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そうじゃなくて……

「む? 次のは中央に穴が開いて無いのか?」


 お気づきになりましたか。

 続いての登場はエンゼルなクリーム。

 あのフワフワで柔らかい生地の中に、これまたフワフワで軽いホイップクリームがたっぷりと。

 これはね、みんな好きなの。僕知ってる。

 あと、ガブロさんの主張は恐らくこうだ。

 真ん中に穴が開いて無いから0カロリーじゃなくないか? そういう事でしょう?

 ご安心ください、こちらのエンゼルなクリーム――高温の油で揚げており、カロリーは油に溶けだしているので0カロリーです!

 ……バカな事言ってないで説明しよう。


「さっきまでのはリングドーナツと言って、その名の通り輪の形をしたもので」

「つまりこちらの形の方がドーナツという言葉だけで見れば正しい、と?」

「いえ、こっちの形はジェリードーナツと呼ばれています。ちなみに、他にもツイストドーナツもありますよ?」

「つまりドーナツとは、こういった揚げ菓子の総称……という事だろうか?」

「ですかねぇ」


 揚げ菓子イコールドーナツかと言われたら多分違うけど、その辺細かく説明する自信はない。

 まぁ、都度揚げ菓子作った時に説明すればいいだけだし。

 ちなみにジェリードーナツとか言う聞きなれないドーナツは、穴が無く、中にジャムやクリームを詰めたドーナツのこと。

 ちなみにあんドーナツとは違い、揚げてから中に抽入する物の事を言うらしい。

 あんドーナツは揚げる前から詰めてるらしいよ?


「持つと軽さが分かりますわね」

「先ほどのゴールデンなチョコレートと比べると特に顕著だ」


 と、リリウムさんとラベンドラさんが持った感想を言ってる横で。


「我慢出来ん!!」


 かぶりつくマジャリスさん。

 あと、翻訳魔法さん? 正しく翻訳してください?

 我慢出来ないんじゃなく、どうせ我慢する気が無いんですよこのエルフ。


「うま! うまい!! 美味いぞ!!」


 はい、これ、美味いの三段活用ね。

 現代エルフ語翻訳試験に出ますんで覚えておかなくて結構です。

 いやぁ、欲しかった反応をありがとう。

 やっぱり期待を裏切らないね、マジャリスさんは。


「むぉ!?」

「あら!」

「うむ!!」


 で、マジャリスさんから一拍遅れて三人もパクリ。

 ……これツッコむべきかなぁ。


「柔らかく、フワフワな生地!」

「そこから出てくる同じく柔らかなクリームがとても美味しいですわ!!」

「相変わらず甘さは控えめ、一度に多くを口に入れても胸焼けとは無縁じゃわい」


 ツッコむか。教えてあげた方がいいよね。


「リリウムさん、お尻からクリームが出てますよ?」

「ふぇっ!? そんなことは!?」


 俺に言われ、即座に振り返ってお尻を見るリリウムさん。

 あの、違くて。そっちじゃなくて。


「ドーナツの裏側から、クリームが……」


 俺がお尻とか言うからまずかったな。

 翻訳魔法さんは恐らく直訳したんだろうし。

 こう、日本語の微妙なニュアンスを伝えられるようなものじゃなかった。


「ふぇ? あ、あぁ、こういう事ですのね////」


 自分の勘違いを理解したか、やや頬を染めながらドーナツを回転させ。

 クリームを入れる時に出来たであろう穴から、はみ出たクリームをペロリと舐める。

 というか、冷静に考えてさ。お尻からクリームが出るってどんな体質だよ。

 気付け、見る前に。

 ……あ、いや――もしかして異世界にそういう魔物が居たりするわけ?

 なんかこう、口に入れたらお尻から出てくるみたいなの。

 ――やめとこ。絵面想像したくない。


「紅茶が美味い」

「コーヒーも合うぞい」


 マジャリスさん、もう食べ終えてやんの。

 ガブロさん見てよ、まだ半分残ってるのに。

 ……あ、やっぱ見なくていい。めっちゃ狩人の目で見てる。

 もう自分の分は食べたでしょ! そんな目で見ないの!!


「そう言えば、ウィンナーコーヒーなんてのもありますね」


 コーヒーとエンゼルクリームが合うってガブロさん言ってたけど、当たり前だよな。

 そもそも飲み物としてその組み合わせがあるわけだし。


「ウィンナー? ……それは美味しいのか?」


 凄い疑心暗鬼の目で見てくるじゃん。

 まぁ、その理由もわかるけどさ。


「ウィンナーと言っても、こちらの世界で言う『特定地域風』という意味で、特定地域の飲み方を真似たコーヒーみたいな意味合いですよ?」


 断じて腸詰肉が入ったコーヒーじゃあないぞ?

 まぁ、その間違いはベタだけどさ。


「そうなのか……」

「ちなみにどういったコーヒーになりますの?」

「俺たちの国ですと、基本的にコーヒーの上にホイップクリームを乗せた飲み物ですね」

「飲みたい!!」


 えー、ただいまの甘味認定及び飲みたいという意思表示にかかった時間――0.11秒になります。

 神速のインパルスかな?


「自宅で出来そうなら作り方を調べておきますよ」

「頼む!!」


 こう、真っ直ぐにお願いされると断れないよね。

 まぁ、断る気無いけど。

 こういう所は得な性格してるなぁ……欲望(甘味)に忠実ってだけかもしれんが。


「すまない、コーヒーのお代わりを貰えるか?」

「わしもじゃ」

「あ、はい。ついでに紅茶もお代わりいかがです?」

「いただきますわ」

「スッ(無言でカップを差し出す)」


 で、最後のカスタードなクリームに向かう前に、一旦お代わりタイム。

 ……マジャリスさんはお代わり位口で言いなさいよ。

 例え、指に付いた粉砂糖を舐めるのに必死になっていたとしてもさ。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ウインナーコーヒーでソーセージをぶちこんだコーヒーで伝わってたらヤバかったなぁ なんか、塩が入ってるコーヒーとかあるみたいですよ
[一言] 尻から油は出るらしいよ もちろん人の尻からです 何とかって深海魚を食べると出るそうな
[一言] お尻からクリームが出るのは猫ひ◯しだけなんだよ(風評被害 というかリリウムさんしか指摘されてないってことは他の連中は何なのか解らずに勢いよくかぶりついてるのにクリーム出さずに食えたのか。 …
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