水は研究対象として十分に価値がある。そして、その資料は多ければ多いほどいい」

「……なるほど」


 確かに、言われてみれば。

 ラベンドラさん達の口ぶりからして、解呪って言うのは基本的に難しい事なんだよね?

 だから生食出来ないって感じだし。

 それが、神様からの神託があったとは言え、焼き塩を入れた塩水で解呪出来ちゃったもんだから色々と調べたいって事か。

 納得。


「分かりました」

「恩に着る」


 ……実は、あの水どう処理しようかと悩んでたのは内緒ね。

 生活水として流しちゃって本当に影響ないのか? とか、最悪庭に撒くか? とか考えてたけど。

 異世界に持ち帰ってくれるなら万々歳ですよ。

 地産地消ってね。……違うか。


「さて、色々とあったが食事の準備に入ろう。何をすればいい?」

「それなんですけど、正直うに丼でいいかなぁって……」


 神様からの神託頼りで新しい食材メインで考えてたからねぇ。

 まぁシャコナリケリもあるし、それも使って……。

 ――待て。一つ沸いたぞ。晩御飯のメニューが。


「かなり贅沢な料理が思いついたんで、それを作っちゃいましょう」

「よし来た。――私は何をすれば?」

「こいつらを食べやすい大きさに切って貰えます?」


 手渡したのはシャコナリケリとコシャコナリケリ。

 そいつらを切って貰ってる間に、俺は鍋に水を入れ。

 出汁パックを入れて出汁を取っていきまして。

 その間に、さらに別の鍋の上で、


「何をするんだ?」

「こいつを漉していきます」


 ウニ鱗を漉して滑らかにしていきますと。

 それ単体で食べても美味しいウニ鱗。

 こいつをさらに漉し、今取ってる出汁と合わせて……。

 本日のメニュー! うに丼!! そして――うにしゃぶ!!

 ウニ尽くしの晩御飯、贅沢だぞぉ~。


「切れたが?」

「じゃあお皿に盛りつけて貰って」

「片手間で出来る。他には?」

「では、丼にご飯を盛って、刻み海苔を敷いてください」

「その上に鱗を盛ればいいんだな?」

「ですです。もうどっさりといっちゃいましょう」

「分かった」


 というわけで出汁が引けたので、先程から漉しているウニ鱗と練り合わせまして。

 筋とか、固い所を除いた、ウニ出汁の完成!!

 ちょっと味見。

 ……ふわぁ……。

 うま。え、待って、うま。

 これこのままウニ汁とか言って出されたら俺はその店をリピートするわ。

 あ、値段って問題あるけど。それでも、絶対に年一で通うかなぁ。マジで美味い。

 ……ただ、これをそのまましゃぶしゃぶの出汁にするかと言われるとノーですね。

 まずここに料理酒。そしてみりんを入れて甘みとコクを追加。

 ……うん、こんなもんでしょう。

 カセットコンロをテーブルの中央に置き、その上にウニしゃぶ用のシャコナリケリとコシャコナリケリをドン!と。

 そして各々の目の前に丼をドン!! と。

 いつも通りにお茶と、今日はしば漬けをご用意しました。

 というわけで超贅沢! たっぷりうに丼とウニしゃぶの晩御飯、完成!!

 なお食材提供は異世界なもよう。

 早速、いただきます!!

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― 新着の感想 ―
[良い点] ウニしゃぶ…だと……?
[一言] 解呪効果のある塩水すなわち聖水だよなぁ 研究対象としては、魅力的だな 塩を炒る時間から塩と水の割合さらには、軟水か硬水かで変化があるのか 研究成果次第じゃ塩釜焼きが神聖な料理に格上げされかね…
[一言] クリ(うに) うおっ、贅沢すぎ…… でもまあ元がゾンビだもんな。生食可って言っても日持ちしなさそうだし、さっさと食うに限るね。
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